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放射性廃棄物処理処分問題、、、これこそが原発の最も深刻な負の因子。。。

■核のごみ英国も苦悩 最終処分場建設を否決

 【ロンドン=共同】英国で原発から出る放射性廃棄物の最終処分場候補地となっていた中部カンブリア州の議会は三十日、処分場建設計画の是非を問う採決を行い、否決した。英政府は原発推進の方針だが、これで処分場の候補地がなくなり、日本と同様、放射性廃棄物の行き場が決まらない苦悩を抱えることになった。

 具体的な候補地となっていた同州のコープランド市議会は同日、計画を可決したが、実現には州議会の決定が必要。英政府は今回の建設計画は頓挫したとしている。

 同州には既に使用済み核燃料の再処理施設などがあり、最終処分場の有力候補地とみられていた。英政府は「原発を今後も新設する現在の方針は変えない。ほかの自治体が候補地に名乗り出てくれるよう働き掛けていく」としている。

[東京新聞]

Posted by nob : 2013年01月31日 23:56

議論すべきは改革の方向性と方法論について。。。

■「命の重みわかっているの?」……尾木ママ、桜宮高生徒による記者会見に憤慨

 大阪市教育委員会が、体罰を受けた男子生徒が自殺した大阪市立桜宮高校の体育科の入試を中止すると決定したことを受け、決定に反対する同校の生徒が記者会見して入試の実施を訴えた。この生徒たちの行動について、“尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹氏が憤慨している。

 市教委の決定では、今春の同校体育系学科の募集を中止し、普通科として募集するとした。この市教委の決定をめぐり、同校で運動部キャプテンを務める在校生数名が21日に記者会見を開き、決定を批判したことを複数メディアが報じた。尾木氏は22日に更新した自身の公式ブログでこの件について言及。「なぜ記者会見なの?」「ご遺族の心情考えているの」「命の重みわかっているの」と憤慨するとともに、「誰が仕組んだのかしら?」と、生徒以外の何者かの入れ知恵である可能性についても触れ、「やらせるなら生徒会でしょう。なぜ部活の部長? 出てくるべきは学校、顧問、教師でしょう!!」と怒りをあらわにした。

 さらに尾木氏は、会見を行った生徒らが見せた“教師に依存した姿”について、「橋下市長の言う通り、体育科そのもの」と指摘。生徒と教師とが「従属関係」にあり、マインドコントロールを受けているような状態を「教育に危険、不要なんです」として、「抜本的に見直した方が良さそうですね」との考えを示した。

 前日のブログでは、市教委の決定について、「体罰の悲劇を受け止めけじめをつけた」点と、「受験生の救済」との2点において「この段階としては評価できると思います」と支持していた尾木氏。「後は人事の刷新、在校生のケアと新生。桜宮作るために、先生も教育委員会も子どもたちと共に立ち上がることです!!尾木ママ応援します」とつづっていただけに、今回の記者会見の1件はどうしても看過することができなかったのだろう。22日付けのエントリーでは、今回の事件によって大きな衝撃や動揺を受けたであろう同校生徒たちを慮るとともに、「これはひとりバスケ部の問題ではありません!!今こそ正式に生徒会が立ち上がる時!学校づくりの課題として、クラス討論を基礎に、全校生徒の新生桜宮高校ビジョンまとめるべきです」と改めて生徒たちに呼びかけている。

[RBBTODAY]

Posted by nob : 2013年01月31日 11:19

風邪と心の病にかかれる力は、、、まさに天賦の才。。。Vol.12

かねてより、私の周りには、心の病にかかる人達が多かったように思います。

単に、そうした視点で意識をして見るからだけのことかもしれませんが。


そして、私自身が患うことなど、まさに青天の霹靂でしたが、

諸々考え合わせてみれば、ごく必然的な成り行きだったのだと、今では感じられます。


これは、私の経験値による認識であって、何らか確かな根拠に基づくものではないのですが、

何事にも無頓着で鈍感で、おまけに物事を深く考えもしないような人々を、まずは脇に置いて、

もともと内向的で悲観的なタイプの人は、普段から免疫ができているからなのでしょうか、心の病にかかっている例をまったくと言ってよいほど見たことがありません。

反面、主体的かつ積極的、繊細で根が真面目と来たら、いつ発症してもおかしくないアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす抗原物質や環境要因)を有していると言っても過言ではない気がします。

私の周囲を見回してみても、程度の差こそあれ、心の病を患っている全員がこのタイプかと、もちろん私自身も含めてです(苦笑)

Posted by nob : 2013年01月30日 12:00

顧客主義への転換、、、生き残りへの鍵。。。

■アップル時価総額世界一から転落 6兆円超消える

 アップルの株価下落が続き、2日間で時価総額で6兆円以上が消え、世界一から転落しました。首位は、石油大手のエクソンモービルが返り咲きです。

 アップル株は、前日より2.36%下落し、25日の終値で時価総額は4130億ドル=約37兆5830億円になりました。アップル株は、前日に 12.35%下落していて、この2日間で約6兆3000億円の時価総額が吹き飛んだ計算です。一方、エクソンモービル株の時価総額は25日、4182億ドル=約38兆590億円となり、1年ぶりに世界一が逆転しました。アップルは、去年1月にエクソンモービルを抜いて世界一となり、去年9月には過去最高の時価総額6580億ドルを記録しました。

[テレ朝NEWS]

Posted by nob : 2013年01月27日 08:01

目指せ!脱原発産業大国日本!!

■核兵器数千発分のプルトニウムがゴミと化す!?
原発大国ニッポンが「廃炉大国」になる日

日本の人口は今、何人くらいか、君は知っているかな。2010年の国勢調査を見てみるとだいたい1億2806万人。でも、この人口はこれからどんどん減ってしまうんだって。

国立社会保障・人口問題研究所では、将来の人口について3つの見方で予測を立てている。このうち、「中位推計」――出生や死亡の見込みが中程度と仮定した場合の予測――を見てみると、2030年には1億1522万人、さらに2060年には8674万人となっている。これは、第二次世界大戦直後の人口とほぼ同じ規模だ。

どんどん人口が減り、縮んでいく日本の社会。いったい私たちの行く手には何が待ち受けているんだろう?

――この連載では、高齢になった未来の私たちのため、そしてこれからの時代を担うことになる子どもたちのために、日本の将来をいろいろな角度から考察していきます。子どものいる読者の方もそうでない方も、ぜひ一緒に考えてみてください。

「廃炉」コストは
4日分の電気料金でペイできる

「40年以上経過した原発は“廃炉”にする」。前政権の民主党が掲げた政策だ。廃炉というのは、炉を停止し、設備を解体していくことだよ。なんだか莫大なお金がかかりそうだけれど、いったい費用はどのくらいなんだろう?

 原子力研究バックエンド推進センターによれば、「福島の4基は別として、通常の廃炉であれば、1基につきだいたい550億円くらいと見積もられています。ただし、使用済み燃料の再処理費用は入っていません」とのこと。

 550億円というと巨額なイメージがあるけれど、東京電力の電気料金などによる収入は、1日あたり約147億円(※)。単純計算だけれど、4日分もあれば廃炉費用がひねり出せる金額だ。

(※)2012年3月期の売上高:5兆3494 億円=電気料収入+地帯間販売電力料+他社販売電力料を365で割った金額

 民主党は、ほかにも「原子力規制委員会が安全だ、と確認したものだけ再び稼働する」「新しい原発は作らない」などの政策を提示していた。実現に向けた具体的な道筋は明らかにしていなかったけれどね。

 安倍新政権はこの方針を見直す意向だ。前政権が認めなかった上関原発(山口県)の着工についても、「検討する」としているよ。

 政権交代によって、180度変わってしまったエネルギー政策。国民はどう思っているんだろう?

 昨年8月、国は「2030年の電力に占める原発の割合」について国民の意見を聞いた。その結果、「原発ゼロ」を望む人が46.7%にのぼったんだ。ところがNHKが今年1月、安倍政権の「見直し」についてアンケートを行ったところ「反対」は21%で、「賛成」はなんと43%。昨年夏とはみんなの気持ちが逆転してしまったみたいだ。

 原発が稼働している社会と、稼働原発ゼロを実現し、廃炉を進める社会。2030年の僕らは、どちらの社会に生きているんだろう?今の日本人は、ちょうどその分岐点にいるのかもしれないね。

じつはすでに減っていた!
日本のエネルギー消費量

 石油などのエネルギー資源を持たない日本。エネルギー自給率4%と、海外からのエネルギー輸入に頼っている日本の状況を心配する人は少なくない。

「たしかにあと1、2年は冬と夏、電力不足に悩まされるかもしれない。しかし、原発を稼働させなければ、迫りくるエネルギー危機を乗り越えられない、というのは間違い。これから日本には急激な人口減少が訪れるのですから」

にしむら・よしお
東京工業大学卒業。工学博士。『日経エレクトロニクス』編集長を経て、2002年2月、東京大学教授。退官後、東京工業大学監事、早稲田大学客員教授などを歴任。現在はフリーランスジャーナリストとして活躍。著書に『産学連携──「中央研究所の時代」を超えて』(日経BP社)など

 こう話すのは、元・早稲田大学政治経済学術院 客員教授で技術ジャーナリストの西村吉雄さんだ。

「国立社会保障・人口問題研究所によると、2030年の日本の人口は、2004年のピークから10%ほど減少すると推測されている。さらに、2050年には3269万人と26%減り、9515万人に。1億人を割る見込みです」

 人口が減れば、当然ながら消費エネルギーだって減る。経済産業省の報告書(「2030年のエネルギー需給展望」でも、「人口が減少すれば、経済的な需要や生産年齢人口も減る。エネルギー需要は押し下げられるだろう」と述べられているよ。

 同省によれば、2030年度の最終エネルギー消費(発電、送電ロスなどを差し引いたエネルギー消費)は2005年度と比べ、最大16.2%減る見込みだ。エネルギー需要は、人口減少によって自然に減る。省エネ努力をすればもっと減るに違いない、というわけで試算されたのが、この数字だ。ちなみにこの金額には、3.11後におこなわれたような節電の効果は反映されていない。

「しかも、エネルギー消費量はじつはすでに減っているんですよ」(西村さん)。

 経済産業省の「平成22年度 エネルギーに関する年次報告」を見てみると、たしかに産業部門のエネルギー消費は、1995年頃から徐々に減る傾向に。さらに、2008年のリーマンショック以来、ぐっと落ちているのがわかる。

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 もちろん、不況の影響は大きい。「じゃあ、景気が回復して産業が復活すれば、エネルギー危機の可能性もあるんじゃない?」と思うかもしれない。

 西村さんの話によると、それがそうでもないらしい。

「脱工業化が起こり、工業中心からより情報や知識、サービスなどが重視される産業が主流になった。エネルギーをたくさん使う、製鉄などの産業も減ってきています」。

 しかも、製造業では以前より、効率よくエネルギーを消費するようになっている。オイルショック前の1973年度と2009年度を比べてみると、経済規模は2.3倍に、生産量は1.5倍になったのに対し、エネルギー消費は0.9倍、つまり1割減った。エネルギー効率を表す「エネルギー消費原単位」も、グラフのように大きく低下しているよ。

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なぜ国は原発にこだわるのか
資産の「使用済み核燃料」がゴミに変わる日

 西村さんの言うとおり、人口減少時代を迎える日本が将来、エネルギー不足に陥る危険性はそう高くなさそうだ。当面の電力ピークも、火力発電や天然ガスなどを使えば、節電でどうにか乗り切ることは可能だろう。そのことは、3.11後、すでに実証済みだよね。

 じゃあ、どうして国はそこまで原発にこだわるんだろう?一般に言われているように、コストが安いエネルギーだから?

「そんなことはありません。発電コストは低めでも、建設費はべらぼうに高い。原発の建設費が高いのは、すでにニュースや新聞で報道されているように“総括原価方式(そうかつげんかほうしき)”という料金の設定方法をとっているからです」

 総括原価方式では、資産の大きさに比例して、電気料金を決められるようになっている。具体的に言うと、発電所の土地や費用、使用済み核燃料などの「特定固定資産」に3%をかけたものを、人件費や燃料代などの原価に加え、電気料金収入を算出する仕組みだよ。つまり、高い費用をかけて作った原発を持てば持つほど、電力会社にはお金がたくさん入ってくる、ってことだ。

 なお、立命館大学の大島堅一教授の研究によれば、原子力の発電コストは水力よりも高く、火力よりやや安いことがわかっているよ。

 もうひとつ、注目したいのは「使用済み核燃料」が、電力会社の資産として扱われていること。

「使用済み核燃料、つまりウラン燃料の一部は、青森県の六ヶ所村で“中間貯蔵”されています。これを処理すれば、もう一度、原発の燃料として使える可能性のあるウランやプルトニウムを取り出すことができるからです」

 再処理すれば、ウラン238という物質も取り出すことができる。そのままでは使えないが、プルトニウムと一緒に燃やすことで、核燃料として使えるプルトニウムに転換することが可能だ。使用済み核燃料、つまりゴミを再処理して再び燃料にする――この夢のようなサイクルを可能にするのが、高速増殖炉「もんじゅ」だ。

「つまり、使用済み核燃料は、将来、利用することが可能だというので、“資産”として扱われています。もし廃炉にしてしまえば、使用済み核燃料はただのゴミと化してしまい、電力会社は一気に資産を失ってしまうわけです」。

 もっとも、もんじゅは1995年にナトリウムが漏れて火災が発生。2010年に運転を再開するも、またもやトラブルを起こし停止したままだ。1950年代頃は欧米も高速増殖炉に高い関心を寄せていたけれど、ちゃんと稼働させるのはあまりに難しく、どこもやめてしまった。いまだに保持しているのは日本だけ。また、六ヶ所村の再処理工場も、まだ本格的な稼働はしていない。

日本が保有するプルトニウムは
核兵器“数千発分”

 電力会社が廃炉を嫌がるのはわかるとして、国が廃炉に積極的でないのはなぜだろう?

 その秘密は、使用済み核燃料を再処理することで取り出せる「プルトニウム」にある。なんといっても、プルトニウムは核兵器の材料になるからだ。

 じつは、西村さんたち研究者やジャーナリストは、福島第一原子力発電所の事故を、第三者の立場から調査、分析し、結果を書籍やウェブなどで発信する「FUKUSHIMAプロジェクト委員会」を立ち上げている(活動費用は賛同者の寄付金などでまかなわれた)。

 ところが、過去にさかのぼって資料を調べれば調べるほど、原発問題の行きつく末は軍事問題なのだということがわかる――と西村さんは言う。

「1954年に保守3党から最初に原子力予算が提出されたとき、中曽根康弘氏ら中心メンバーは『原子兵器を使う能力を持つことが重要』という意味の言葉を述べています。また、1969年にまとめられた『わが国の外交政策大綱』には、当面核兵器は保有しないが、核兵器を作るためのお金や技術力は保っておくべきである、と書かれているんです」

 プルトニウムを保有することの良し悪しは別として、西村さんは「これ以上のプルトニウム製造は、安全保障の面から見ても必要ないはず」と言い切る。

「すでにフランスやイギリスで再処理し、保管してある日本のプルトニウムの量は、核兵器数千発分に相当します。だから国際的に見れば、日本は“準核保有国”という位置づけなんです」

使用済み核燃料プールは6~12年で満杯に
今こそ「脱原発産業」を起こせ

 いずれにしても2030年まで、今、全国にある54基の原発を維持し続けることはできないだろう。それまでには、ほとんどの原発が老朽化してしまうからだ(ただし、「急激な温度変化などのトラブルがなければ100年間もつ」と主張している人もいる)。

 それに、ほとんどの原発では、使用済み核燃料を保管している「使用済み核燃料プール」が、あと6~12年で満杯になってしまう。いくら国が原発を維持したくても、現実的には難しそうだ。

 もちろん廃炉するとなれば、いろいろ頭の痛い問題も出てくる。ひとつはゴミと化した使用済み核燃料をどうするか。フランスやイギリスで再処理されて、戻ってきた高レベル性廃棄物の放射線量はとても高い。安全なウラン鉱石になるまでには10万年もかかるとされているんだよ。

 また、原発によって生活を支えている地元の人にとっては、廃炉は大きな痛手だ。

「話し合いを重ねながら時期を見ることが大切。場合によっては廃炉交付金なども必要になるかもしれない。廃炉そのものをビジネス化していく道も考えられます」(西村さん)

 動力試験炉「JPDR」や、解体中の新型転換炉「ふげん」を除き、まだまだ廃炉の実績のない日本。海外では解体作業で大活躍しているロボットも、「日本では試作品が作られるばかりでメンテナンスもされず、お蔵入りの状態。ほとんど活用されていない状況」(原子力研究バックエンド推進センター)だ。

 でも、54基を廃炉していく間には、海外にも通用するノウハウや人材を蓄積できるかもしれない。

「原発ゼロの社会になっても、廃炉や使用済み核燃料の処理は続けなければなりません。そのための専門家も必要です。九州大学の吉岡斉教授は、原発依存から脱けだしていくための知識や技術を『脱原発工学』と名付けている。日本はこれから脱原発工学の専門家を養成し、脱原発産業を起こすべきだというのが私の考えです。

 脱原発産業は成長産業です。世界中に脱原発を必要としている国がある。その需要は百年以上にわたって伸び続けるでしょう」

 日本を「脱原発産業大国」にしなくては――と西村さんは語る。

 廃炉は550億円と労力を費やして終わりの、むなしい作業じゃない。その経験は、中国などの新興国が人口減少時代に突入したとき、必ず役立つことだろう。人口減少のトップランナー日本に生きる僕たちは、今、「廃炉時代」を生き抜く知恵を求められているのかもしれないね。

参考文献:
『FUKUSHIMAレポート』(FUKUSHIMAプロジェクト委員会 日経BP社)

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2013年01月25日 08:44

…となると、、、北方領土はロシアの領土。。。

■尖閣はなぜ日本領か
歴史的・法的根拠を示そう
尾崎重義 (筑波大学名誉教授)

尾崎重義 (おざき・しげよし)  筑波大学名誉教授
1936年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。国立国会図書館調査及び立法考査局勤務後、新潟大学、筑波大学等の教授を歴任。専門は国際法。

WEDGE REPORT
時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

尖閣諸島は歴史的に中国の領土であり、日本が一方的に奪ったと国際的にPRする中国。
一方で、尖閣をめぐり解決すべき領有権の問題は存在しないと一点張りの日本。
歴史的な事実や当時の史料を読み解けば、尖閣が中国や台湾の領土であった
ことは確認されず、歴史的にも国際法的にも、日本に領有権があることは確実だ。
日本は中国に対して主張と反論を繰り返し、国際社会へ積極的に発信する必要がある。

 2012年9月、経団連の米倉弘昌会長は、尖閣諸島に関して「領土紛争」が存在すると政府が認めるべきだと発言した。また今回の総選挙に向けた日本維新の会と太陽の党の政策合意では、「尖閣諸島について中国にICJ(国際司法裁判所)への提訴を促す」としている。

 しかし、ここで注意が必要である。ICJは国家間における「法律的紛争」の解決を任務とする国際裁判所であって、政治紛争を扱う機関ではない。日本が尖閣問題をICJに付託すれば、日中間の法律的紛争として認めたことになり、尖閣諸島の日本領土としての地位を不安定にする恐れがある。尖閣諸島は決して係争地などではない。歴史的経緯からしても国際法から見ても日本の領土であることに疑いはないのである。

 つまり、尖閣紛争とは、日本の領土としてこれまで認められてきた地域について、突然に中国側が領有権を主張したことにより生じた外交・政治の問題であって、決して国際法的な意味での領土紛争ではない。そのことを以下で明らかにする。

 国際法上「先占」とは、どの国家にも属していない「無主の地」を、他の国家に先立って実力で支配すること(先占行為)によって自国の領土とする行為をいう。先占の要件として、(1)その土地を領有しようとする国家の意思がなんらかのかたちではっきりと対外的に表示され、かつ(2)国家がその土地を実効的に占有することが求められる。

国際法上
日本は実効的に支配

 1895年1月以降日本政府が尖閣諸島に対してとった一連の措置はこの先占の要件を満たしており、日本は同諸島に対する領有権を取得するに至ったということができる。

 すなわち(1)の要件に関しては、尖閣諸島を「沖縄県の所轄」と認めた閣議決定(1895年1月14日)と、それにより許可された民間人が現地で開拓に従事し、標柱を建て、日常的に国旗を掲揚していたこと、及び、日本の領有意思を黙示的に表示する一連の統治行為を島に対して行ったこと等により、わが国の領有意思は十分明確に表明された。

 (2)の実効的占有(ないし支配)の要件に関しては、次のようなさまざまな統治行為を挙げることができる。

 明治政府が尖閣諸島を国有地に編入し、同地で民間人が国の指定する土地利用を独占的に行うのを許可したことは、とりも直さず同諸島に対する国の実効的支配を示すものである。他にも、国有地台帳への登録と地番の設定、同諸島の一部の民間への貸与と払下げ、警察や軍による遭難者救助等の行政行為がなされた。

 以上、1895年以降日本政府が尖閣諸島に対してとった一連の措置は、前記先占の要件に十分に合致したものであった。

 ただし、先占の成立には重要な前提条件がある。それは、先占しうる土地は国際法上の無主地すなわちどの国家にも未だ属していない土地であるという条件である。

 中国・台湾は1971年にこの点を突いて、「尖閣諸島は歴史的に中国の領土であったのを、日清戦争中に日本が一方的に自国領土に編入した」と主張し始めた。そもそも、国家が自国の領土を一方的に他国に編入されたまま76年間も放置してきたとはとても信じられない話であるが、中国は76年後にこのように主張して日本の先占の有効性を否定しようとするのである。この中国の領有主張が歴史的観点から見て正当と見なしうるのか簡潔に検討したい。

 尖閣諸島が歴史的にどのような法的地位にあったのか考えるときには、時代を明代(1368年~1644年)と清代(1644年~1912年)とに分けて考えることが適切である。そして、(1)「明代において尖閣諸島は中国の領土であったのか」、(2)(そうでないとしたら)「それでは、清代に尖閣諸島は中国の領土となったのか」と順を追って考えていくと分かり易い。

中国が領有主張する根拠を検討すると

 まず、明代について。ここでは、明代には台湾島がまだ中国領土ではなかったという紛れもない歴史的事実を前提に考える必要がある。そうすると、その台湾島よりはるか遠方に位置する尖閣諸島が当時中国の領土であったことはありえないのである。絶海の孤島群である尖閣諸島が台湾とは無関係に、はるか遠方の中国福建省の飛び地であったとか、中央政府の直轄領であったというのは荒唐無稽な話にすぎない。

 それでは、明代に中国が国際法的な意味で尖閣諸島を「発見」したという主張はどうか。

 中国側は、1534年に冊封使陳侃が明朝の使節として琉球に赴く途中で尖閣諸島を望見し、これを中国語の島名で公式の記録に記載したことが国際法にいう「発見」に相当すると主張する。

 しかし、これも直ちに否定される。まず、この記録からは、これらの諸島に対する領有意思が全く明らかにされていない。陳侃はただ久米島を見て「これすなわち琉球に属する島なり(乃属琉球者)」と述べているだけである。実は、陳侃は途中の島など何も知らずに久米島まで来て、そこで琉球人に教えられてそれが琉球領であることを初めて知ったのである。途中の島はすべて大海に孤立する無人島であり、ただ帆船航海の航路の目じるしとして注目され島名もつけられていたにすぎない。

 当時冊封使船の航海は琉球王国から派遣された水先案内人や熟練の水夫に頼り切りであり、島名も彼らから聞いたものを中国語に訳したと思われる。当時琉中間航路では圧倒的に琉球の船の通航の方が多かった。

 琉中間の通航が始まった1372年から陳侃が渡琉した1534年までの162年間に、琉球の官船441隻が尖閣諸島の航路を通航していたのに対して、同時期の明国の官船はわずかに21隻であった。また琉球の船が1372年から渡航しているのに対して、陳侃が渡航したのはその162年後である。つまり、「発見」はむしろ琉球王国によってなされたといいうるのである。

 その後の郭汝霖『使琉球録』(1561年)の「赤嶼は琉球地方を界(さかい)する島なり(赤嶼者界琉球地方山也)」の文言については、同じ郭汝霖の『石泉山房文集』の中に「赤尾嶼は琉球領内にある境界の島であり、その島名は琉球人によって付けられた」と述べた一節があることが指摘されている。他に、『籌海図編』(1562年)、『日本一鑑』(1565年)等の明代後期の海防書からも当時尖閣諸島が中国領土であったとする証拠を見出すことはできない。

 かくして、明代の中国史料から、「明代において尖閣諸島は中国の領土ではなかった」ことが判明する。

 次に、清代に尖閣諸島は中国の領土となったのか。一般論として、このことを認めるのは困難である。清代の文献で、尖閣諸島を中国領土と明記したものは見当たらないし、清国が同諸島の領有を宣言して併合したり、そこに実効支配を及ぼしていたりした事実はないからである。

 ここで唯一可能な議論は、尖閣諸島は地理的に台湾の附属島嶼であり、台湾が清代に中国領土となったときに、いわば自動的に尖閣諸島も中国領土となったと説くものである。

 Han-yi Shaw氏は、その歴史的証拠として、明代の『日本一鑑』の中の「釣魚嶼 小東小嶼也」の文言を援用する。『日本一鑑』は別のところで「小東島はすなわち小琉球である。日本人はそれを大恵国(台湾のこと)と呼んでいる」と説明しているのだから、ここで「小東」は明らかに台湾島のことである。したがって、「釣魚嶼 小東小嶼也」の文章は、「釣魚嶼(魚釣島)は台湾島附属の小島である」と説くのである。

 しかし、この解釈には無理がある。文脈では「小東」と「小東島」は明らかに区別されている。台湾島は明確に「小東島」または「小東之島」と表現されている。ここで「小東之島」は「小東にある島」としか読めない。つまり、「小東」は海域を指すのであり、小東洋なのである。具体的には、日本列島から沖縄列島を経て台湾ぐらいまでの列島弧沿いの太平洋海域を指し、大東洋(太平洋中央部)、小西洋(インド洋)、大西洋(今の大西洋)に対比される概念である。その小東海域にある大きな島すなわち「小東島」が台湾島で、その海域に浮かぶ小さな島すなわち「小東小嶼」が釣魚嶼なのである。よって、ここは「釣魚嶼は小東の海(小東洋)にある小さな島である」と読むのが自然な読み方なのである。

 それに、そもそも台湾がまだ中国に帰属しておらず、その存在がほとんど知られていなかったこの時代に、台湾より東に170キロ遠方にある孤島が地理的に台湾の附属島嶼を成すのかどうかが航海者の関心を惹いたとはとても考えられない。

 かくして、文理解釈からも時代背景からも『日本一鑑』の「釣魚嶼 小東小嶼也」の文言より「尖閣諸島は台湾附属の島嶼である」という解釈を引き出すことはできない。

尖閣が中国の領土だった形跡なし

 その他の清代の中国史料からも「清代に尖閣諸島は中国の領土となった」ことを立証する直接的な証拠は見出せない。また引用されている史料の文言は多義的で比喩的な表現が多く、間接的な証拠として見ることも困難である。それに関連して、清代を通じて、尖閣諸島が台湾島の附属島嶼として、中国(国家) によって、また、一般にも、認識されていたことは決して確認されない。中国や琉球(日本)及び西洋人による文献や地図・海図から示されることは、むしろ、 19世紀において尖閣諸島が地理的に琉球諸島の一部と見なされていたと推測させる資料(データ)の方がずっと多いことである。

 かくして、中国側史料の分析より得られる結論は、「尖閣諸島は、明・清代を通じて中国の領土であったことはないし、また、台湾の附属島嶼として見なされてもいなかった」というものである。

 日本の尖閣諸島領有に対して、中国側は1970年までの76年間なんら異議を唱えず黙認してきた。1902~32年の時期に中国は、西沙諸島に対するフランスの先占の動きには即時に強い抗議をしているのに対して、同時期、尖閣諸島における日本の主権行使に対しては全く沈黙を保ってきた。第二次世界大戦後の台湾や沖縄の日本からの分離に際しても同様であった。これらの事実は、この時期中国が尖閣諸島を自国領土として考えていなかったことを端的に立証するものである。

 日本が尖閣諸島に対して領有権を有することは間違いない。日本は中国に対して主張と反論を繰り返すとともに、国際社会に対してそのことを積極的に発信していくべきである。それと同時に、尖閣に対する実効支配を強化していく必要がある。

[WEDGE Infinity]

Posted by nob : 2013年01月23日 14:04

一人一人が体制からの精神的経済的自立をはかろうとしない限り、泥濘(ぬかるみ)に塗(まみ)れもがき続ける他はない。。。

若者の失業問題
若者の就職難は自民党政権で一層加速か
正社員も非正社員も救われない危機の正体
――本田由紀・東京大学大学院教授に聞く
からの抜粋

■自民の唱える経済成長は本当に可能か
“つっこんどけ雇用政策”はもう通用しない

――先の衆院選では自民党が圧勝し、安倍新政権が誕生した。若者の雇用対策は期待できるか。

 経済がなかなか成長しなくなっている今、正社員の働き方の過酷さが強まってきている。特に、いわゆる「ブラック企業」で働く正社員は、凄まじいハラスメントを受けたり、ときに過労死・過労自殺・過労鬱に至るような働き方をさせられている。一方で非正社員の方はメンバーシップがないことから、いつでも使い捨てられる状況だ。

 そうした状況からも、これからの労働・雇用政策を考える上で、正社員の働き方の改善が不可欠だが、民主党も自民党も、そういう観点がほとんどない。ずっとやってきたのは、“つっこんどけ雇用政策”だった。それは、とにかく若者をどこかの会社の正社員につっこんでさえおけば、雇用政策は終わりだという前提に立った政策である。

 しかし、いくら若者を会社につっこんでも、つっこんだ先が荒れていれば、疲弊し、ぼろぼろになってそこからまた吐き出されてくる若者が後を絶えない。だからこそ、非正社員はもちろん、正社員側の働き方を是正することが必要である。いまやサービス残業を含む長時間労働で、最低賃金を実質割り込むこともめずらしくない。最低賃金を機能させ、労働基準法を機能させ、労働時間法制を拡充させるといったルールの実効化をしたうえで、先ほどから述べている「ジョブベースでの仕事の割り当て」が求められる。

 一方で自民党は、経済成長に最も力点を置き、世界で一番企業が活動しやすい国にしておけば、雇用と所得が自然と拡大すると考えている。もちろん経済成長そのものを否定しているわけではない。可能ならば望ましいが、経済成長率が長期的に低下する趨勢にあり、産業構造の変化が起こっているなかで、私にはそれが容易とは到底思えない。世界経済に緊密に組み込まれ、不安定要素が多い現代で、金融政策ぐらいで景気が回復するなら、他の国も困っていない。さらに、2004年頃から2007年頃までの景気回復期にも、企業収益が労働者の賃金にトリクルダウンしなかったことを思い起こせば、経済成長が仮に起こったとしても、それが人々の生活をよくする保障はない。したがって、経済成長という1点に、雇用や若者の生活の是正を依存させれば、経済成長が空振りに終わった場合、どうなるのか。

 だからこそ、経済成長戦略の成果が出るまで待つのではなく、若者の仕事や生活を支えるための働き方の是正を同時に進めるべきである。つまり、ジョブを基軸として、新しい仕事を作り出すとともに、今過重になっている正社員の仕事をシェアしてゆくことが重要だ。

 例えば、高齢化が進むいま、地域で孤立した高齢者を支える仕事は儲かるわけではないが、社会的には大事な仕事である。そういう地味な仕事でも頑張ってくれる人に、税金から報いる形での仕事のひねり出しが必要ではないか。そして、正社員のジョブの輪郭が不明確な中で、仕事の内容や分量と賃金との対応関係について納得感が失われてしまっている状況を是正するためにも、仕事を切り分けるとともに、どれだけの内容・分量の仕事ならどれだけの報酬が最低限得られるのかについて、できるだけ目安やルールを作っていくことが望ましい。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2013年01月23日 08:07

行き着く先はさらなる既得権層多極集中と格差拡大社会、、、大半の国民はほとんど日々の幸福感や未来への希望を感じられなくなる。。。

■印刷政策・市況のRSS
日銀、アベノミクスと運命共同体に デフレ脱却へ「レジームチェンジ」

 「レジームチェンジ(体制転換)」。政府・日銀の共同声明がまとまった22日、安倍晋三首相がデフレ脱却への決意を示す表現として選んだのは、マクロ政策の大転換を意味する言葉だった。

 一方、政策転換を迫られた日銀の白川方明総裁も「2%の物価安定目標はできるだけ早期に実現したい」と表明。政府と日銀は2%の物価目標をめぐる約2カ月間の攻防を経て、「アベノミクス」の行く末に責任を負う運命共同体になった。

 早々と抵抗諦め

 「安倍氏は日銀改革を進めることが経済再生の近道と考え、そのためには世論の支持が必要と判断した」。安倍氏に物価目標の導入を進言した有識者はこう話す。安倍氏は2012年12月の衆院選でも「中央銀行の金融政策」を争点に掲げる戦術に出た。

 日銀内では「極めて異例な選挙」と拒否反応があったが、安倍氏の日銀改革の姿が明らかになるにつれ、金融市場は円安・株高への反転速度を高め、国民は景気回復の期待を抱いた。

 日銀法を改正して日銀総裁の解任権を盛り込む可能性にまで言及した安倍氏の方針に対し、日銀が逆らう選択肢は最初からなかった。自民、公明両党で3分の2を超える議席数を獲得し、勢いを得た安倍氏は政権発足前の12年12月の前回会合前から「大胆な金融緩和」を迫る。日銀は早々に物価目標の導入を検討する考えを表明し、抵抗することを諦めた。

 ただ、白川総裁も押し切られるばかりではなかった。交渉役の麻生太郎副総理兼財務相や甘利明経済再生担当相に対し、成長戦略や中長期の財政再建への重要性を訴え続けた。政府の協力がなければ、金融政策の手段である国債の買い取りが「財政赤字の穴埋め」と市場に評価され、長期金利が急騰するリスクを恐れたからだ。

 麻生氏は22日、共同声明について官邸で安倍氏に報告した後、「金融政策での思い切った見直しを高く評価したい」と白川氏の労をねぎらった。一方の白川氏も「(麻生、甘利両氏と)十分に意見交換をして意思疎通を図る上で、大変有益だった」と感謝の意を示し、日銀での記者会見では「日銀の独立性にしっかり配慮がなされた」と強調することで、政府との連携強化に決意をにじませた。

遺伝子変える試み

 日銀は明治15(1882)年、西南戦争の費用を捻出するため紙幣を増発した結果、急激なインフレが起こったことを教訓に設立された経緯がある。いわば、日銀はインフレと戦う「DNA(遺伝子)」を持つといっても過言ではない。

 そのため、日本経済の立て直しに向けて求められているデフレからの脱却について「結果が出せていない」(日銀幹部)と、日銀内には忸怩(じくじ)たる思いが満ちている。アベノミクスは日銀の遺伝子を「デフレファイター」に変える試みとの見方もある。

 ただ、海外からは「中銀の独立性を脅かしている」(ドイツ連邦銀行のワイトマン総裁)などとアベノミクスを危惧する声が出始めており、日本が「通貨安競争」を仕掛けているとの批判も出てきた。

 政府・日銀がそれぞれの役割を果たし、デフレ脱却と景気回復という「結果」を示せるかが問われている。

主な先進国中央銀行の物価目標

          目標設定主体  目標値     達成時期

 ニュージーランド 政府・中銀  1~3%     中期

 カナダ      政府・中銀  2%から±1%  18~24カ月

 英国       政府 2%  妥当な期間内

 スウェーデン   中銀     2%から±1%  通常2年以内

 オーストラリア  政府・中銀  2~3%     景気循環期間中の平均

 米国       中銀     2%       長期

 欧州中央銀行   中銀     2%未満2%近辺 中期

 スイス      中銀     2%未満     -

 日本       中銀     2%       できるだけ早期

 ※BNPパリバ証券の資料を基に作成

[Sankei Biz]

Posted by nob : 2013年01月23日 07:46

結局自分の命を護れるのは自分自身だけ。。。

■百害あって一利なしの人間ドック、健診はおやめなさい
医学界の“異端児”が警告する日本の問題点
川嶋 諭

いまから15年以上も前になるだろうか。作家の五木寛之さんにインタビューした際、「自分の体は他人に頼らず自分自身でメインテナンスするものだ」と言われたことが1つのきっかけとなって、定期健診というものを受けなくなった。会社に何度催促されても無視を決め込んだ。

がんだと診断されても安易に切るな!

 ただ、前の会社で編集長になったとき、できる秘書がついたためにスケジュールをことごとく管理され、東京都内で最も人気の人間ドックに予約を入れられて、仕方なく健診に行かざるを得なくなったことがあった。

 すでに50代の半ばにして、バリウムというものを飲んだのはこのときの1回だけである。

 神様の思し召しか、しばらくしてこの美人秘書が結婚。彼女の夫のニューヨーク転勤で会社を辞めてしまったので、人間ドックや定期健診から再び逃れることができるようになった。

 恐らく生まれながらに天邪鬼の性を両親から授かったのだろう。これが常識だと言われると間髪を入れずに反発したくなる。村社会の日本でははぐれ者だという認識は強い。

 でも、そんなはぐれ者にも温かい日本は何て素晴らしいのだろうともこの歳になってつくづく思う。いまの日本には問題が山積みだけれども、決して悪いことばかりではない。

 必ず解決策を提示してくれる人が現れる。明治維新も恐らく、清河八郎という人物がいなければ起こらなかったかもしれないではないか。

 さて、いまの日本の医学界で、清河八郎とは言わないが、孤軍奮闘、日本の未来のために戦っているお医者さんがいる。慶應義塾大学の近藤誠さんである。

 近藤誠さん、明治維新で言えば、新撰組の近藤勇を思い出す。名前は勇ではないが、新撰組の旗印は「誠」だった。何か運命的なものも感じるお名前である。

 近藤先生は日本のがん治療は根本的に間違っていると言う。まず、先進国では日本にしかない定期健診。こんなものは必要悪だときっぱり。健診技術の進歩でがんかもしれない部位を発見する能力は格段に上がった。

 でも、その大半は「がんもどき」であって正真正銘のがんではないという。でも、「がん」と認定できれば、医師は抗がん剤治療をはじめ様々な“お金になる治療”が施せる。その結果、日本では必要もない外科手術や抗がん剤治療が跋扈しているというのだ。

 この問題は恐らく、日本の原発村にも通じるところがある。メディアもそうだ。1000万部とか800万部などという新聞は日本以外に存在しない。とにかく、日本人は権威に弱い。

 詳しくは次のインタビュー記事をお読みいただきたいが、私たちの住む日本という国を本当に良くしたければ「お上」に頼ろうとする気持ちを私たち自身がリセットする必要がある。

川嶋 近藤先生は、お父さんと2代続いてのお医者さんだそうですね。最初は、お父さんと同じように、いわゆる“普通に”診療されていたのに、何がきっかけで、がんは切らない方針に転換されたのでしょうか。

落語家の立川談志を襲った悲劇

近藤誠・慶應義塾大学医学部放射線科講師。1948年生まれ。乳房温存療法のパイオニアとして、抗がん剤の毒性、拡大手術の危険性など、がん治療における先駆的な意見を発表し、啓蒙してきた第一人者。2012年、それらの活動により第60回の「菊池寛賞」を受賞

近藤 1つは診療体験、もう1つは勉強の成果です。医学生の時は患者に接しないし責任を持たないから、講義や教科書の知識をそのまま信じるわけです。

 医者になっても最初はがん治療をやるつもりは全くなかった。そもそも目的意識がなかったのに成績が良かったから慶応義塾大学の中で医学部に入って、勉強とスポーツと茶道に夢中になったという経緯があるんです。

 スポーツは体育会に属する医学部のボート部で、やるとなったら徹底的にやり切る方なので、成績も良かった。医学生としても、当時は医学が好きというより勉強が好きだったんだと思います。とにかく勉強はしました。

 ところが、臨床実習が始まるとあまり面白くなくなってしまった。次第にさぼりがちになり成績が落ちてしまった。専攻として放射線科を選ぶときも、外科系に行って夜も眠れないほど忙しいのは困ると考えたからでした。

 すでに学生結婚していて子供もいたし、忙しすぎるのは嫌だった。比較的体が楽な内科系でしかも夜はしっかり休めるところというのが選択基準だったんです。それに当時は放射線診断が伸びてきていたので、その診断学を身につけてから内科に行くかなぁという感じで選びました。

 ただ研修医のときは、診断学と放射線治療(がん治療)とを半年交代で学ぶことになっていたので、がん患者を診察し始めたんです。すると、いろいろ医療の矛盾が見えてきた。

 亡くなる直前まで抗がん剤治療をしているけれども、これって実は治療によってかえって命を縮めたんじゃないかとか。また、治療法が日本と欧米でまるっきり違っていることが分かったり・・・。日本の治療はこのままでいいのかと疑問が芽生えた。

 例えば、落語家の立川談志さんが罹った喉頭がんがあるでしょう。欧米では放射線治療で切らないのが主流になっていたけど、日本では1期から4期まである1期の早期がんでも切ってしまう。

 また食道がんも欧米では放射線治療が当たり前なのに、そういうのを日本ではみんな切っちゃうわけね。

川嶋 その結果、患者の声が出なくなるとか、食べられなくなるとかは二の次なんですか。

近藤 そう。喉に穴をあけて、声が出なくてかわいそうな生活を患者に強いるわけです。しかも日本の中でも1期でも全部が手術かというとそうじゃなくて、ある患者にはやり、ある患者にはやらないとか、病院によって施術が違ったりしていた。

 どうしてこんなことが起きているのか疑問だった。でも、若い頃だったので勉強に精一杯で問題意識を深めるまではいかなかった。そのうち、6年ぐらい経ってからは診断業務から離れて放射線治療を専門にすることにしたんです。

 そして、1979年に米国へ留学した。

 いまになって日本でもけっこう流行っている粒子線治療を勉強しました。1人で留学に行ったもんだからけっこう時間があるし、それまでの治療関係の論文を手当たり次第に読み込みました。

 そのうちに放射線治療というのはこんなもんなんだという全体像が見えてきた。そこから日本の治療方法を見返すと、これは遅れていると。これは変えなきゃいけないと思い始めたんです。

 臓器を残して治療ができるのだから、患者のことを考えたらそちらを選ぶべきではないかと。この前亡くなった中村勘三郎さんの食道がんにしても、子宮頚がんとか舌がんとか膀胱がんとかみんな臓器を残して治療ができる。それなのに、日本では全摘されちゃって後遺症で苦しんで、生活の質が悪くなる。

信用を得るために論文執筆に全身全霊

 日本のがん治療を変えなければいけないと思って日本に帰国したんですね。帰国してからはさらに一段深く勉強するようになって、1年360日病院に出てきて朝から晩まで論文を読んで、過去のデータを調べたり論文を書いたりしていました。

 そのときは、患者に向けての発信じゃなく、医者向けに発信しようと思っていたからです。医者が変わってくれれば、それが一番の早道でしょう。彼らは臓器を残しても治療できるということを知らないのかと思ったし。

川嶋 新しい治療法を知らないお医者さんを啓蒙しようとされたわけですね。でも、力のあるお医者さんであればあるほど自分の方法にこだわりがありませんか。

近藤 そうね。だから、私自身の発言を信用してもらわないといけない。そのためにまずは論文をいっぱい書いて、信用力をつけて、働きかけをしようと一生懸命やった。その頃はまだ珍しかった英文の論文もどんどん出しました。

 一方で、いろいろ新しいこともやり始めました。

 例えば悪性リンパ腫では、本来は内科が抗がん剤治療をするはずなんだけれど、これがあまりきちんとした抗がん剤治療をやっていない。一緒にやりませんかと持ちかけても怖がってやらないんですよ。

 それなら自分でやろうと、海外のやり方を取り入れて抗がん剤治療を始めました。

 当時は「放射線治療をしてください」と言って、悪性リンパ腫の初期の患者さんが来るんだけれど、3割ぐらいしか治らず、あとは放射線をかけたところ以外に再発する。がん細胞が全身に散らばっているのだから、最初から抗がん剤治療をやらなければいけないんです。

 ところが、内科でやっているのは欧米よりも質量ともに劣った方法のままなんです。日本の悪性リンパ腫がなかなか治らない原因はここにある。そこで、内科医に抗がん剤治療をやりませんかと言っても何だか尻込みしてやらない。

 で、自分でやっちゃえと。しかも患者は私がいる放射線科に来るからわけですから。数年経って成績をまとめたら、3割の治癒率が8割になっていて、それを内科系の学会で発表したら、放射線科医にやられたとか言われてね。ちょっと鼻が高くなった(笑)。

 乳がんもそうで、乳房温存療法が欧米では始まっていて標準治療になる勢いだったから、日本でもこれはできると思った。

 ただ、欧米でやってるからと言うだけでは迫力がないので、自分で経験を積まなきゃいけないと思ってやり始めたわけです。

 最初のきっかけは、1983年に私の姉が乳がんになったことでした。姉から相談があったからおっぱいは残せるよって言って温存療法を勧めた。もう術後30年経ったけれど、転移がなく元気にしていますよ。

 正確に言うと、おっぱいへの再発はあったんです。でもそれはもう1回手術して、それでいまは元気にしてる。これはほかの臓器への転移がないから「がんもどき」なんだ。がんもどきは局所再発しやすいという典型例みたいなものだった。

がん患者をどうしても増やしたい日本

川嶋 がんもどきというのは、顕微鏡検査では悪性のがん細胞と同じように見えるけれども、ほかの臓器へは転移しにくい。これに対して正真正銘のがん細胞は体のあちこちにすぐ転移してしまうわけですね。

近藤 本物のがんか、がんもどき、かは転移の有無で区別できる。本当のがん細胞だったら、それが発見されたときにはすでに全身に転移してしまっている。これはあとで詳しく言うけれども、日本でがんと診断されているのは、実は大半ががんもどきなんですよ。

 よくがんを切って治ったというのは、がんもどきを切って治った治ったと言っているんです。もし正真正銘の悪性のがんだったら、切ったらむしろ転移を促進させてしまう。

 話を戻しましょう。

 その頃、放射線科に来る乳がんの患者さんは全員、すでに外科で乳房を全摘されていて後の祭り。なかなか、最初に私のところに来てくれない。それで、知り合いの新聞記者に伝えて、読売・朝日新聞に載せてもらった。

 そうしたら、少しずつ来てくれる患者さんが増えてきた。だけど一方で、外科に一緒に温存療法やりませんかと持ちかけても「フンっ」てな感じで、全くやる気がないんですよ。こっちに信用があるも何も関係ない。取りつく島がないという感じでした。

 当時の日本では、がんは根こそぎ切り取るのが当たり前という雰囲気でした。面白い話があるんですよ。1980年代、乳がん研究会という組織がありました。今の乳がん学会ですね。そこで縮小手術というテーマでシンポジウムを催したんです。

 それまで日本の標準治療は乳房だけではなく、その裏の筋肉まで取るハルステッド手術でした。筋肉まで取ってしまうと術後は後遺症が大変なんです。そこで、筋肉だけは取らずに残そうとういのが縮小手術です。ハルステッド手術より患者に優しい縮小手術を普及させようというのがシンポジウム主催者の狙いでした。

 そのとき米国において日本人の外科医で成功してる人、そして乳がん治療を中心にやっている人を講演者として呼んで話してもらったのです。

 そしたら、その人が話し始めたのが乳房温存療法だった。日本よりも一段階先に行っていて、ハルステッド手術をしている日本の外科医だけでなくシンポジウムで縮小手術を普及させようという主催者の両方が目を丸くしてしまった。

 他方、米国から来た外科医は、「え! 日本の縮小手術って全摘なの?」と、こちらもびっくりしていた・・・。

固定観念の強すぎる大学病院

川嶋 日本の後進性を思い知らされたわけですね。そのあとは米国に倣えという動きが活発になったのですか。

近藤 それが全然だめなんですよ。私も慶應病院で乳がん外科の責任者に温存療法をやりませんかと言ったら、フンってそっぽ向かれちゃったからね。

 やらないって言うなら、それはそれでかまわないんだけれど、実はとんでもないことが起きたんですよ。1987年のことだった。夜、帰ろうとしたときに放射線科の奥に灯りがついていたから何かと思って行ったら、看護学生がアルバイトで働いているじゃないですか。

 私の顔と名前を知っていて、外科に入院している誰誰さんって知ってますかと聞く。その患者さんは温存療法を希望していて、「近藤先生に会わせてください」と言っているけれど知ってますかと。

 朝日新聞で紹介されたのを見て、慶應病院に行けば私に会えると思って来て、受付で乳がんなので近藤先生にと言ったけれど、外科に案内されて入院することになったらしいんだ。

 入院してからも温存だ、近藤だ、とナースや医者に言っているのに、私には全然連絡がなくて。そのままレールに乗せて全摘手術の日も決まってという状況だったんですよ。

川嶋 患者の要望は聞く気が全くないのですね。それは外科がそれまで自分たちが積み上げてきたことを崩されては困るということですかね。患者の側からするとひどいですよ。

近藤 ひどいよなぁ。受付は素人に近いから仕方ないかもしれないが、外科はナースも医者も私が温存療法をやっているのを百も承知なわけだからね。

 そういう事情が分かっていたので、私に教えてくれた看護学生に患者と連絡を取ってもらい、その患者さんに会うことができた。そして、私が温存手術を頼んでいる別の病院に紹介したんだ。それで一件落着したんだけどね。

川嶋 慶應病院の外科の先生は温存療法は絶対してくれないんですね。意地になっているんでしょうか。

近藤 うん。それに仮にやらせたって、温存と言っても切る量がいろいろあるから。半分おっぱい取っちゃって、それで温存だとか言う医者もいるし。そんなところには任せられないでしょう。私が頼んでいたのは大学時代の同級生で、米国で外科免許を取って日本に戻って別の病院にいた。私は外科手術はできないから彼に頼んだ。もっとも、のちに彼を詐欺罪で訴えることになるんだけど・・・。

 結果は、温存療法が大成功して話題を呼び、日本の乳がん患者の実に1%が私のところへやって来るようになっちゃった。

 それで彼がいた個人病院、一応総合病院なんだけど、そこでは実は彼は病院内開業医で定額給料じゃなく出来高払いという契約だった。かなり珍しいケースだけれど。そうすると、できるだけ患者からお金を取るという方法を取る。

 それは倫理的にどうかと思ってはいたんだけれど、ほかに手術をしてくれる医者がいないから離れられなかった。何年か我慢して付き合っていた。

 ところが、2002年になって問題が顕在化してしまった。ある患者さんが手術を受けた病院でもらった請求書はおかしいと言い出した。そこには手術費用のほかに検査費用まで入っているじゃないですか。

 検査費用はすでに健康保険で賄われているはず。それなのに何万円か分の検査費用が保険外で請求されている。これは二重取りの詐欺に当たる。犯罪でしょう。

 それで早速患者さんたちに声をかけて領収書を集めてみたんだ。すると、ずっと前から二重取りしてることが判明した。これにはさすがに堪忍袋の緒が切れてしまった。

小さな悪事が乳房の温存療法の大敵に

 そして、患者さんたちにいままで詐欺をされていたというのを教える文書を作って渡したら、それが報道されてものすごく大きく扱われて、ちょっとした社会問題になったんです。患者の中で何人か正義感のある人が告訴すると言い出した。

 彼らが医療問題に取り組んでいる人たちと連携してその外科医を警察に告訴・告発したんです。警察は半年ぐらい一生懸命調べ、私も段ボール箱で何十箱分のカルテや請求書を病院でコピーして検察に送った。警察は詐欺罪で立件できると思ったから。

 けれども結局、検察の判断は不起訴になった。その理由は、手術した外科医をかばう患者がいるんですよね。「この先生は私の命を助けてくれた」と。また、「いま先生がいなくなったら経過を誰が診てくれるんだ」と。

 そういう患者の取り調べ調書が出てくると、「私は二重取りだと分かっていたけれど払ってました」となっちゃうんだ。二重取りされた方がそれを分かっていた場合には詐欺罪は成立しない。そうなると公判を維持できないから、検察官は起訴を見送ってしまった。警察は怒っていたけれど・・・。

川嶋 命に関わる医療現場の難しい問題ですね。命に引き換えたら数万円なんかたいした問題ではなくなる。むしろ手術をしてくれる医師がいなくなることの方が問題という気持ちもよく分かります。でも、二重取りしていた医師には、何と言うかがっかりさせられますね。せっかく良い仕事をしているのに。

近藤 それはそれはとても複雑な・・・。彼がいなければ温存療法はできなかった。だけど、かなり早い段階から向こうの意図は「これは金になるな」だったからね。でも代わりがいなかった。一種の必然なんだろうな。

 ロード・オブ・ザ・リングのゴラムだったか、悪のかたまりみたいな存在でも役に立つことがあるという話が出てくるけれど。それと似ているかもしれない。

川嶋 企業経営の世界でも必要悪はあると思います。でもなぁ。目の前の小さな利益に目がくらんで大きな利益を逃がしてしまっているわけだし、日本の医療改革のためにもマイナスになってしまうわけでしょう。小さいなぁ。

米国帰りの医者に欠如していたモラル

近藤 彼は米国でチーフレジデントという名誉あるポストを得ています。これはすごいことで、専門家になって自信満々で日本に帰ってきた。だけどきちんとしたポストでは処遇してくれないし米国ほどお金ももらえない。

 彼はできるだけ歩合の良いところを求めて病院を2度かわってるんです。こっちはお金のことには全然関心ないし、執筆活動で患者にできるだけ温存療法を広げようということに夢中になっていたので、彼のそういうところは後で知ったのだけれど・・・。

 また、もし彼の意図を分かっていたとしても、彼を外すのは難しい面もあったんです。実は患者さんが増えて手に負えなくなってきたので、ほかの外科医を患者さんたちに紹介したことがあったんです。

 ところが、患者さんたちはみんな帰ってきちゃうんですね。ほかの外科医と話をしたけれど、私の同級生の医者の方がいいらしくて。

川嶋 外科医としての腕も超一流となると、そうなんでしょうね。

近藤 悩ましいよなぁ。彼も彼なんだけど、さっきの話に戻ると、患者を慶應の病棟から逃がして手術をしてもらったでしょう。患者さんやこっちとしては、知らんぷりを決め込んでいた慶應外科の医者たちも許せないよな。

 患者を騙してお金を取ったら犯罪だけれども、必要もないのに女性の大切なおっぱいを取っちゃっても犯罪にはならないからね。

 でも、それを慶應病院内でとやかく言っても絶対勝ち目はない。外科は花形で内部では力があるし。放射線科は再発転移で送られてきたのを治療しているだけで影響力はほとんどなくて、外科とか婦人科とかそういう手術する科の下女下僕みたいな扱いだよ(笑)

 そうじゃいけないと思ってやってきたんだけれど、今日に至るまで放射線医にはそんな性が染みついていると言うか・・・。結局ね、放射線科には心優しい人が入ってくるんだよ。私も心優しいんだけど(笑)

 心優しくて協調性が高いだけだと、患者が送られてくれば放射線治療するけれど、人のテリトリーに乗り込んでいって手を突っ込むようなことをしない人たちがほとんどなんだ。全員じゃないけれど・・・。

 私の仲間と思っていたのはさっき話した米国帰りの外科医ぐらい。結局は彼にも裏切られてしまったけれど。

 そんなことがあって、私もあるときから医者に対する啓蒙活動をやめてしまった。論文も自分が教授になるために書いていたわけではなくて、自分に信用力をつけて外科医たちを説得しようと思っていたわけだから、もう論文書くのはやーめたと。

連載が始まって・・・

 その後は、医者相手ではなくて、マスコミを通して患者や一般人を相手に啓蒙活動に専念することにしたんです。

 本について言えば、まず1987年に廣済堂から『がん最前線に異状あり』という本を出しました。これは私が企画したのではなくて全くの偶然だった。

 実は私ははがん告知にも取り組んでいたんです。1980年代の初めまではがん告知は100%タブーでしたが、悪性リンパ腫で抗がん剤をきっちり使わなきゃいけないという思いがあったんで、やはり本当のことを患者に伝えようと思っていた。

 米国から帰ったあと1980年代の初めからがん告知を積極的にやって、85年以前には末期がんも含めて100%の患者に告知するようになっていた。そういう取り組みがマスコミに知れて、週刊朝日とかに報道されて、廣済堂の方から出してくれということになった。

 乳がんのときは週刊や月刊の女性誌に手紙出して、こういうケースや治療法があると送って載せてもらって患者を増やす努力を始めたんだけど、あまり来ないんだ。見出しが「おっぱいを残す奇跡の治療法」みたいな怪しげなものだったから(笑)。それじゃ患者は来ないよな。

 それで、1987年に、たまたま医事新報という開業医なんかが読む雑誌を厚生省の記者クラブで読んだと言ってTBSが取材に来て、番組を作って放映してくれた。それで患者が増えたんだけど、番組を見逃したという患者がどこだどこだと探し回ったそうですよ。

川嶋 メディアで有名になっているのに同業者のお医者さんから無視された形になっていたということですね。

近藤 実は医者だけではないんだ。当時、乳がん患者会で一番有名だった「あけぼの会」っていうのがあって、全摘を受けている、多分ハルステッドで筋肉まで取られた人が会長だった。

 ある患者さんがそのあけぼの会に、どこで温存療法をやっているのかを聞いたそうです。そしたら、「そんなことは自分で調べなさい」と、温存療法と聞くなりガチャンと電話を切られてしまったとか。明らかに悪意がある。温存療法を認めたくないと。カリスマ的な会長だったんだけれど。

川嶋 患者を守るはずの患者会までが。人間というものの醜さ満載ですね。

近藤 結局、私のところを知っている別の患者さんに教わったそうですけどね・・・。

慶應の実名を出したことで大問題に

 そして翌1988年、『がん最前線に異状あり』の本を読んだ文藝春秋の編集者が4月に電話してきて会って、これは3本ぐらい書けそうだから手始めに乳がんでどうかと言ってきた。

 そのとき考えたのは、前から文藝春秋には書きたかったんだけど、いざ向こうから頼まれてみると、いま書くべきなのかと悩んだ。

 やっぱり私も自分の身が可愛いからね。だって影響力の大きな雑誌に書きたいことを書いたら、自分が孤立するのは目に見えている。必ず村八分になるよね。下手をすると慶應病院をやめなければならないかもしれないし、確実に貧乏になる。

 で、悩みに悩んだ。自分の身は可愛いけれど、10年後に書いてもあまり意味はない。そのとき書かせてくれるか分からないし、その間におっぱいを失ってしまう人がいっぱい出てくる。できるならいま書きたい。

 でも書くと、そのときには私のところに来ていた外来患者は、病院内のいろいろな診療科から放射線をやってくださいといって送り込まれていて、教授の外来より多かったんです。それがゼロになるかもしれない。

 近藤のところになんかやるか、と阻止されて。患者が来ないとさすがに外来を続けられないし、患者がいない医者が病院にいても意味ないからと肩をたたかれても居座りにくいし、アルバイトに行っている病院も辞めさせられるとか。どう考えても貧しくなりそうだ。

 出世はもちろんのこと、医者としての未来をすべて失うかもしれない。その頃までは、臨床で講師になったのは一番早かったし、論文もいっぱい書いていたし将来は真っ先に教授になるだろうと言われていて、色気も少しあったんだよね。

 そうやっていろいろ考えたんだけれど、やっぱりここで書かなければいけないと決心した。前の年に経験した、温存療法を望んでいた患者が外科で手術されそうになった一件とか、そういうエモーショナルな部分も大きく影響していたね。

 コノヤローっていう気持ちがないと書けないんだよ。あなたも物書きだから分かるよね。それで決心して娘2人を呼んで、当時は下が中学生(上は高校生)だったかな、お父さんはこれから外科と一戦交えて、どうみても豊かにはなれない、貧乏になるかもしれないから覚悟しとけと。

 それで書いたものが5月に出たんです。タイトルは編集長がつけたのだけれど、「がんは切らずに治る」ってね。そしたら案の定、外科が怒り狂った。

 おまけに、慶應の名前をはっきり出して書いたからね。名前を伏せるのは簡単だけど、私のところに来た患者を外科が勝手に手術しようとした一件があったあとでしょう。慶應に来たらダメなんだよと書かなきゃいけない。

 それで、「日本どこでもおっぱい切られちゃうんですよ、東大病院だろうと慶應病院だろうと」と書いた。恐らく、そこに一番反応したんじゃないかな、外科の人たちは。それがなければ慶應病院の外科に患者が増えて、ありがとうってことになるわけだから(笑)。

 記事が出たあとは、患者さんが殺到して大変でした。治療を受けた人たちが新たな市民団体も立ち上げました。患者さんが動くとすごいんですね。それがまた新聞に載って、患者さんが増えるという状態でした。

 一方、あけぼの会も神奈川支部の幹部が何人か私のところにやって来て、温存療法の講演会をやってくれということになった。「あなたたちもうおっぱいを切っちゃってるじゃないですか」と言ったら、「いやもう1つあります」と言うんだよ(笑)

 そして数カ月後に会場にいったら、あけぼの会の神奈川支部だったはずなのにソレイユって名前になってる。どうしたのかと思ったら、近藤の講演会があると聞いた会長が神奈川支部の一人ひとりに「神奈川支部は解散されました」という手紙を送りつけていたんです。

あのあけぼの会にもドラスチックな変化

 もともと運営方針を巡って何かあったらしいんだけど、あけぼの会でも支部はついに温存療法に動き始めたわけですね。

川嶋 慶應病院の方はどうなったんですか。

近藤 私の外来の患者紹介は記事が出たその週からすべてストップしました。その代わり乳がん患者がいっぱい来るようになった。文藝春秋の影響は大きいとは思っていたけど、想像以上でした。

 新患が週に1人でも2人でも私のところに来れば、患者がいるんだから私を辞めさせることはないだろうと思っていたんだけれど、実際そういうことになったようです。

 その後、逸見政孝さんががんで亡くなったことをきっかけに文藝春秋で連載をするようになって、本物のがんとがんもどきの違いについて分析をし始めました。さらにがんの手術、放射線治療、抗がん剤、がん検診などについて深く分析しました。

 その1つの集大成が『患者よ、がんと闘うな』という本になったんです。1996年に出版されました。

 その中で本物のがんと「がんもどき」の区別をしたことから、がん論争が起きたんです。私のがんもどき説が、すんなり認められようなことがあると、日本のがん治療はほぼ崩壊するでしょう。そこに気づいた専門家たちから強く攻撃を受けることになった。もっとも、反論のおかげで、世間で広く話題になったことはプラスでしたが・・・。

 この本を読んで、今度は乳がん患者だけではなく、がん全般に切らずに放置しておきたいという患者さんたちが僕のところに数多く集まってきた。

 150人以上、本当に困った症状が出てくるまで、がんを放っておくという人たちが集まってきて、その後の経過をまとめて『がん放置療法のすすめ 患者150人の証言』という本にした。

川嶋 先生は抗がん剤は血液のがんなど必要な場合もあるけれども、日本人に多い胃がんや肝臓がん、肺がんなどには効くどころか猛毒であると言っていますよね。日本のお医者さんは抗がん剤を投与したがるとよく聞きますが本当なんでしょうか。

近藤 抗がん剤は、悪性リンパ腫とか急性白血病という血液がんとか、効果のあるがんもあるんだけど、それは全体の約1割程度です。胃がん、肺がん、乳がんとか、いわゆる固形がん、固まりを作るがんにはほとんど効かない。

 それなのに投与している。患者に毒を飲ませているようなものだよ。かえって患者の体を悪くしてしまう。

 でも、抗がん剤の投与をやめると、それに関わっている人たちの生活が崩壊するよね。だからできないんだ。本当はいま患者に投与されている抗がん剤の約9割は使うべきではないんだ。

 また、私の言うとおりにすると、外科手術だって8割ぐらいなくなる。そうなると外科医や手術に携わっている人たちの生活も崩壊する。「がんは放置しておけ」というのは、日本の医療システムを脅かす。だから強い反発があるんですよ。

川嶋 先生は人間ドックなど定期検診も受けるべきではない。とりわけ、検診車でレントゲン撮影を受けると、X線による被曝でかえってがんになる危険性が高まると指摘されています。

近藤 一般的な健康診断(健診)については、この本(『医者に殺されない47の心得』)の中で1つだけ例を載せたけど、そもそも全部がムダなんだよね。

 実は定期健診については、それを受けている人と受けないでいる人の病気になる確率を調べた調査があるんですよ。

 それによると、定期健診をまめに受けている人の寿命は全く延びていないどころか短くなっている。そのうえ、定期健診で定期的に被曝してしまっている。英国の調査によると、日本は世界の主要国15カ国の中で最もCT検診回数が多い国だそうですよ。

 そして、その調査ではさらに、日本人のがんが原因で死亡した人の3.2%は医療被曝が原因とされているんだ。定期的にお金をかけて健診を受けて殺されてしまうのは、何と日本人はお人よしなんだろうね。

 日本は健康診断とか人間ドックとか、職場検診を強制しているけど、これはひどいよな。基本的人権の侵害、憲法違反だよ。この国に生まれた不幸だな。

川嶋 がん以外の病気についてどうですか。定期健診の効果はあるのでしょうか。

近藤 これも不要・有害。定期健診でいろいろ余計なことが見つかってしまう。例えば高血圧だとかね。それで本来は必要もない高血圧の薬を飲まされて、実は寿命を縮めている。

 高血圧については、国の基準値があるでしょう。1998年に当時の厚生省が出していた基準は「上が160mmHg、下が95mmHg以上」でした。それがどういうわけか2000年に改定されて「上が140で下が90」に引き下げられたんだ。

 1998年の基準だったら、いまの日本人は1600万人が高血圧という認定になるけれど、新基準では3700万人が高血圧ということになった。実に2倍以上に膨れ上がった。基準の操作で病人を作り出し、医療を受けさせようというわけだ。

 そもそも年齢を重ねると血管が硬化して体の隅々まで血液を送れなくなるから血圧は高くなって当たり前。それを無理やり下げたら、体にいろいろ問題が生じてしまう。

 それなのに日本人をみんなメタボにしてうまい汁を吸おうという輩がこの国にははびこっているんだな。筆頭は医療機関だけど、厚生官僚もグルだよね。天下り先づくりにご熱心だからね。

川嶋 先生は孤軍奮闘、既得権益に挑戦されていますが、仲間づくりのようなことはされないのですか。日本の医療を本格的に変えようという志のある先生たちを集めるとか。

近藤 少なくとも抗がん剤治療をしている人たちは改革したくないよね。仕事がなくなっちゃうから。がん治療ワールドの外にいる人たちは分かっていて、自分の患者には抗がん剤はやめなさいと言っているけど、そういう人たちでも表に出てきてマスコミに「抗がん剤は要りません」なんて積極的に発言する人はほとんどいない。

 それに、言ったところで「専門家じゃないくせに何を言うか」ということになる。メディアにも取り上げてもらえない。

川嶋 それは日本に突きつけられた現実としては厳しいですね。既得権益の強固さは原発村以上のものがありますね。何と言うか、これは私たち日本人の中にある根っこの問題のような気がします。

 これまでお医者さんは神様だから全部任せてたという。お医者さんもそうですが、「お上」という考え方ですね。自分自身で考えて自主的に行動することに慣れていないというか、自主的に行動しないようにされてきてしまった。

近藤 まぁそうだな。だからその材料となる医学的な事実というのは私がこれからも発信していくんだけど、治療を受けている人たちの意識が変わらないとだめだね。

 先日、中村勘三郎さんが亡くなったでしょう。初期がんだというのに発見から4カ月で。こういうときにメディアが何を書くかというのも大きな問題だよね。勘三郎さんも人間ドックなんか行かなければ、まだ生きていたことは確実です。

川嶋 最後にお聞きしたいのですが、がんの予防方法は何かありますか。

近藤 タバコを吸っている人はやめること。あとはバランスいい食事。健診は症状が出てきてからやればいい。そこの段階で治るものは治るし。治る治らないは決まってるから。

 積極的な予防法はないね。ストレスは心理的なものだから、心理状態が変わって遺伝子が変化するかというと、それは多分否定的だと思う。

 精神的な影響で何らかの物質が変化して、それが遺伝子に働きかけないと。神経がいくら働いても、遺伝子を傷つけるかは疑問です。

川嶋 どうもありがとうございました。

[JBPRESS]

Posted by nob : 2013年01月22日 12:16

成長の論理はもはや過去の遺物、、、このデフレやPTT参加に対応できるだけの経済構造改革こそが急務。。。

■浜田宏一・内閣官房参与 核心インタビュー
「アベノミクスがもたらす金融政策の大転換
インフレ目標と日銀法改正で日本経済を取り戻す」

金融政策、財政政策、成長戦略の「3本の矢」で経済回復を目指すと宣言した安倍晋三首相。この「アベノミクス」において金融政策の柱となるのが、インフレターゲット(物価上昇率目標)を2~3%に定め、大胆な金融緩和によって、デフレと円高から脱却するというシナリオだ。市場ではこのシナリオを好感して円安・株高が続く一方、物価上昇を不安視する声もある。果たして、日本は「失われた20 年」を取り戻すことができるか。安倍政権が進める金融政策の理論的な柱となっている浜田宏一・内閣官房参与(米エール大学名誉教授)に、日本再生の鍵を握る金融政策のポイントを詳しく聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 編集長・原英次郎、小尾拓也)

安倍首相に様々な意見を申し上げ
それを政策の参考にしていただく

はまだ・こういち
経済学者、米エール大学経済成長センター名誉教授。1936年生まれ。神奈川県出身。東京大学法学部・経済学部卒。東大とエール大で経済学修士、エール大で経済学博士取得。東大経済学部教授、エール大経済学部教授、理論・計量経済学会(現日本経済学会)会長、内閣府経済社会総合研究所長、中央大学大学院総合政策研究科特任教授などを歴任。瑞宝重光章受章。2012年12月、第二次安倍内閣で内閣官房参与に就任。専門は国際金融論、ゲーム理論。『経済成長と国際資本移動――資本自由化の経済学』『損害賠償の経済分析』『国際金融の政治経済学』『アメリカは日本経済の復活を知っている』など著書多数。

――政権を取り戻した安倍自民党は、金融政策、財政政策、成長戦略の「3本の矢」で経済回復を目指すと宣言しました。この「アベノミクス」において柱となっているのが、大胆な金融政策です。浜田教授は、安倍政権に内閣官房参与として参画し、経済・金融政策に対して提言を行なうお立場にいます。現在は、どのような活動をしていますか。また、安倍首相とはいつ頃からお付き合いがあるのですか。

 現在は、政府の非常勤公務員という立場です。安倍晋三首相には、経済・金融に関する様々な意見を申し上げ、首相がそれを取捨選択し、政策の参考にされることになります。

 安倍首相とは、小泉内閣時の経済財政諮問会議に内閣府の研究所の所長として陪席したときからの知り合いです。当時、内閣官房副長官を務めていらっしゃった安倍首相は、よく意見を理解していただきました。

 また、お父上である故安倍晋太郎外相を記念する国際交流基金日米センターの研究奨学金プログラム「安倍フェローシップ」に選ばれ、経済政策の決定過程の研究をさせていただいたご縁もあります。

――安倍内閣の金融政策の柱となるのが、インフレターゲット(物価上昇率目標)を2~3%に定め、大胆な金融緩和によって、デフレと円高から脱却するというシナリオです。こうした政策が必要なのは、なぜですか。

 世界各国のマクロ経済の状態を見ると、新日銀法が施行されてからの15年間、日本だけが名目、実質の経済成長ともに1人遅れをとっていることです。他の国も原燃料高や財政難に悩んでいるのに、日本だけ何が違うのか。それはデフレ気味に経済を運営し、金融政策を引き締め、円高を容認してきたことに大きな原因があります。そこから脱却するには、やはりインフレ目標と大胆な金融緩和が必要だと思います。

 こうした考え方を持つ、いわゆる「リフレ派」と呼ばれる学者たちは、たとえば岩田規久男氏の「昭和恐慌研究会」などを通じて「デフレ円高のように、貨幣に関することは金融政策で直せる」と主張してきました。私も彼らの考え方に賛同しています。

 各国とも経済成長の天井となる、完全雇用、設備の完全利用で達成できる潜在GDP経路が決まっています。人口減少が進む日本にとって、潜在成長率が低下するのは仕方がないことです。潜在成長経路は、金融政策だけでは変わりません。

奇跡と言われた輸出産業が
苦しんでいるのは超円高のせい

 しかし、今日本が直面している問題は、経済が潜在生産能力のはるか下のところで運行していることです。金融を引き締めし過ぎていて、日本経済は実力を発揮し切っていないのです。つまり、失業、過剰設備の存在のために需給ギャップがあって、潜在生産能力の一部が失われているのです。

 円高でエルピーダメモリがつぶれ、奇跡と言われた高度成長を担っていた輸出産業、ソニー、パナソニック、シャープなどが苦しんでいるのは、超円高のせいです。円高はドルに対して円の価値が高過ぎ、デフレはモノに対して貨幣の価値が高過ぎるのです。それを是正するには、他の要因も副次的には関係しますが、お金を刷って円の量を増やすのが第一歩です。

――少なくとも、リーマンショック以降に行なわれた各国の金融緩和策を比べると、対GDP比で見た日本の資金供給量の水準は、数字上では他国と比べて低くありません。にもかかわらず、なぜ日銀は「金融緩和が足りない」と言われるのか。また、なぜこれまで大きな成果を出せなかったのでしょうか。

 それぞれ決済の習慣が違う国を、通貨比率の水準だけで比較することには意味がありません。日本はモノやサービスを買うときに現金で支払うのが一般的ですが、米国はクレジットカードや小切手で支払うことが一般的。つまり、日本は市中に出回る現金の量が、もともと米国よりも圧倒的に多いのです。

 それを無視する日銀の自己擁護論は、日銀の用いる多くの詭弁の1つです。記者の方も言いくるめられてしまうのですね。

 リーマンショック後は、米国も大幅な金融緩和を行ないましたが、現金社会である日銀の金融拡張の度合いは、何もしていないのと同じでした。各国のベースマネーの絶対量を比較するのではなく、変化量を比較しないと、金融緩和が十分か否かを論じることはできません。

インフレターゲットは次善の策
目標は3%でもよいのではないか

――そうした状況を踏まえて、インフレターゲットが必要というわけですね。

 私は、インフレ―ターゲットに対しては次善の策だと思っています。正しい経済理解に基づいて金融政策をやっていれば、こんなに円高になることもないし、高度成長期のように緩やかなインフレ率は実現できるはずですから。

 日銀が正しい経済学に従うのなら、それに任せてもいいのです。しかし、この20年間を振り返ると、日本銀行は正しい経済観に従って金融緩和をして来なかった。だから、目標の義務付けが必要なのです。

 デフレ期待がこれだけ定着してしまった現在、個人的には、世界の有力経済学者の言うように、インフレ目標はそれより高く3%でもいいのではないかと思います。

――しかし世間には、「景気が停滞する中でお金だけ増やしても、インフレにならないのではないか」と疑問視する声も少なくありません。

 確かに、学者や実務界のエコノミストの中には、「効果がない」とおっしゃる人も多い。それはケインズが言った「流動性の罠」という現象で、いくら市中に出回るお金の量を増やしても、皆がお金を貯め込んで投資をしない状況を指します。

 背景にあるのは、金利が低いから何かに投資してもお金で自分で持っているのとあまり変わらないし、しかも金利が上がったら債券の価格が値崩れして損をするのではないかという不安です。だから、ゼロ金利の下でお金を増やしても、経済を活性化する効果がないという考え方ですね。

 しかし、そういう人たちは、債券市場だけ見ていて、株式市場や不動産市場を見ていない。20世紀が生んだ大経済学者の1人で、恩師のジェームス・トービンは、企業の資産と市場での評価を測る指標として「q理論」を提唱しました。

 この理論では、株式や不動産への投資機運の高まりが、株価を上昇させ、その結果企業がより投資しやすくなるということを指摘しています。日本でもこの効果が、本多祐三教授らによって確かめられています。

 別の経路も考えられます。ゼロ金利下で金融機関に行って「ゼロ金利でお金を貸してくれ」と言っても、その人に返済のアテがなければ貸してくれるわけがない。「それなら高額の担保を差し出せ」と言われるでしょう。ところが、今の日本のように株式も土地も下がっている状況では、担保物件の価値は低くなります。

 そこで、お金を借りることは難しい。金融緩和で担保となる不動産価格が上がると、お金が借り易くなり、多少のリスクを伴っても新しい投資を行ない、利益を増やそうと考える人が増える。これは米FRB議長バーナンキの主張です。

後でちゃんと売却できるなら
国債を直接引き受けてもよい

――では、日銀はインフレターゲットに向けて、どんなことができるでしょうか。

 伝統的な短期債を買う手段に比べて、日銀はやろうと思えばかなりのことができます。長期債券を買えば長期金利が下がり、経済にそれなりのインパクトを与えられるし、もっとドラスティックにやるならCP(社債)を買ってもいいでしょう。

 個別株式の購入はモラル的に問題がありますが、ETF(上場投信)を買ってもいいし、場合によっては外国通貨や外国債券を買ってもいい。また、後でちゃんと売却(市中から資金を吸収)できるなら、国債を直接引き受けてもいいのではないか。

 アベノミクスが整合的に続けられ、国民の政策に対する信用を得られれば、かなりの効果を出せるはずです。それに大胆に賭けていくことが、金融政策で景気を浮揚させることにつながっていくと思います。

――とはいえ、日銀が国債を大量に買い入れても、市中銀行が企業への貸し付けや運用などにお金を回さず、準備預金残高が積み上がって行くだけで、インフレ期待は醸成されないのではないかという意見もあります。

 そうですね。現在日銀は預け金に0.1%程度のわずかな金利を付けています。それは主に、銀行間の短期資金の仲介を行なう短資市場の保護を目的にしていますが、預け金の金利がゼロに近い市中金利と比べていくらか有利なため、市中銀行の資金が日銀に戻ってきてしまうという、金融緩和に日銀自身がブレーキをかける現象を生んだ。その結果企業への貸し出しにお金が回らず、これは悪いやり方だと思います。

 インフレ期待を醸成するには、日銀は包括的金融緩和の名の下で、色々な資産を買うと称してちょっぴりしかやっていない。それは株などのリスク資産も含むので、彼らはやりたくない。そのため、投機に対する影響が小さい国債、それも短期国債ばかりを買う状態が続いています。

外債購入は金融政策にとって有効
法律論でやらないのは筋違いでは

――日銀は外国債などを購入して円安誘導すべきという声も以前からありましたが、それは金融政策の枠を越えて、為替介入と捉えられる可能性があります。他国から批判されることはないでしょうか。

 政治的なコンセンサスは必要だと思いますが、経済学者は法律家と違い、法や政治的意味での行為の正当化に興味はありません。外債などを買えば円は安くなるため、金融政策にとって非常に有効です。実体を伴わない法律論でとるべき政策をとらないのは、筋違いではないでしょうか。

 麻生副総理も言っておられたように、今まで日本だけが我慢して他国にいいことを続けてきたのに、今自国のために金融緩和しようとするときに、他国に文句をつけられる筋合いはないのです。日本の金融政策は日本のためであり、ブラジルや他国のためではないのです。

――インフレ期待が大きく醸成されると、長期金利が高騰するのでないかと心配する声も多いですが……。

 ノーベル経済学者のマンデルは、期待インフレ率が上がるほどには国債の金利が上がらないことを証明しています。

 実質金利は名目金利から期待インフレ率を引いたものですから、金融緩和によって名目金利が一定に抑えられている環境では、期待インフレ率が上がると実質金利は下がります。よって、その影響が名目金利に多少ハネ返って来たとしても、結果的に実質金利が下がって、投資し易い環境になることは変わらず、景気が刺激されることになります。

 重視すべきは、名目金利ではなく実質金利なのです。たとえば、我々が住宅ローンを組んで家を購入するときも、返済時にいくら返せばいいかの指標になるのは実質金利なのですから。

名目賃金は上がらないほうがよい
その理由はあまり理解されていない

――では、こうした金融政策をやれば、経済はどのような経路で上向くことが考えられますか。デフレから脱却して「名目成長率」が上がり、それがどう実質成長率の上昇に結び付いて行くのでしょうか。

 物価が上がっても国民の賃金はすぐには上がりません。インフレ率と失業の相関関係を示すフィリップス曲線(インフレ率が上昇すると失業率が下がることを示す)を見てもわかる通り、名目賃金には硬直性があるため、期待インフレ率が上がると、実質賃金は一時的に下がり、そのため雇用が増えるのです。こうした経路を経て、緩やかな物価上昇の中で実質所得の増加へとつながっていくのです。

 その意味では、雇用されている人々が、実質賃金の面では少しずつ我慢し、失業者を減らして、それが生産のパイを増やす。それが安定的な景気回復につながり、国民生活が全体的に豊かになるというのが、リフレ政策と言えます。

 よく「名目賃金が上がらないとダメ」と言われますが、名目賃金はむしろ上がらないほうがいい。名目賃金が上がると企業収益が増えず、雇用が増えなくなるからです。それだとインフレ政策の意味がなくなってしまい、むしろこれ以上物価が上昇しないよう、止める必要が出て来る。こうしたことは、あまり理解されていないように思います。

――今後の政府の方針として、日銀法の改正まで踏み込む可能性はありますか。

 有権者の信任を得た政治家が金融政策の舵取りをきちんとするのが政府の役目であり、その目標を達成するために具体的な手段を使って金融政策を実施するのが日銀の役目。そうした体制にするために日銀法を改正すべきだという意見に、私も賛同しています。きちんと約束しなければ、国民の信頼を得られないでしょう。

 白川(方明日銀総裁)緩和がうまく行かないのは、「もうそんなことをやりたくない」という意思を言外に示し、自ら「金融緩和策には効果がない」と吹聴しているためです。本気さが見えない中央銀行の政策を、誰が信用するでしょうか。

 安倍首相が日銀法改正を唱え始めたとき、金融政策に対する権限はありませんでしたが、それでも関係者は、特に市場は真剣に耳を傾けた。そこには「期待をつづる効果」があったのです。「(日銀擁護の)論より(市場の成果という)証拠」なのです。

 現状では、アコード(政策協定)をいくら書いても、日銀が「イヤだ」と言うことを強制できる法的根拠が、残念ながらないように思います。やはり日銀法改正は必要です。

日銀には豊富な知識と経験があるが
金融政策の目標を決められるのは問題

――具体的な政策は日銀に任せるにしても、いざというときには政府が乗り出し、方向性をきちんと指し示すということですね。

 どんな資産をどのタイミングで買うか、金利水準をどう変えるかといった具体的な政策は、日銀に任せればよい。第一次石油危機後に金融を緩めて「狂乱物価」を引き起こしてしまった日銀が、第二次石油危機時にインフレをスムーズに封じ込めたように、日銀には豊富な知識と経験があります。

 実際、彼らだけで「デフレの番人」を務めることは、十分可能でしょう。しかし、中央銀行が金融政策の目標を決められてしまう状況は、やはり問題です。

――これまで金融政策について詳しく聞いてきましたが、財政政策とのポリシーミックスはどうなりますか。足もとでは大型の補正予算が出される見通しで、国債の発行がさらに膨らむことは確実。それにより悪い金利上昇が起きると、金融政策の効果が相殺されかねません。

 それについては、本来私も金融政策だけで十分ではないかと思っています。
ただ、政府内には「最後の一押しは財政政策が必要」という意見がある。一方、「金融政策で財政危機を救えるのに、財政で大盤振る舞いすると救えなくなるのではないか」と不安を持つ人もいて、私はどちらかと言えばその意見に賛成です。

 それでも財政政策をやるならば、金融政策を全開で行なう必要があります。財政拡大で国債を大量に発行し、金利が上昇すると、海外資金の流入を招き、円高につながります。円高で輸出減、輸入増が起きると、外需が縮小し、財政出動で喚起した内需を相殺してしまう。これは、マンデル・フレミングモデルの考え方です。

 そうならないために、金融政策による金利の安定化を同時に図ると、つまり金融緩和を十分にやっているときは、財政政策も効いてきます。その意味でも、私は金融政策が主で、財政政策を従と考えています。

 しかし、内外の学者の中でも、多少のニュアンスの違いは見られます。あのクルーグマンでさえ、一緒に財政政策を使えと言っています。金融政策だけではすぐにデフレを解消できないと思っている人は、日銀にも考える時間を長期的に与えるべきと唱えていますが、安倍首相はそれではかえって期待をつづる効果を弱めるので、「せめて中期を目指す」ようにと理解を求めています。これは全くの正論です。

リフレ派は一生懸命やって来た
アベノミクスで争点が転換された

――いわゆるリフレ派の学者たちの主張は、これまでなかなか受け入れられない土壌があったように感じます。今後、世の中の考え方は変わるでしょうか。

「日銀はこれ以上の金融緩和をしてはいけない」と言わんばかりの理由を、合理的な理屈を付けて説明する人はたくさんいました。彼らが経済原理と全く離れたことを言っているのは、不思議だったし、不安に思いました。

 我々は無力感を感じながらも一生懸命やって来ましたが、争点を転換して見せたのが、アベノミクスでした。まさに、政治的リーダーシップがあったからこそです。今、やっと反対派の人たちと同じ土俵で議論できるようになったのは、大変嬉しいと思っています。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2013年01月22日 11:36

デフレ脱却は無理ではないけれど無意味、、、成長ではもはや何も解決しない、、、成熟した資本主義への転換のためのノウハウを施行錯誤すべき時。。。

■デフレからの脱却は無理なのです
水野和夫・埼玉大学大学院客員教授に聞く
渡辺 康仁

 デフレからの脱却はできない——。金融緩和、財政政策、成長戦略の「3本の矢」で脱デフレを目指す「アベノミクス」が始動しても、その思いが揺らぐことはない。政権交代で政府を離れた水野和夫・埼玉大学大学院客員教授が見る日本経済が抱える問題の本質とは何か。

(聞き手は渡辺康仁)

国内外の経済の状況をどう見ていますか。

水野:まず先進国の状況からお話しします。2008年のリーマンショックに続いてユーロ圏諸国のソブリン(政府債務)問題が起こり、米欧各国は後遺症からいまだに抜け出せていません。日本がバブル崩壊後の「失われた20年」で抱えた問題を解決できないのと同じような状況に置かれています。

水野 和夫(みずの・かずお)氏
埼玉大学大学院客員教授。1953年生まれ。1980年早稲田大学大学院経済学修士。八千代証券に入り、その後は一貫して調査部門に所属。合併などで会社は国際証券、三菱証券、三菱UFJ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に変わった。2010年9月に退職し、民主党政権で内閣府の官房審議官(経済財政分析担当)に転じた。国家戦略室担当の内閣審議官も務めたが、政権交代で退いた。

 日米欧でバブル経済が発生した原因ははっきりしています。それは成長ができなくなったからです。日本は戦後の高度成長期が1973〜74年頃に終わり、 4〜5%の中期成長に入りました。その後、80年代に入って成長率はさらに落ち込み、それを覆い隠すようにバブル経済が起きました。

 成長が難しくなった米国も、1995年以降、強いドル政策でバブルを起こしました。金融技術や証券化商品がそれに乗っかる形で2007〜08年にピークを迎えたのです。欧州でも、特にドイツが成長できなくなったためにユーロという大きな枠組みを作って南欧諸国を取り込みました。国別で一番ポルシェが売れていたのはギリシャだそうです。強いユーロでポルシェを買ってバブル化していったのです。

 日米欧ともに成長ができなくなったからバブルに依存し、いずれも崩壊したのです。バブル崩壊の過程でデフレも起きました。私には成長戦略でバブルの後遺症から脱却しようというのは堂々巡りのように思えます。

歴代の政権は成長戦略を経済政策の柱としてきましたが、それは間違っていたということですか。

水野:成長戦略は失敗の運命にあると言えます。菅直人・元首相については様々な評価がありますが、首相時代の発言で一番良いと思うのは「成長戦略は十数本作ったが全部失敗している」というものです。成長戦略が解決策として正しいのであれば、十数本のうちどれかは当たっていないとおかしいのです。ことごとく外れているということは、成長では解決できない事態に先進国は直面していると考えたほうがいいのだろうと思います。

「製造業復活」は理解できない

 先進国が成長できなくなったのには理由があります。デフレ経済のもとで、数字で成長を計る場合には名目GDP(国内総生産)を使います。名目GDPを簡単に言うと、売り上げから中間投入を引いた付加価値です。

 今起きている事態は売り上げが落ちているということではありません。売り上げが減少したのは、失われた20年の最初の10年です。あの当時は信用収縮も起きて単価がどんどん下がりました。現在は企業の売り上げが伸びる一方で、中間投入がそれと同額か場合によっては上回るテンポで増えている。売り上げが増加しても名目GDPは増えないという構図です。中間投入が増えているということは、逆に言えば資源国の売り上げが増えているということです。

 売り上げが伸びていると言いましたが、先進国の企業が思い通りに値上げができる状況にはありません。日本からの輸出でウエイトが高い電機や自動車は競争が激しく、新興国市場などで値上げすることは厳しいでしょう。先進国は工業製品を作るだけでは付加価値を増やすことは難しくなってしまいました。

日本経済を再生させるためには、製造業の役割が重要になるのではないですか。

水野:製造業の復活と言う人がいますが、私にはなかなか理解できないですね。日本で作って海外に持っていくのは、今の仕組みからするとほとんど成り立たないと思います。家電メーカーの現状がそれを物語っています。自動車も10年後には同じ状況になる可能性があります。新興国が近代化に成功するには、雇用を自国で増やして中間層を生み出すことが必要ですから、新興国は現地生産化を求めると思います。

 国内を見ても、身の回りにはモノがあふれています。乗用車の普及率は80%を超え、カラーテレビはほぼ100%です。財よりもサービスが伸びると言われますが、サービスは在庫を持てないし、消費量は時間に比例します。1日が24時間と決まっている以上、サービスを受け入れる能力には限りがあります。先進国は財もサービスも基本的には十分満たされているのです。

 個人だけでなく、国全体の資本ストックも過剰です。既に過剰なのに、まだ新幹線や第2東名高速を作ると言っている。資本ストックの減価償却にどんどんお金を使うというのが今起きていることです。

経済的にゼロ成長で十分

企業が稼げなくなると、賃金や雇用にしわ寄せが行きそうです。

水野:戦後最長の景気回復期だった2002年から2008年初めに何が起きたのでしょうか。製造業の付加価値はプラスでしたが、企業利益と雇用者報酬、減価償却に分けると、減価償却は付加価値よりも増えました。1200兆円の民間ストックを維持するために過大償却になっていたのです。景気は回復しているのに企業利益と雇用者報酬を合算するとマイナスになる。利益を減らすと株主総会を乗り切れませんから、雇用者報酬が引かれます。1人当たり人件費はどんどん下がります。

 世界経済が回復すると工場の稼働率も上がるから株主配当を増やさなければなりません。雇用者を非正規化しながらトータルの人件費を下げるのが景気回復の実態です。次の景気回復が来ても、この状況は変わらないでしょう。

 繰り返しますが、あらゆるものが過剰になっているのです。本来ならば、望ましい段階に到達したはずです。国連の統計では、1人当たりのストックでは日本は米国を上回ります。さらに成長しようというのは、身の回りのストックをもっと増やそうということです。まだ資本ストックが足りない国から見ると、 1000兆円もの借金を作って色々なモノをあふれさせた日本が成長しないと豊かになれないというのはどういうことかと思いますよね。

何か答えはあるのでしょうか。

水野:2つ考えられます。もし日本が今でも貧しいとするならば、1つの解は近代システムが間違っているということです。ありとあらゆるものを増やしても皆が豊かになれないというのはおかしいですから。

 2つ目の答えは、成長の次の概念をどう提示するかです。日本は明治維新で近代システムを取り入れて、わずか140年たらずで欧米が400年くらいかけて到達した水準に既に達してしまったということです。これまで「近代システム=成長」ということでやってきましたが、必ずしも近代システムは普遍的なものではありません。変えていかないといけないのです。

 私は経済的にはゼロ成長で十分だと思います。よく経営者は「成長戦略は実行あるのみ」という言い方をしますが、近代システムを強化して売り上げが伸びるような仕組みであれば、それでもいいのでしょう。しかし、売り上げが伸びるのはあくまで海外です。現地で100の売り上げがあったら、50が中間投入で、 50が付加価値。付加価値の50のうち、35が現地の雇用になって15が日本に返ってくる。先進国になった日本が1人当たりGDPで1000ドルや 2000ドルの国にぶら下がって豊かになるのは無理なのです。

資本主義は全員を豊かにしない

アジアなど新興国の成長を取り込むことはこれからも重要だと思いますが。

水野:日本の高度成長期には原油が1バレル2ドルや3ドルで買えました。米欧のオイルメジャーが原油価格を抑えていましたから、売り上げが増えても中間投入は増えません。日本の1960年代から70年代半ばまではすごく条件が恵まれていましたが、オイルショックで壊れました。

 今の新興国は1バレル100ドルで原油を仕入れなければなりません。近代化の原則は「より速く、より遠く」ですから、エネルギーが必要です。地球上の 70億人のうち、12億人が先進国の仲間入りをして、残り58億人が近代化に向けてこれからエネルギーを多消費します。しかし、原油高は続いていますから、残りの58億人全員が近代の仕組みの上で豊かになれるわけではないのです。

 アジアやアフリカの各国がドッグイヤーと言われるほど速いテンポで近代化をすると、今の想定通りに本当に中間層が生まれるのでしょうか。私はそれは難しいと考えています。資本主義は全員を豊かにする仕組みではないとだんだん分かってくるのが、これからの10年、20年なのでしょう。

 中国もこれから過剰設備の問題が顕在してきます。世界の粗鋼生産量15億トンのうち、中国が既に7億〜8億トンを占めています。中国経済が90年代後半から立ち上がった過程は米欧のバブル期と重なります。米欧が失われた10年、20年に入ると、日本が過剰設備に陥った90年代と同じことが起こりかねません。たとえアフリカ経済が成長しても、5兆ドル規模の中国経済を牽引することはできません。中国の成長が難しくなれば、日本も外需に期待することはできなくなります。

デフレからの脱却も難しくなりますね。

水野:デフレからは脱却できないでしょう。そもそも成長できなくなったという前提でどうするかを考えなければいけないのです。

 日銀の金融緩和への期待で円安が進んでいますが、2000年代初頭に量的緩和で1ドル=120円程度まで円安が進行したことがありました。経営者は 120円が続くという前提で国内に工場を作りましたが、今度は70円台の円高になってしまった。経営者の失敗なのに、最近になると六重苦といって円高のせいにしていますよね。今の状況も「円安バブル」を生じさせる恐れがあると見ています。

[日経ビジネス]

Posted by nob : 2013年01月22日 11:07

ナンセンスの極み、、、放射性廃棄物の最終処理法の策定が第一。。。

■原発の新安全基準 骨子案を提示

東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえた原発の新たな安全基準の骨子案が示され、放射性物質の大量放出を防ぐための設備や、建屋に近づけなくなった場合でも、離れた場所から原子炉に注水できる施設の設置などが盛り込まれました。

対策の中には大規模な工事が必要になるものもあり、ことし7月以降に実施される運転再開の審査をする段階で、どの対策の完了を求めるのかが今後の焦点となります。

原子力規制委員会は、福島第一原発で起きたような深刻な事故を防ぐための対策を電力会社に法律で義務づけることにしていて、21日に開かれた専門家会議に、これまでの議論を踏まえた新たな安全基準の骨子案を示しました。

それによりますと、福島の事故の際に格納容器の圧力を下げる「ベント」が思うようにできずに放射性物質の大量放出につながったことから、放射性物質の放出を抑えながら容器内の圧力を下げる「フィルターベント」と呼ばれる設備の設置を求めるとしています。

また、航空機の落下などによって建屋が大規模に壊れた場合でも原子炉に注水するための設備や、原子炉の状態を監視できる「第二制御室」を建屋から離れた場所に設けることなどが盛り込まれました。これらの対策の中には、大規模な改良工事が必要になるものもありますが、どの対策を優先するのかや、設置までに猶予期間を認めるのかなどの整理については、具体的な議論は行われていません。

骨子案は今月中に取りまとめられ、国民から意見を聞いたうえで、ことし7月までに基準を決めることになりますが、新たな安全基準は7月以降に実施される原発の運転再開の審査にも適用されることから、審査の段階で、どの対策の完了を求めるのかが今後の焦点となります。

[NHK NEWSWEB]

Posted by nob : 2013年01月21日 12:37

補修せずに底の穴が日増しに大きくなるばかり、、、今にも抜け落ちんとしているバケツ。。。

■生活保護214万人=昨年10月、過去最多を更新−厚労省

 厚生労働省は21日、2012年10月の全国の生活保護受給者が前月比8675人増の214万2580人、受給世帯が6755世帯増の156万4301世帯になったと発表した。ともに過去最多を更新した。

 また、東日本大震災の被災者の生活保護については、11年3月から12年11月までに全国の被災者から5339件の相談があり、うち1451世帯が受給を開始した。

[時事通信]

Posted by nob : 2013年01月21日 12:28

何を信じるかは個々の感性と良心。。。

■放射線と発がん、日本が知るべき国連の結論

 昨年12月、極めて重要な報告書が粛々と発表された。そこに結論として書かれているのは、原子力科学の専門家が長年にわたり主張してきたことだ。――つまり、約0.1シーベルト(Sv)または10 rem以下の放射線の被曝(ひばく)は大した問題ではない。

 「しきい値無し直線仮説(Linear Non-Threshold : LNT仮説)」は0.1Sv(10 rem)以下の被曝には当てはまらないが、世界中の自然放射線量はこの範囲にある。そればかりか、この低線量域は、原子力、医学的治療、そして福島のように原発事故で被害を受けた地域にとって最も重要な意味を持つ。

 原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)が提出した。低線量の被曝の影響は非常に不確かなものであるため、UNSCEARとしては「低線量の被曝と大人数を掛け合わせて、自然放射線量と同等以下のレベルで漸増的な被曝によって健康被害を受ける人数を推定することは勧めない」と述べている。

 この手法はチェルノブイリ以来広く行われてきたことであり、福島では今も採用されている。

■福島事故で「健康への影響無し」

 報告書により、世界はようやく正気に戻り、人体に害を与えないことに無駄な時間を費やすのをやめ、実際に悪影響を及ぼす問題、そして本当に注意を必要とする人々に目を向けるようになるかもしれない。例えば津波によって引き起こされたインフラや経済への打撃、あるいは福島周辺の真のホットスポットの除染。さらには、人体に影響を与えない程度の放射線量しか浴びていないのに、被曝の恐怖に怯えて暮らし、まさにそうした不安に心身をさいなまれている何万人という日本人をケアするといったことだ。また、日本政府においては真剣に原発再稼働の準備を始めたり、国際原子力機関(IAEA)や米国政府からの改善案に耳を傾けることだ。

 この報告書によって、低線量の被曝が個人と大規模な集団の健康に及ぼす影響について言えること、言えないことがはっきりするだろう。

 自然放射線量が2.5ミリSv(250 ミリrem)から3.5ミリSv(350 ミリrem)に上昇しても、発がん率は上昇せず、認識できるような公衆衛生上の影響は何も起きない。同じように、自然放射線量が2.5ミリSv(250 ミリrem)から1ミリSv( 100 ミリrem)に低下しても発がん率は低下せず、公衆衛生上の問題に一切影響を与えない。

 重要なのは、通常の議論は短期間(一度)に強烈な放射線に被曝することを想定しており、同じ量を1年といった長い期間をかけて被曝した場合、影響はさらに小さくなることだ。つまり毎月0.1Sv(10 rem)を被曝すれば影響はあるかもしれないが、年間で同じ0.1Svを受けた場合は、慢性にせよ、急性にせよ認識できるような影響は一切ない。

 さらにUNSCEARは、一昨年の福島の原発事故による識別可能な人体への影響はなかったとしている。「影響無し」としているのだ。

 日本人は再び国産の食品を口にできる。放射線による汚染が軽微で、米国・コロラド州やブラジルといった世界各地の自然放射線並みのレベルにとどまっていれば、避難地域への帰宅も始められる。

■浪費される膨大な資金

 現在、表土や落ち葉の除去に費されている膨大なムダな資金(ニューヨーク・タイムズの記事参照)は、深刻な汚染状況にある福島原発付近での最新技術を使った除染に集中投資すればよい。

 0.1Sv(10 rem)以下の被曝に誤ってLNT仮説を当てはめたことによる経済的・心理的負担は、ただでさえストレスを感じていた日本国民には著しく有害で、今後もそれを続けることは犯罪行為といえる。

 LNT仮説を要約すると、あらゆる放射線は命にかかわる有害なもので、被曝線量がどれほど低くても人体に有害な影響を与えるとする考え方だ。被曝量が2倍なら発がん率も2倍になる、と。第二次世界大戦後にヘルマン・マラーが提唱し、UNSCEARを含む国際機関が採用したが、その有効性が最も発揮されたのは冷戦中に核兵器実験を中断させるための交渉の切り札として使われたときだ。世界に放射能への恐怖が広がったのは、その副作用である(記事「マラーはウソをついたのか?」参照)。

 当然ながら、年間0.1Sv(年10 rem)以下では被曝量が2倍になっても発がん率は2倍にならない。人体への影響はまったくない。数百万人にのぼる原子力作業従事者を50年にわたって綿密に調査した結果、一般人の平均と比べて被曝量は数倍から10倍だったが、がんによる死亡率は変わらなかった。米国のニューメキシコ州とワイオミング州の人々の年間被曝量はロサンゼルスの住人の2倍だが、発がん率はむしろ低い。LNT仮説が正しければ、こうしたことは起こりえない。

 地球上のどこを見ても、被曝量が年間0.1Sv (年10 rem)以下のケースで、LNT仮説を裏づけるような識別できる影響が出ている集団はない。自然放射線量が年間0.1Sv(10 rem/年)を超える中東、ブラジル、フランスでさえそうだ。

 議論されることはほとんどないが、LNT仮説は人体の器官とペトリ皿で培養した細胞に低い線量を照射した際に機能する生物の免疫機構や生物学的な治癒にかかる時間を考慮していない。

■国連総会で承認された報告書

 UNSCEARは世界各国の専門家で構成される独立機関として1995年から定期的に会合を開いている。原爆の生存者、チェルノブイリ原発事故の影響、産業界で起きた放射線による事故、医療現場での放射線治療の研究を通じて放射能への人類の理解を促進するとともに、放射性物質による発がん性が低いことも明らかにしてきた。

 専門家の多くは長年、何もしないことが害悪になる重大な問題について、結論を先延ばししたり、言葉を濁すようなことはやめようとしてきた。今回の報告書は好ましい変化だ。報告書は国連総会で承認されたので、今後は世界中の国々が独自の放射能安全策を策定するのに参考にするだろう。

■日本に与える重大な影響

 これはLNT仮説を誤用して、特に食品について福島事故への過剰反応ともいうべき基準見直しを実施した日本にとって特に重要だ。

 世界的に認められた食品中の放射能レベルは1キログラムあたり1000ベクレル(米国の場合は同1200ベクレル/キログラム)だ。大部分はセシウム137とストロンチウム90が占めるが、こうした基準値はIAEAやUNSCEARのような組織が数十年にわたる研究にもとづいて設定している。福島の事故後、国民の放射能への不安が高まっていることがメディアで報じられたため、日本政府は不安を静めようと基準値を従来の半分に抑えた。だが不安が静まらなかったため、基準をさらに引き下げて国際基準の10分の1にした。

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 放射能は思っていた以上に危険である、国内の食品は有毒だと伝えれば、国民が安心すると思ったのだろうか。彼らは正気だったのか?

 この結果、国民は日々口にしている食品にさらに不安になるという意図しない影響が生じ、安全な食品は危険なカテゴリーに入れられ、食品輸出は抑制され、経済的・社会的損害はさらに広がった。

 通常であれば安全な食品が、突然、出荷制限の対象になった。青森県産の野生キノコ類は、1キロあたり120ベクレルの放射性セシウムが検出されたため出荷が制限された。このセシウムは福島事故とは一切関係がなく、世界中の人々が食べている食品に含まれているのと同じタイプであり、事故以前はまったく問題にされなかった。(記事「日本の規制値は厳しすぎる」を参照)

 日本人はいわれ無き制裁を加えられるべきではない。だがこのような最近の動きやUNSCEARの報告書からは、日本人が制裁を受けているのは明らかだ。食品の放射性物質の基準値を引き下げる理由はなかった。半減期の短い放射性核種が既に崩壊してしまったことを思えば、なおさらだ。誤った前提の一つは、日本人が汚染された食品しか摂取できないというもので、これはとんでもない見当違いだ。国際的な基準値は確固たる根拠にもとづいて設定されており、それを引き下げることは日本の農家や消費者をさらに痛めつける以外、何の役にも立たない。

 UNSCEARのウォルフガング・ワイス委員長は、事故のあった原発の周辺地域の住民、労働者、子供たちには、放射能による健康への影響は一切観察されていない、と述べている。これは世界保健機関(WHO)や東京大学が既に発表した研究成果とも一致している。原発周辺地域の住人が被曝した放射線量は非常に低く、識別できるような健康被害が生じることはまったく考えられない。

 日本政府は様々な失敗を犯したが、福島県で速やかに避難を実施し、汚染された食品や飲料水が消費されるのを正しく防いだ。これは旧ソ連政府が意図的に市民から情報を隠したチェルノブイリ事故とは対照的だ。

 ヨウ素の放射性同位体で半減期の短い「ヨウ素131」の食物摂取は、子供や若者の甲状腺で吸収されると甲状腺がんを引き起こすリスクがあることで知られているが、これがチェルノブイリ事故が一般市民に及ぼした唯一の重大な放射線による健康被害だ。旧ソ当局が情報を公開し、迅速に行動していれば、この被害は防げたはずだったが、もちろん彼らは一般大衆のことなど大して気にしていなかったのだ。

 日本ではこうしたことは起こらない。半減期がわずか8日のヨウ素131は事故後の数カ月で崩壊してしまい、大量に摂取した例は1人も報告されていない。

■日本人は恐怖ではなく真実に基づき行動を

 報告書によると、福島原発では非常事態に対応していた6人の作業員が0.25Sv(25 rem)を超える放射線を浴び、170人が0.1~0.25Sv(10 ~ 25 rem)を被曝した。このうち健康に悪影響が出た者はなく、おそらく今後も影響は出ないだろう。福島原発で亡くなった6人の死因は、がれきに押しつぶされたり、海に流されるといった事故で、放射能とは一切関係なかった。

 確かに0.1Sv (10 rem)を超える放射線の被曝は健康に影響を与え、それは統計的に1Sv (100 rem)に達するまで増加する。ただこの比較的高い線量域についても、十分に大きな母集団でない限り、影響は観察しにくい。それほどの規模の放射能事件、すなわち大勢が0.1~1Sv (10 ~100rem)の放射能を浴びたのは、第二次大戦中の原爆投下だけである。

 放射線の影響が明らかになりはじめるのは、1Sv (100 rem)以上の高線量を急激に浴びたときだが、そうした状況ですら、考え得る他の要素を排除しない限り、放射能を明白な原因と断定することはできない、とUNSCEARは説く。

 こうした見方が放射性廃棄物の処分にどれほど重大な意味を持つかは、別の機会に譲ろう。

 結局のところ、放射能への恐怖ではなく真実にもとづいて行動するように変わらなければ、われわれは日本、ベラルーシ、ウクライナの人々に責務を果たしたことにならないうえ、今後も見当違いのことに時間とカネを費やすことになるだろう。反核運動家や陰謀説が好きな人々は今回の国連の報告書を受け入れないだろうが、彼らはどのみち国連が嫌いなのだ。

by James Conca, Contributor

[日本経済新聞]

Posted by nob : 2013年01月20日 06:58

ヘルスケアの基礎知識、、、覚えておきたい。。。

■お腹が凹む最新キーワード33——正しい知識で引き締め効果をアップ

 できれば空腹との闘いや「苦行のエクササイズ」なしに、ラク〜に腹を凹ませたい。その実現のために最強の味方は、じつは「基礎知識」なのだ。脂肪を落とす体のメカニズムが頭に入れば、意識せずに生活は変わってくるはず。ここでは「脳でお腹を凹ます」ための重要用語を紹介しよう。

必ず知っておくべき基本用語

メタボリックシンドローム

 人はなぜに腹をへこませなければならないのか……。最大の目的がメタボリックシンドロームの回避にある。言葉の定義は、内臓脂肪(下写真参照)が蓄積したタイプの肥満をベースとして、それに血糖値高め、血圧高め、血中脂質(コレステロールや中性脂肪)の異常の状態を2項目以上合併していること。複数重なることが問題なのは、その場合に内臓脂肪の増加による代謝の変化が背景にあって、動脈硬化の進行が一気に加速するためだ。

 たとえ血圧や血糖値といった個々の検査値の異常は軽度であっても、それらが重なることで心筋梗塞など心臓血管障害で死亡するリスクが高まる。日本人は、欧米人と比較して糖尿病を発症しやすいため、そのリスクを早めに評価するためにも重要だ。逆にいえば、これらのリスクを下げる最も有効な手段は、若いうちからポッコリお腹の原因となる内臓脂肪を低下させることなのだ。

内臓脂肪

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写真はCT(コンピュータ断層撮影)で見た腹部の輪切り写真(「日経ヘルス for MEN」世代である『日経ヘルス』藤井編集長のもの)である。赤く示された部分が内臓脂肪。腸など内臓の周囲にたまり、血糖値の異常などをもたらす原因となる。

腹囲

 2008年に始まった特定健康診査・特定保健指導制度(メタボ健診)で検査される項目の一つ。「おへその位置で測ったお腹まわり」なので、ズボンのウエストサイズより若干大きめになることが多い。日本肥満学会の基準によると、男性では85cm以上がメタボリックシンドロームの基準の一つになる。腹囲が採用されている理由は、身長の大小や筋肉量の差を考慮しても、内臓脂肪の量と最も相関が高いとされているためだ。つまり、対象者全員をこれでスクリーニングすることで、より詳しい検査につなげる狙いがある。

BMI

 ボディマス指数(体格指数)とも呼ぶ。身長と体重の関係を表す数字で、かつては体の肥満度を測る最も重要な指標とされていた。自分の体重(kg)を身長(メートル表示なので172cmの人は1.72)の2乗で割ることで計算できる。判定基準は国によって異なるが、日本肥満学会では22前後(18.5〜 24.9)を「普通体重」、25以上を「肥満」、18.5未満を「低体重(やせ)」としている。しかし、BMIは体脂肪率を考慮していないので、ボディビルダーなどは、脂肪が少なくても筋肉量が多いため肥満に算出されたり、逆に見かけはやせでもじつは内臓脂肪が多い「隠れ肥満」を見逃すなど課題も多い。最近ではBMIより腹囲や体脂肪率の測定が重視されるようになった。

体脂肪率

 その名の通り体内に含まれる脂肪の割合のことである。じつは体脂肪率を正確に測定するのは非常に難しい。かつてはアルキメデスの原理を応用した「水中体重測定法」などが用いられてきたが、最近では「生体インピーダンス法」という体内の電流の流れ方を利用した計測法が広く用いられている。家庭用の体脂肪計の原理もこれである。なお、体脂肪は低ければ低いほどよいわけではなく、体の機能を維持するためには一定の体脂肪が必要である。国際的な基準は定められていないが、国内では30歳以上の男性の場合、17〜23%が適正範囲で、25%以上を肥満とすることが多い。

血糖値

 血液中のブドウ糖の量を示す検査値。ブドウ糖は、全身の組織が活動するための重要なエネルギー源だが、血液中の濃度が高い状態が続くと、体内の微小血管が徐々に破壊されていく。これが2型糖尿病だ。糖尿病を放っておくと全身の臓器に障害をもたらし、腎不全、失明などの原因となる。メタボリックシンドロームの診断基準となるのは空腹時の血糖値が110mg/dl以上の場合だ。

インスリン

 体内で糖の代謝を調整するほか、筋肉ではアミノ酸の取り込みによるたんぱく質合成を促進するホルモン。インスリンは血糖値を正常に保つために重要な働きをするが、人によっては過食などで血糖値が高い状態が続くとインスリンを分泌する膵臓(すいぞう)の機能を障害。2型糖尿病の原因となる。

インスリン抵抗性

 体内の組織でインスリンの効き方が悪くなった状態を示す言葉。もともと糖尿病の患者では健康な人と比較して、同じ量のインスリンを注射しても血糖値が下がりにくいという研究結果から、糖尿病が進行するメカニズムの一つとして注目された。さらに最近では、肥満、動脈硬化、高血圧など生活習慣病の背景にある重要な病態だと考えられている。メタボリックシンドロームと診断された人では、インスリン抵抗性を調べる検査(経口ブドウ糖負荷試験など)を行うこともある。インスリン抵抗性は、食事の改善のほか、レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)や有酸素運動などでも改善することが分かっている。

血中コレステロール値

 コレステロールは全身の組織の細胞に見られる重要な脂質である。コレステロールは肝臓で合成されるが、水に溶けないため血液中ではリポたんぱく質という物質と結びついた粒になって運ばれる。リポたんぱく質にはLDLとHDLの2種類があり、コレステロールを血管や組織に運ぶのがLDL。余分なコレステロールを肝臓に戻す働きをしているのがHDLだ。動脈硬化は、血管の内膜にたまったコレステロールの塊が起こす病気なので、いわゆる「悪玉」と呼ばれる LDLコレステロールが多すぎたり、「善玉」のHDLコレステロールが少なすぎたりするときが要注意である。メタボリックシンドロームの診断基準では HDLコレステロールの値が40mg/dl未満の人が要注意となっている。

中性脂肪

 体の中に存在する脂肪の一つ。人の体ではエネルギー貯蔵物質として利用されている。食事のとりすぎで余った糖質を材料にして肝臓で作られ、皮下脂肪や内臓脂肪に蓄積される。中性脂肪は多少高くなっても、すぐに体に悪影響が出るわけではないので、かつては健康管理上重要視されていなかったが、最近、血液中の中性脂肪が高いと動脈硬化の原因となることがわかり、メタボリックシンドロームの診断基準(150mg/dl以上)の一つにされている。なおアルコールの飲み過ぎも中性脂肪を高める要因になる。

脂肪肝

 肝臓に脂肪(とくに中性脂肪)が蓄積した状態。男性では40歳前後で多発する。食べ過ぎのほか、アルコールの飲み過ぎでも肝臓に中性脂肪がたまりやすいことがわかっている。しかも、最近、アルコールを飲まないのに脂肪肝を発症する人の中に、肝硬変や肝臓がんを発症する場合があることが明らかになり、非アルコール性脂肪性肝炎(通称NASH)として注目されている。

肝機能検査

 肝臓は、体の維持に重要なたんぱく質を合成したり、体の中の毒素を分解するなど重要な働きをしている。肝臓の機能を調べる血液検査として広く用いられるのがGOT(AST)、GPT(ALT)、γGTPなどの検査値だ。これらは肝臓の細胞の中にある酵素で、これらが血液中に多くあるときは、何らかの原因で肝臓の組織が破壊されていることを示す。

企業の健康診断や人間ドックで行われる血液検査結果の例。左欄には肝機能や血中脂質について正常値が掲載されている。ほぼ正常値だが、中性脂肪は食事などの影響を受けやすいため、大きく変動している。

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血圧
 血管の中の血液の圧力のこと。一般には動脈の血圧を示す。心臓が縮んで血液を送り出すとき(収縮期)の値(最高血圧)と広がるとき(拡張期)の値(最低血圧)を測定する。血圧が高い状態は動脈硬化を進めるため、若いうちから血圧の管理が必要だ。最高血圧が140mmHg以上が高血圧と診断されるが(日本高血圧学会)、健康管理上は120未満を目指すことが推奨されている。

体を動かす前にチェック —— トレーニング用語

基礎代謝

 人間の体は、何もせずにじっと横になっていたとしても、生命活動を維持するためにエネルギーを使っている。その量を示しているのが基礎代謝で、単位は kcalで表される。ちなみに厚生労働省『日本人の食事摂取基準』(2005年版)によれば、30〜49歳の男性の平均的な基礎代謝量は「基礎代謝基準値」22.3kcal/kgに体重(kg)をかけると割り出せる。

 例えば、体重65kgの人ならば約1450kcalが基礎代謝分となるわけである。そして、1日の食事で必要なカロリー量は、各人の身体活動の程度によって異なるが基礎代謝量の1.5〜2倍。それより多くとった分は体脂肪として蓄積されていく。逆にいえば、基礎代謝を増やせば食べても太りにくい体になるというわけだ。筋トレで全身の筋肉量を増やしたり、有酸素運動で心肺機能を向上させてエネルギーを使いやすい体にすることも基礎代謝アップにつながり、少しずつ楽に腹をへこませられる体になっていく。

有酸素運動

 常に酸素を消費しながら筋肉を収縮するエネルギーを得るような運動のことを指す。ジョギング、ウオーキング、水泳、自転車のように、体にある程度の負荷をかけながら長い時間継続して行う運動が有酸素運動だ。有酸素運動の特徴は、心肺機能を改善する効果があるほか、長時間持続的に運動するためエネルギーを得る過程で体脂肪を燃焼する働きがあること。そのためメタボリックシンドロームなどの患者では、体脂肪を減らすために有酸素運動の習慣が大切になってくる。

METs

 メッツ。運動の強さを酸素摂取量をもとに算出した値で、安静時に対して何倍に相当するかを示す。厚生労働省が発表した「健康づくりのための運動基準 2006〜身体活動・運動・体力〜報告書」では、スポーツだけでなく、通勤時の歩行や家事などあらゆる身体活動の強さをメッツで表し、3メッツ以上であれば掃除機がけなどの日常の動作も生活習慣病の予防に役立つと結論づけた(下左図)。ちなみに一般的な有酸素運動であるジョギングやエアロビクスは6メッツ、ランニングや水泳は8メッツとなる。これに相当する日常動作は雪かきが6メッツ、階段を上るが8メッツだ。

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日常動作の運動量
METs(メッツ)を用いれば、散歩や掃除など日常動作の運動の強度も表すことができる。なお、METsで表した数字に時間をかけるとExという単位になる。厚生労働省では3METs以上の動作で週に23Ex行うことを推奨している。

体幹

 人の体のうち頭、首、手足を除く部分。つまり胴体のことである。肺、肝臓、胃腸など重要な臓器が体幹の中に詰まっている。そして、体幹を包んでいる腹筋、背筋などは臓器を守るとともに、体全体のバランスを取り、走る、投げる、跳ぶなど、あらゆる動作の基礎となる重要な筋肉だ。エクササイズで体幹トレーニングを重視すれば運動能力がアップするうえ、仕事で椅子に座っているときにも働く筋肉なので基礎代謝量を大きくする働きがある。

インナーマッスル

 インナーは「内部の」という意味。インナーマッスルは、体の比較的深い部分にある筋肉のことである。厚い胸板を作る大胸筋や力こぶの上腕二頭筋など、体の表面にある筋肉(アウターマッスル)のように大きな力を出すことはできないが、腕や肩を滑らかに回すなど細やかな動作をスムーズに行うにはなくてはならない筋肉だ。特に関節の周囲には、インナーマッスルがたくさんあり関節の位置や細やかな動作を調節している。スポーツを上達させたり、関節のトラブルを予防するためには、インナーマッスルを鍛える必要がある。

腹筋群

 腹筋というと多くの人が、板チョコのように割れた格好いい腹直筋を思い浮かべるが、腹直筋は腹筋群の一部にすぎない。腹部には薄い筋肉が何層かに分かれて胸部の肋骨と骨盤を支えている(下図)。こうした筋肉全体を鍛えることは、内臓や背骨をガッチリと守り腰痛の予防にもつながる。

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腹筋群
肋骨から脚の付け根までの腹側には、膜のような筋肉があらゆる方向に張り巡らされている。腹を凹ますときには「魅せ筋」である腹直筋だけでなく腹筋群をまんべんなく鍛えてほしい。

ストレッチ

 関節を動かすことで目的の筋肉を引っ張って伸ばすエクササイズで、運動を行う前の準備体操などに使われる。誰でも知っているラジオ体操のように関節をリズミカルに動かすことで筋肉の伸長と収縮を繰り返す「柔軟体操」に対して、一般的にストレッチと呼ばれる「静的ストレッチ」は、目的の筋肉をゆっくりと伸ばし、適度に伸びたところで数十秒保持する方法である。ゆっくり伸ばす理由は、筋肉が急に伸ばされると脊髄からは逆に筋肉を収縮させようとする「伸展反射」が起こり、筋肉が十分に伸ばせないという考え方があるためだ。

レジスタンス トレーニング

 トレーニングマシン、バーベル、ダンベルなどを用いたウエートトレーニングのように、筋肉に一定の負荷をかけて行うトレーニングの総称。かつて生活習慣病の予防を目的とする運動としては主に有酸素運動が推奨され、筋トレは軽視されていたが、1990年にアメリカスポーツ医学会が有酸素運動にレジスタンストレーニングを併用した方が生活習慣病の予防効果が高いと方向転換したことで、この言葉が注目された。

スロートレーニング

 レジスタンストレーニングの方法の一つ。その名の通り、ウエートやマシンをゆっくりと動かして行う。筋肉に長い時間負荷をかけると、普段あまり使わない筋繊維にも刺激が伝わり、運動効果が上がりやすい。脂肪分解作用がある成長ホルモンの分泌も活発になる。負荷を大きくしなくてすむうえ、動作をゆっくり行うことで正しいフォームを保てる、反動を使うクセを矯正できるなどの利点もある。そのため最近では、中高年のレジスタンストレーニングに幅広く採用されている。「上げる」「下げる」などの各動作に3秒以上かけると効果があるという。

バランストレーニング

 姿勢を保つために重要な役割を果たしているインナーマッスルを鍛えるトレーニング方法。例えば、最近、地方自治体の健康教室などで広く行われているバランスボールエクササイズは、大きなボールの上に腰掛け骨盤を前後左右にグルグル回すもの。不安定な状態で姿勢を保つために、腹筋群や背筋など体幹のインナーマッスルが鍛えられる。このほか不安定なクッションを用いたり、片足立ちで動作を行うなど、さまざまな方法が考案されている。

見えないところで働く —— ホルモン用語

男性ホルモン

 男性では主に精巣から分泌され、筋肉の増強、性欲の亢進、気力・体力の向上などをもたらしていると考えられる。男性ホルモンは、20代をピークに年齢とともに少しずつ減少するほか、ストレスなどが原因で急減することもあり、倦怠感や性欲減少などの症状をもたらす。また男性ホルモンを作るもとになるのが DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)だ。DHEAは「ホルモンの母」ともいわれ、成長ホルモンや副腎皮質ホルモンなどの正常な働きを保つのに欠かせないが、加齢とともに減少することが知られている。

成長ホルモン

 動物の成長を促すホルモンで、脳の脳下垂体前葉という場所から分泌される。成長ホルモンは、成長期に骨を伸ばすのに必要なほか、成人でもたんぱく質の合成を促し筋肉量を保ったり、脂肪を燃焼させたり、精神活動を高めたりするのに役立っている。そのため、加齢により成長ホルモンの分泌量が減ると、気力・体力が低下したり肥満の原因になる。

セロトニン

 動物の体内にたくさん存在する神経伝達物質。特に腸内には豊富で、消化機能を調節している。脳内のセロトニンは、人間の精神活動に大きく影響している。最近では、脳内のセロトニンの不足が、睡眠障害、憂うつ気分などの原因になっていると考える研究者も多い。セロトニンはアミノ酸の一種であるトリプトファンから作られるが、食品でトリプトファンをとっても脳内には移行しないので精神的な効果は期待できない。

メラトニン

 睡眠と覚醒のリズムをコントロールしているホルモンで、脳の松果体(しょうかたい)から分泌される。朝、太陽の光を浴びると目の網膜を通じて松果体に情報が送られ、夕方近くなると分泌量が増加、自然の眠気などをもたらす。このことから「朝に太陽光」は体内時計を正常化するのに大切な役割を果たしていると考えられている。

最新研究で分かった —— さらに知りたいキーワード

活性酸素

 細胞内ではミトコンドリアと呼ばれる小さな器官が、酸素を用いてエネルギーを生み出しているが、このとき化学的に不安定な物質である活性酸素もたくさん作り出している。活性酸素には、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素など、いくつかの種類がある。活性酸素の多くは抗酸化物質により取り除かれるが、残った活性酸素がミトコンドリアなど細胞の機能に障害を与え、生活習慣病や老化の原因となる。

アディポネクチン

 人の脂肪細胞から分泌されるホルモン様のたんぱく質の一種。脂肪細胞から分泌される物質には善玉と悪玉があるが、アディポネクチンは善玉の代表。インスリンの効きを良くしたり、動脈硬化の進行を遅らせたりする。アディポネクチンを増やすには、内臓脂肪を減らしたり運動習慣を持つことが必要だ。

LOH症候群

 男性ホルモンの低下がもたらす体の不調を表す言葉で、男性更年期障害とも呼ばれる。最近、LOH症候群が注目されるのは、男性ホルモンが減ることで、生きがいを感じなくなったり、社会に適応できなくなるなどの精神症状をもたらす場合があるほか、筋力低下、頭痛などの身体症状も表れるからだ。LOH症候群を放置すると、がんや生活習慣病にかかりやすいという研究もあり、重症の患者ではホルモン補充療法を行うこともある。

GLUT4

 血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むためのたんぱく質(糖輸送担体)の一つ。GLUT4は、主に脂肪組織や骨格筋の細胞内に存在し、インスリンの働きで細胞表面に表れブドウ糖を細胞内に取り込む。有酸素運動などでGLUT4を増やせば、メタボリックシンドロームなどでインスリンの効きが悪くなった状態(インスリン抵抗性)をリセットできる。ブドウ糖が取り込まれ、血糖値を下げることにつながる。また、最近ではレジスタンストレーニングを行った後に、 GLUT4が細胞膜に表れ、インスリン抵抗性を改善することもわかってきた。

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GLUT4の働き
血液中のインスリンが高まると脂肪組織や骨格筋に存在するGLUT4が細胞表面に移動し、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込む。最近の研究で運動による筋肉への刺激でも同様の効果があることがわかった。

褐色脂肪

 体内にある脂肪組織の一つで、人間の場合、乳幼児のときに首や胸の中の大きな血管の周りにたくさん存在するが、大人では4割ほどに減る。褐色脂肪が注目されたのは、エネルギーを貯蔵する役割を果たす脂肪組織にもかかわらず筋肉細胞のように脂肪を燃焼し熱を作り出すことができるためだ。褐色脂肪を活性化すれば基礎代謝を高められる。運動効果と寒冷刺激の両方が加わる水泳に活性化効果があることが知られている。

GI

 グリセミックインデックスの略で、血糖値の上がり方を示す指標である。GI値が高い食品ほど食後の血糖値が高いため、低GI食品がメタボリックシンドロームの予防には適している。例えば、同じ炭水化物でも白米よりも玄米が、さらにスパゲティなどのパスタはGI値が低いことが知られている。

レプチン

 脂肪組織が作り出すホルモンで食欲と糖質代謝の調節を行っている。レプチンは食事を始めて20〜30分後に分泌される。まずは脳の食欲中枢に働いて、食料が十分に補給されたことを伝えるので食欲はしだいに治まってくる。同時に、脂肪組織には、脂肪を分解してエネルギー源として供給するのを促す働きをすると考えられている。いわば肥満予防に働くはずのレプチンなのだが、内臓脂肪が増えすぎるとレプチンが放出されすぎて体が麻痺。いつまでも食べ続ける体になってしまうことも分かってきた。メタボリックシンドロームの予防には内臓脂肪の量を落としレプチンの働きを正常に保つこと大切だ。

(文/荒川直樹、イラスト/三弓素青、佐瀬麻友子)

[NIKKEI TRENDY NET]

Posted by nob : 2013年01月19日 12:10

風邪と心の病にかかれる力は、、、まさに天賦の才。。。Vol.11

温まっている身体に、少し冷気があたるだけでもくしゃみが出ますし、そこで防寒しなければ風邪を引いてしまいます。

食べ過ぎ飲み過ぎは、胃腸を壊しますし、それは肌荒れや口内炎に、そして肥満にもつながり、気持ちも落ち込んでいきます。

心にストレスがかかれば、肩が凝り目も疲れますし、そして頭痛にもなります。

ストレスがかかり続けて、心が弱れば、さらに身体のあちらこちらに支障が生じ始めますし、その逆も然り、身体を壊せば、心にもさらなるダメージを与えます。

入り口はそんな日常の些細なことからでも、小さな症状がまた次の小さな症状につながり、それらが蓄積されて次第に身体を蝕んでいきます。

やさしく首筋や肩をマッサージをしたり、指先や各所の所謂ツボを刺激してみれば、あるいはストレッチ体操や入浴などで身体を柔らかく温めてみるなどしてみれば、まだ症状の出始めの段階であれば、たちどころに解消してしまうことすらありますし、根気よく継続していれば、それだけ身体は着実に回復していきますし、心をリラックスさせることもできます。

Posted by nob : 2013年01月17日 23:19

真紀子さんの二の舞。。。

■「橋下市長は分かっていない」募集停止に在校生から悲鳴

 大阪市立桜宮高校バスケットボール部主将の男子生徒=当時(17)=が顧問(47)の体罰を受けて自殺した問題で、橋下徹大阪市長(43)は16日、体育系2科の募集を中止する意向をあらためて強調した。これに対して同校の生徒らからは「やりすぎ」「橋下市長は分かっていない」と反発の声が上がるなど、波紋が広がっている。

 「先生の体罰は問題だけど、生徒はみんな一生懸命だった。橋下市長は分かっていない」

 “橋下批判”を口にするのは同校普通科の女子生徒。この女子生徒は「体育科への進学を希望していた中学生がかわいそうだ」と後輩が“とばっちり”を受けることも指摘する。

 渦中の体育科の生徒からも批判的な意見が聞かれた。体育科1年で剣道部に所属する女子生徒(16)は「体育科は学校の特色で大事な存在。予定通り入試をしてほしい」と話す。

 続けて「部活動も活動停止になりみんな困っている。生徒は悪くないはずなのに」と戸惑った表情を浮かべた。

 体育科が同校の看板のひとつになっていることは生徒らも認識しているようで、別の普通科の女子生徒も「スポーツの評判が高かったのだから、体育科あっての桜宮高校だと思う。中止は考え直してほしい」と訴えた。

 さらに、市教育委員会には16日、同校に受験を予定している中学生の保護者や在校生、一般市民らから電話やメールが殺到した。

 「受験生は悪くないのに影響を受けるのはおかしい」「この時期の中止は受験生の混乱が大きい」「子供たちの夢をつぶすようなことはやめてほしい」

 50件以上の意見の大半は反対の声。そのほかに在校生の保護者からは同校の存続を心配する声もあったという。

 市教委は入試が中止となれば体育系学科の定員を普通科に振り替える方針だが、体育系学科と普通科では受験科目が異なり、受験生の混乱は必至だ。

 こうした状況に対して橋下氏は16日、「桜宮高を目指して頑張ってきた受験生、保護者の気持ちはよく分かるが」としながらも、「これまでの生徒、保護者の意識の積み重ねで桜宮高の体育系クラブの伝統が築かれてきた」と主張。

 「入試をやめて校風、体質をいったんゼロにしないと新しい生徒を迎えるわけにはいかない」と強調しており、あくまでも考えを変えない構えだ。

[産経新聞]

Posted by nob : 2013年01月17日 09:11

拍手っ!!!

■芥川賞に最年長75歳! 黒田夏子さんの「abさんご」 

 第148回芥川、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は史上最年長となる黒田夏子さん(75)の「abさんご」に決まった。直木賞は戦後最年少で、芥川賞を含め初の平成生まれの朝井リョウさん(23)の「何者」など2作品。記念撮影では、史上最大の年齢差52歳の2人が、恥ずかしそうに肩を寄せ合った。

 会見では、「等伯」で直木賞に輝いた安部龍太郎さん(57)を含む3人がそろった。緊張気味の黒田さん、朝井さんにカメラマンが「もっと寄ってください」「握手してください」と注文。2人は一瞬目を合わせ、その後、恥ずかしそうに肩を寄せ合い、手を重ねた。

 黒田さんは、1974年に61歳で芥川賞に決まった森敦さんの記録を大幅に更新。「今回、私の75歳がずいぶんと話題になっているようですが、年齢は意識していません。子供のころから(文章を書くという)同じことをやっているだけですから」と話した。孫のような朝井さんには「一緒に受賞できてありがたい思いでいっぱい」と笑顔。「朝井さんの手の感触は?」と問われると「あはははは」と大笑い。「お仲間の手でした」と、年齢が離れていても同じ作家であることを強調した。

 会社員1年生の朝井さんも「年齢は関係ないです」。ただ、黒田さんの手に触れて「パワーをいただけた気がします。私もこれから何十年も、ものを書いていけそうです」と敬意を表した。

 黒田さんの受賞作「abさんご」は横書きで、固有名詞やかぎかっこを使っていない。平仮名が多く、読点の「、」は「’」。蚊帳のことを「やわらかい檻(おり)」、傘のことを「天からふるものをしのぐどうぐ」と表現する型破りな小説。何年もかけ一作をじっくり仕上げる手法で、「私が生きているうちに見つけてくださって(選考委員には)感謝します。次回作は、10年もかけたら生きてるかどうか分かりませんね」と話して笑わせた。

 取材に訪れていたインターネットの動画サイト「ニコニコ動画」について黒田さんは「ごめんなさい、知りません」、朝井さんは「大好きです、見てます」。

 「終戦時は小学3年生だった」という黒田さんに対し、平成生まれの朝井さん。ギャップを感じさせる場面はあったが、「本を出し続けていきたい」と口をそろえるなど、芥川賞作家、直木賞作家としての決意は同じだった。贈呈式は2月下旬、東京都内で開かれる。

  ▼芥川賞選考委員堀江敏幸氏の話 受賞作は、本来なら縦で書けば読みやすくできている平仮名を横書きにし、平仮名の暴力性と荒々しさをあえて選んでいる。漢字で書くべきところを平仮名で書き、読みにくさによって読者を立ち止まらせる。題材と手法のバランスも取れており、言葉の力を見せてくれた。

[スポニチANNEX]

Posted by nob : 2013年01月17日 07:15

私が倒れても死んでも、、、

この人を生かすことのほうが世のため人のため、、、

そんなふうに思える人達を支援するのが私のビジネススタイル。。。

Posted by nob : 2013年01月15日 06:10

原発なくともそれでも足りる、、、今こそ再生可能自然エネルギーにシフトしていくための具体的アクションの時。。。

■「家ごもり」で使用電力最大=東電管内

 関東地方が大雪となった14日、東京電力管内の使用電力は午後5時台に今冬最大となる4652万キロワットに達した。東電は「降雪で寒くなり、外出を控える『家ごもり』でエアコンの使用が増えた」とみている。

 東電の午後5時台の供給力は4919万キロワットで、予備率(供給余力)は5.7%あったため、他の電力会社から電気を融通してもらう状況にはならなかった。

[時事通信]

Posted by nob : 2013年01月15日 05:59

いつの話やら、、、やる気なしと言っているに等しい。。。

■使用済み核燃料、48年に最終処分場 米エネルギー省が新方針

 米エネルギー省は、原子力発電所から出る使用済み核燃料について、2048年に最終処分場を建設し、地下に埋めて処分するという方針を明らかにした。米国では日本などと同様、使用済み核燃料の処分が大きな課題となっている。東京電力福島第1原子力発電所事故後、同燃料の安全性をめぐる不安が高まっているため、オバマ政権として一定の方向性を打ち出した。

 ただ、今回の方針をまとめた文書には具体的な建設場所は明記されておらず、課題を残した。オバマ政権は09年、地元の反対などを理由に西部ネバダ州のユッカマウンテンに最終処分場を建設する計画を白紙撤回している。

 エネルギー省によると試験的な中間貯蔵施設を21年までに建設し、既に運転を停止した原発にある使用済み燃料を受け入れる。25年にはさらに大規模な施設を造った上で、48年までに最終処分場を建設、同燃料を地下に埋めて処分する。(ワシントン=共同)

[日本経済新聞]

Posted by nob : 2013年01月14日 21:10

似て非なるもの Vol.44

つくったものとできたもの


つくったもの

強そうであってもあながち脆い


必然的要因から

あるいは様々な人的背景によって

たまたまできたもの

そのように見えなくとも

その実強くそして普遍的価値も高い

Posted by nob : 2013年01月09日 14:45

文化の扉は勇気という鍵で開く。。。

■「ヨイトマケの唄」も放送禁止だった 自主規制が名曲を殺す音楽業界

 昨年末のNHK紅白歌合戦で美輪明宏が披露した名曲『ヨイトマケの唄』が、ネット上で話題になっている。1964年に生まれた同曲は、戦後の激動の時代を貧しく苦しくとも互いにかばい合って生き抜いた母子の絆を描いた歌。黒のシンプルなスーツの“男装”で現われた美輪が、身ぶり手ぶりを交えて歌いきると会場は水をうったように静まり、その圧巻のステージに多くの人々が感動した。

 ネット上でも反響は大きく、Twitterでは絶賛の嵐が巻き起こり、普段は罵詈雑言であふれている「2ちゃんねる」も紅白のスレッドが美輪を褒めたたえるコメントで埋め尽くされた。リアルタイムで聴いていた世代はもちろん、曲の存在すら知らなかった若い世代の心も動かしたようだ。1月1日午前のGoogle急上昇ワードランキングで「ヨイトマケ」が1位になっており、goo音楽歌詞デイリーアクセスランキングでも同曲がトップに立っている。

 同曲は紛れもない名曲であるが、「放送禁止歌」の代表的楽曲という側面も持っている。題名や歌詞に「ヨイトマケ」」「土方」といった差別用語とみなされる言葉が含まれており、かつては日本民間放送連盟によって「要注意歌謡曲(通称・放送禁止歌)」に指定されていた。要注意歌謡曲は差別用語のみならず、わいせつ性や政治的配慮、暴力表現、果ては「過激すぎる」という曖昧な理由でも指定され、ピンク・レディーの代表曲『S・O・S』も冒頭に救助要請のモールス信号がサンプリングされているという理由で一時放送禁止扱いになっていた。

 この制度は1983年に廃止されたが、その後も現場の事無かれ主義が招いた「自主規制」という実態のない呪縛により、民放では『ヨイトマケの唄』が封印されてきたという事実がある。だが、2000年に桑田佳祐がテレビ番組でカバーを披露し、若い世代を中心に「桑田が歌ったあの歌は何だ?」と大きな話題になると解禁ムードに。同年にNHKで美輪本人がフルコーラスを歌唱し、民放各局でも流されるようになった。

 近年、こういった「放送禁止歌」にスポットが当たり、今まで接する機会がなかった世代から大きな反響が巻き起こるというケースは増えている。

 放送禁止歌の代名詞といえるフォークの神様・岡林信康の『手紙』(1970年発売)は、部落差別によって恋人と引き裂かれた女性の心情を歌った名曲だったが、タブーを扱っているとして放送禁止となった。以来、メディアで流れることはなかったが、ドキュメンタリー作家・森達也氏が自身の番組「放送禁止歌」でフルコーラスを流し、その美しいメロディーと心に響く歌詞に初めて触れた若い世代に強烈すぎるインパクトを与えた。

 フォークシンガー・高田渡(故人)の『自衛隊に入ろう』(1969年発売)は、自衛隊を痛烈に皮肉った歌詞で当時人気となったが、反体制運動を助長するとして放送禁止扱いに。だが、2001年にガガガSPがセカンドシングルのカップリングとしてカバーし、再び脚光を浴びることになった。最近も反戦歌として多くのアーティストに歌い継がれている同曲だが、高田本人は「今の時代に、この曲を歌うのは違う」とカバーに否定的だったとされている。高田にしてみれば、昔の歌の焼き直しではなく、時代に合った新たな反戦歌が生まれてくれることを願っていたのだろう。

 1968年に生まれたザ・フォーク・クルセダーズの『イムジン河』は、朝鮮半島の南北分断をテーマにした名曲として初演から話題となったが、「歌詞の内容が南(韓国)寄りすぎる」として朝鮮総連などから抗議された。同年にシングル盤として発売される予定だったが、政治的配慮によって発売自粛が決定し、メディアでも流されることはほとんどなかった。だが近年、放送禁止歌にスポットが当たったことで同曲にも注目が集まり、2002年に34年の歳月を経て初めてシングルCDとして発売され、オリコンチャート最高14位を記録した。さらに、05年の映画『パッチギ!』で劇中曲に使用され、その存在は若者にも知られるようになった。

 80年代には、忌野清志郎(故人)らが所属したRCサクセションの替え歌アルバム『COVERS』(1988年発売)が物議をかもした。反核・反原発ソングとして作られた『ラブ・ミー・テンダー』の「放射能はいらねえ、牛乳を飲みてぇ」といった歌詞や、『サマータイム・ブルース』の「原子力発電所がまだ増える 知らねえ内に漏れていた」などという歌詞がレコード会社に問題視され発売中止が決定。レコード会社を変えてリリースするという強硬手段で話題になった。これらの曲も長らくメディアではほとんど流れなかったが、一昨年の福島第一原発事故によって注目度が急上昇。ラジオのリクエストが急増し、通販サイト「Amazon」のランキングで上位に入るなど、20年以上前のアルバムとしては異例の売上を記録した。

 これまで挙げた曲以外にも数多くの放送禁止歌が存在したが、「要注意歌謡曲」の指定は扱いに注意すべきという目安でしかなく、強制力はなかった。だが、現場の「これに従っておけば責任は免れる」という安易な自主規制によって、多くの名曲たちが日陰扱いされたというのが実情だ。現在は「要注意歌謡曲」の制度も廃止され、世の中に放送禁止歌は存在しないことになっている。しかし、現場の自主規制は強まるばかりで、これに合わせて作り手側も過激な表現を避ける傾向になっていることは否めない。

 「最近は骨のある歌が減った」と嘆いている音楽愛好者は多いが、音楽業界や放送業界がクレームや圧力を恐れるあまり、事無かれ主義に陥っている現状が一因になっているのは確かだろう。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)

[メンズサイゾー]

Posted by nob : 2013年01月09日 12:42

風邪と心の病にかかれる力は、、、まさに天賦の才。。。Vol.10

そして、貴方は、日々の暮らしの中で、貴方の身体と対話することができていますか?


疲れ、こり、痛み、痺れ、腫れ、乾き、、、など外的な、

また、咳、熱、嘔吐、下痢、冷え、、、など内的な、

身体も、様々なメッセージを伝えてきます。


それらのサインに気付かず、あるいは我慢してしまうなど、放置したとしても、

私達には自己免疫力や治癒能力が備わっていますし、

若ければ、あるいは鍛錬すれば、それだけ力も強くなりますから、

時間を置けば、大抵の不調は自然治癒されてしまいます。


ところが、心も身体も、一定の治癒能力の限界を超えてしまった途端に、重篤な病となって私達を襲ってきます。

それに、一旦治癒したとしても、実は治癒したつもりになって気付かないでいるだけだったり、

また再発させる傷跡や抗原を残していたりもするものです。

Posted by nob : 2013年01月07日 15:25

言えてます。。。

■不幸な人生をおくる10の方法
松井博

Personal Excellence っていうサイトに出ている、「確実に不幸な人生を送る10の方法」(How To Be Unhappy: 10 Surefire Ways To Be Unhappy in Life)という記事がなかなか秀逸なので、適当に意訳して紹介したいと思います。

(と言って適当に書いたものを読み直してみたら、原文とは似ても似つかないほど適当なものになりました。別物だと思って読んでください)

誰もが幸せになりたいと願いつつ、知らず知らずのうちに「不幸になる生き方」をしているものです。 私自身もこれを読んでみたらけっこう思い当たるフシがありました。 中には自分には当てはまらないと思っていても、無意識にやっていることもあるかもしれません。 それではリストご紹介です。

1.不平不満を漏らす
期待通りに物事が進まないと、ついブーブー言ってしまうものです。 仕事が多過ぎる、上司が最悪、天気が悪い、道が混んでいる、時間通りに電車が来ない……。ネタなんていくらでもあります。

スムーズにすべての物事が運ぶなんてハッキリ言って稀ですから、適当に流したほうがどう考えても楽です。 でもね、口癖のようについ文句を言ってしまう。そんなことありませんか? 私なんてしょっちゅう言っています。

2.抱えている問題から目を背ける
本当は取り組まなければ問題から、眼を背けてしまう……。よくあることなのではないかと思います。 他の用事に手を付けたり、ガールフレンドを乗り換えたり、問題そのものを先送りにしたり……。

しかし問題から目を逸らしたところで、別に問題が消えてなくなるわけではありません。そしてその問題はずっと追いかけてくるんです。あの時に勉強しなかった自分、面倒くさい人間関係から逃げ回ったあの頃……。結局は逃げ回ったことに捕まり、後で倍も苦労しました。身につまされます。

3.自分を他人と比較する
あいつのほうが出世している/金持ちだ/才能がある/運がいいなどなど、ついつい自分と他人とを比べてしまうものです。

他人と比べたところで別に自分を取り巻く状況が良くなるわけじゃありません。どっちかっていうと惨めになるがオチです。でもね、ついついやってしまいがちですよね。

4.まだ起きてもいないことに気を揉む
まだ起きてもいないことをついつい心配することってよくあることです。 ビジネスに失敗したら? デートがうまくいかなかったら? プレゼンがうまくいかなかったら? 受験に失敗したら? 合コンで相手にされなかったら?

人類はこれまで悲観的な予測を立て、未然に備えることで繁栄してきたような部分がありますから、ある程度は本能のようなものでやむを得ないでしょう。ただ何事も過ぎたるはなお及ばざるがごとし。必要以上に悲観的な予測をたて、行動そのものをヤメてしまったりしたら、元も子もありません。

5.抱えている問題に押しつぶされてしまう
問題を抱えていない人なんていません。一見成功しているように見える人でも色々と問題を抱えているものです。ただそうした人は、問題の適切な処理方法を身につけていることが多いのではないでしょうか?

問題を乗り越える方法は色々ありうるでしょう。自分自身が成長する/助けを求める/解決方法を学習する/問題をひとつずつ処理する/大きな問題は小さな問題に分解して攻略する……などなど。

問題を必要以上に大きなものとして捉えないことが大きな鍵なのかもしれません。

6.好きでもないことをやる
好きでもないことをやり続けていると段々腐ってきます。スティーブ・ジョブズも伝説のスピーチで言っていました。

「毎朝鏡を見るとき、自分に問いかけるんだ。今日がもし人生最後の日だとして、今日これからやろうとしていることをやりたいだろうか?」
「答えがノーの日が何日も続くようなら、他にやりたいことを探すべきだ。」

自分の人生の主人公は自分自身なんです。私はこのスピーチを聴いて、転職の決意ができました。

7.ためにならない人間関係を続ける
残念ながら、ためにならない人間関係ってあります。つるみたくもない相手と惰性でつるんでいたり。こうした関係は風通しを悪くし、やがて足を引っ張り始めるものです。

自分の価値を下げる人間関係
あなたの意見を尊重しない人たち、あなたの好意を当然のことだと思っている友人など。こうした人たちと果たして本当につるむ必要があるのか、よくよく考えてみたほうが良さそうです。

マイナス要素を引き寄せる関係
サゲマン/サゲチンみたいなもんでしょうか?関係を続けると運が逃げていくような相手。エネルギーを吸い取っていくパートナー。こういう関係は要注意です。

ゴールを遠ざける関係
真面目にゴールに向かって努力しようとしている時に、チャチャを入れたり足を引っ張ったりして、かえってゴールを遠ざけたり、やる気を失わせる友だちや恋人。考え直したほうがいいかもです。

もはや愛し合えないパートナー
あなたのことをもはや愛していないパートナー、あるいかつてのように愛せないパートナー。一緒にいてもお互いの不幸感を高め合うだけかもしれません。

続けていると度々腹が立ったり、ガッカリしたり、楽しくなくなったり、失望させられたり、フラストレーションがたまる関係は、一度見直してみるべきではないでしょうか?

8.他人を変えようとする
他人を自分の思う通りに変えることなんてそうそう出来ません。自分の子供や配偶者ですらほとんど不可能です。仮に変わるとしても、その本人が変わろうと思ったから変わるわけで、他人がとやかく言ってもなかなか変わるものではありません。

他人を変えようとすればするほど、フラストレーションが溜まり、イヤな気持ちになっていきます。

だいたい自分を変えるのですら至難の業なのに。他人を変えようなんておこがましいにもほどがあるような気がします。

9.他人を満足させようとする
他人を満足させようとするぐらい虚しい事はありません。例えば親を満足させたいとしましょう。

いい成績をとれば親が満足するかな。と思って一生懸命勉強すると、次にはいい学校に入れと言い出します。さらに一生懸命勉強していい学校に入ると、今度はいい会社に入れです。そしていい配偶者を貰え、早く孫の顔見せろとか。

こうして自分の幸せや価値観を他人の手に委ねていいものでしょうか? そもそも他人を満足させるなんて不可能ですし、こんなことをしているうちに誰の人生だか分からなくなってしまいます。

勉強をしたけりゃ自分で自分のためにすればいいんです。言われてやることじゃありません。

10.自分の価値観を、ゴール/結果/物事/社会的地位/他人と一体化させる
世の中不変のものなんてありません。

いい会社で偉くなって高い地位に就いても、会社が倒産したり、リストラに遭えばタダの人です。そんなときに自分の価値を会社や地位につよく結びつけていると、ショック倍増です。社会的地位なんてまあ飾りみたいなもんだと言う醒めた感覚、非常に大事なのではないでしょうか?

またどんなにカネを稼いでもあの世に持っていけるわけではありません。信頼するパートナーだって不変の愛情なんて存在しませんし、また死別するかもしれません。将来の夢などにあまり自分を強く結びつけると、それが叶わなかった時に惨めなものです。

諸行無常ですね。夢を持つのが悪いとは思いませんが、そういったものに依存しすぎないよう、醒めた感覚も大切なのではないでしょうか?

以上が「不幸な人生を送る10の方法」でした。

私にとってはなかなか身につまされる項目が多かったです.みなさまはどうでしょうか?

[BLOGOS]

Posted by nob : 2013年01月06日 23:58

背景と思惑がいかなるものであれ、、、対話と交流は是。。。

■米前州知事ら今週訪朝、グーグル会長も同行 「私的で人道的使命」米国人解放要求か

 【ワシントン=犬塚陽介】米民主党のリチャードソン前ニューメキシコ州知事は5日、声明を発表し、6~12日までの間に北朝鮮を訪問すると発表した。インターネット検索最大手グーグルのエリック・シュミット会長らも同行する予定で、訪朝は「私的で、人道的な使命」としている。

 北朝鮮では米国人のペ・ジュンホ氏が「反共和国敵対犯罪」の罪で当局に拘束されており、リチャードソン前知事が解放を働きかける可能性が高い。核開発や長距離ミサイル発射でも意見交換するもようだ。

 訪朝をめぐっては、米国務省のヌランド報道官が3日の記者会見で、実質的な長距離弾道ミサイルの発射実験直後であることを理由に「有益だと思わない」と不快感を表明。政府当局者は同行せず、オバマ政権の「メッセージを携えていくわけではない」と強調していた。

 リチャードソン前知事は10日に北京の空港で取材に応じるとしている。

[産経新聞]

Posted by nob : 2013年01月06日 23:23

風邪と心の病にかかれる力は、、、まさに天賦の才。。。Vol.9

貴方は、普段、貴方自身の内なる心の声に耳を傾けることができていますか?


貴方の心は、誰のものでもない、貴方自身のものです。

ですから、貴方にしか、貴方の心の囁きや語りかけはもちろん、ましてや叫びなど聞こえはしないのです。


他人の瞳に映る自分自身から離れて、目を瞑り、静かに意識を集中して、自らの心の奥底に耳を傾けてみてください。

これは、誰にでもできて当然のことながら、実際にやってみると実に難しいものです。

しかし、はじめは何も聞こえなかったり、途切れ途切れの囁きでしかなくても、

喜び、楽しみ、悲しみ、怒り、憤り、羨み、妬み、嫉み、哀れみ、迷い、不安、怖れ、、、など、昇降陽陰様々な内なる心のメッセージを、毎日耳を傾け続けていさえすれば、やがて明瞭に感じてとることができるようになります。


誰しもが、見栄や欲望やその時々の都合やら様々な雑念から、常に自身自身をも欺かんとするのが常ですが、心の内なる奥底の心の声はいつも正直であり続けているのです。


Posted by nob : 2013年01月05日 11:33

貴女もですか(溜息)、、、諦めずにやり通してこそはじめて途は開かれるのに。。。

■嘉田知事、未来代表を辞任「県政に専念」

 嘉田由紀子滋賀県知事(62)は4日、政治団体「日本未来の党」の代表辞任を正式に表明した。県職員への年頭あいさつで「代表を後任に譲る。県政に専念できる体制を作りたい」と話した。代表は社民党から合流していた阿部知子衆院議員(64)が引き継ぐ。

 記者会見では辞任理由について、県議会が昨年末に可決した知事と党役職との兼務解消を求める決議を挙げ、「大変大きかった。知事の職務を全うする姿勢を示すことが、県政の安定につながると判断した」と説明。2014年の任期満了まで知事を続けることを強調した上で、今後の国政への関与については「恒常的には考えていない」と話した。

 嘉田氏辞任について、日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長は、「非常に残念だが、それが政治の現実。足元からリスクを取って、もう一回、チャレンジしてもらいたい」と話した。

[スポーツ報知]

Posted by nob : 2013年01月05日 09:27

風邪と心の病にかかれる力は、、、まさに天賦の才。。。Vol.8

パニック障害の対策、


まずは、一切の薬剤を絶つことから、

ここからしか、最初の一歩は踏み出せません。


そして、直接的には、何と言ってもセロトニンの分泌を高めることです。

そのためには、太陽光・呼吸・リズム運動が基本、

そんなわけで、早寝早起き、早朝の体操とウォーキング、食習慣の改善などなど、

一つ一つについては、これからこのページでまとめていきますが、

様々なこれまでの生活サイクルとスタイルの中にはなかった健康的な習慣を新たに採り入れることで、

心の不調の療養の過程で、

もともと食べ道楽呑み道楽で、高くなりがちだった中性脂肪や悪玉コレステロールの数値もすっかりと下がるなど、

身体の健康状態も目に見えて改善していきました。

まさに、心と身体は一つに繋がっているのです。

Posted by nob : 2013年01月02日 07:37

知恵や工夫の共有による自助互助介護の時代。。。

■[ケアを考える]介護の経験「隠れた財産」

 認知症の人を介護する家族の経験や知恵を、ほかの介護者の負担軽減に生かそうという取り組みが注目されている。経験者だからこそできる実践的な助言や工夫といった「家族の力」に、大きな期待が寄せられている。

知恵や工夫 共有で支援

 愛知県大府市の国立長寿医療研究センター。認知症診療を担う「もの忘れセンター」で11月、認知症の人を介護する家族約20人を対象に、基礎的な知識を伝える「家族教室」が開かれた。認知症の義母、淑子(とし)さん(82)と同居して介護する水谷令子さん(53)が講師として招かれ、「デイサービスを拒んでいた義母が利用するまでの道のり」を語った。

 5年前、アルツハイマー型認知症と診断された淑子さんは、主治医からデイサービスの利用を勧められたが、「施設なんて、行かなくてもいい」と拒んだ。家でも、外出する際も、いつも行動を共にしたがることが負担になり、令子さんはどうすればデイサービスを利用してくれるか悩んでいた。

 淑子さんはプライドが高く、高級感があるものや清潔なものが好きだ。家庭菜園を50年続け、土をいじる時は生き生きとする。そこで、5か所見学し、高級旅館のような名称を持つデイサービスを見つけた。足湯も備え、雰囲気が明るい一方、プランターで栽培中の野菜は元気がなかった。

 令子さんは「野菜の栽培を指導する先生」という立場なら通えるのではと思い、ケアマネジャーに相談。施設長と共に自宅に来てもらい、「先生として施設に来てほしい」と本人に依頼してもらった。淑子さんは週1回、喜んで通い始め、枝豆の植え付けから収穫までを担当。今では週4日ほど通い、笑顔で帰宅する。

 令子さんは「本人の性格や得意技を知ることで、本人に合った施設を探せた。施設での役割があったお陰で、自信にもつながった」と話した。

 教室に参加した間瀬みよ子さん(74)は、介護する夫(79)が一度デイサービスに行ったきり、通わなくなった経験がある。「話を聞いて、自分にもできることがあると分かったのが、収穫です」と話す。家族教室を担当する看護師の住垣千恵子さんは「生活の場で導き出されるアドバイスには親近感があり、介護者自身が自分たちも頑張ろうと前向きになれる」と語る。

 国立長寿医療研究センターでは、家族教室とは別に、介護者をサポートできる人材の養成講座を、今年度から始めた。対象は、介護経験がある家族で、水谷さんもその一人。「家族の力を借りて、介護者の負担軽減につなげる」(遠藤英俊・内科総合診療部長)のが狙いだ。

 月1回ペースで計7回開かれた講座では、看護師らの司会進行で、対応に困った場合の望ましいケアについて議論した=表=。介護者を支援する際の心構えを語り合った際には、「相手を批判しない」「あいまいな知識を伝えない」「おせっかいにならないようにする」などの意見が上がった。

 同センターの鳥羽研二病院長は「介護で直面する困難を克服してきた家族の経験は『隠れた財産』で、継承し、共有すべきだ。ユニークな解決法や失敗談を、いま介護で悩んでいる人のために生かす取り組みのモデルを作りたい」と意気込む。

 介護経験者が、家族会などで、知恵や工夫を伝える動きは全国各地で広まっている。だが、病院内で体系的に人材を育て、介護者支援に生かす仕組み作りは珍しい。

 NPO法人「介護者サポートネットワークセンター・アラジン」の牧野史子理事長によると、医療・介護の専門職の助言を「上から目線」と感じる家族もいる。介護の仕方を評価されたり、指導されたりするのを恐れ、本音を話せない場合もあるという。「その点、家族なら共感を持って聞いてもらえる。介護者の会や自治体などが協力して研修会を開き、地域で人材の養成や普及に取り組むことが重要だ」と牧野さんは話している。(野口博文)

家族が考えた望ましいケア
【自宅で入浴を嫌がる場合】
・「毎日、自宅で入浴」にこだわらず、週1回でもいいと思う
・理髪店や銭湯を利用してみる
【一緒に出かけた親族宅で、帰宅したがる場合】
・できるだけそばにいて1人にしない
・食事の準備をしてもらうなど、自宅と同じように過ごせる環境を作る

[ヨミドクター]

Posted by nob : 2013年01月01日 11:53