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言わずもがな。。。(溜息)

■ 福島第1原発 1号機注水9割漏出か 現場、水圧で認識

 東京電力福島第1原発事故で、電源喪失後に1号機原子炉へ注入した冷却水の約9割が途中で漏れていた疑いのあることが、東電の社内テレビ会議の録画映像で分かった。現場は消火栓の吐出圧で漏出を認識していたとみられる。原子炉へ水が十分入らなかったため2011年3月20日から22日にかけて炉心損傷が進み、放射性物質の拡散につながった可能性がある。

 東電は11年3月12日から、建屋の消火設備ラインを通じて原子炉へ注水していた=図=。

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 テレビ会議映像によると22日午後1時半ごろ、吉田昌郎所長(当時)が本店に「1号機の注水ラインをチェックしたら、途中にある消火栓で吐出圧が0.1メガパスカルしかない」と報告。「1メガパスカルで注入しているのに途中で0.1メガパスカルということは、流出しているとしか考えられない」と述べた。

 東電は消防車の送水圧力から原子炉への注水量を算出、公表しているが、吉田所長の発言は送水のほとんどが途中で漏れたことを意味する。

 東北大流体科学研究所の円山重直教授(熱工学)は、原子炉の温度や圧力のデータから「1号機は20日から22日、3号機は21日から23日ごろにかけて水がほとんど入らず、空だき状態だった。入った水もすぐに蒸発した」と分析。「格納容器の破損した部分から蒸気とともに放射性物質が大量に出ていた」と指摘する。

 国立環境研究所の計算では、3月20日に放出された放射性物質が風に乗って宮城県北から岩手県南に到達。雨と一緒に地上に降ったとされる。東電は20日以降の放射性物質の漏えい量と原因を「未解明」としている。

 1号機は20日午後、原子炉圧力容器周辺の温度が400度近い高温と判明。原子炉へ注水できていないと考えた現場が注水ルートを調査していた。22日朝には原発内で「1号機の炉心損傷割合がここ数日増えている。水が入らずカラカラの状態の可能性が高い」との報告があった。

 東電の姉川尚史原子力設備管理部長は「注水量に不確実性があることは認識している。今後、当時の炉の状態と放射性物質の拡散状況を明らかにしたい」と話している。

◎全映像公開こそ責務/放射性物質拡散解明の鍵

 東京電力福島第1原発事故で、1号機原子炉への注水が機能していなかった疑いが浮上した。放射性物質の広域拡散につながった可能性のある問題で、詳細な調査が必要だ。

 東電が事故直後に公表したデータでは2011年3月20日ごろから、1、3号機で注水量が激減していた。東電は11年9月、送水元だった消防ポンプの流量計の値を基に注水量を上方修正し、大量の水を入れたと発表した。

 テレビ会議映像に残る吉田昌郎所長(当時)の水圧に関する発言は、修正前の注水量が実態に近かったことを示す。ほかにも東電が格納容器の損傷を早い時期に認識していたことを示すやりとりがあり、テレビ会議の映像は事故の詳細分析に役立つ資料だ。

 東電は、社員のプライバシー保護を理由に映像の一部しか公開していない。多くの人がチェックできるようにして、さまざまな視点から検証を求めることが、事故を起こした企業として当然の責任ではないか。

 自ら積極的に調べたり公開したりする姿勢に欠ける東電。「事故を反省し世界トップレベルの安全文化を有する組織に生まれ変わる」(広瀬直己社長)と強調しても、そうした体質を根本から変えない限り企業としての再生はあり得ない。
(解説=報道部・末永智弘)

[河北新報社]

Posted by nob : 2013年03月31日 23:22

未知の必然。。。

■空飛ぶ円盤の存在記したFBI資料に注目、ロズウェルとの関係は?

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(CNN) 空飛ぶ円盤3機が米ニューメキシコ州で回収された――。過去のそんな証言を記した米連邦捜査局(FBI)の資料がネットで注目を浴び、これまでに100万人以上が閲覧している。FBIはこのほど、「ロズウェル事件」との関連についての新たな注釈を付け加えた。

注目の的になったのは、ワシントンの特別捜査官ガイ・ホッテル氏が1950年に記した「空飛ぶ円盤」という見出しの資料。「空軍の調査官の話では、いわゆる空飛ぶ円盤3機がニューメキシコで回収された。形は円形で中央が盛り上がり、直径約50フィート(約15メートル)。それぞれに、人間の形をしていながら身長が3フィート(約90センチ)しかない3体が乗っていた」と記されている。

この3体についてはさらに、「非常に滑らかな金属の衣類を身に着け、それぞれテストパイロットが使う耐Gスーツのようなものを巻いていた」との描写がある。

円盤がニューメキシコで見つかった理由については「政府はこの地域に極めて高性能のレーダーを配備していた」「このレーダーが円盤の制御メカニズムに干渉したと思われる」としている。

FBIはこの件について、それ以上の行動は起こさなかった。

この資料は1970年代に公開され、2011年にはネットに掲載されてメディアも注目。英大衆紙のサンは、ニューメキシコ州のロズウェルに宇宙人が着陸していたことが裏付けられたと報じた。

しかしFBIは書き加えた注釈の中で、この資料の日付について、ロズウェルに宇宙人が着陸したとされる年の3年後の日付だと指摘、「この2つを関連付ける理由はない」とした。

FBIが公開した資料のうち「説明できない現象」の項には、このほかにも未確認飛行物体や宇宙船の破片、宇宙人の着陸などを目撃したという記録が数百ページにわたって記されている。

[CNN]

Posted by nob : 2013年03月30日 11:50

そのとおり!!!Vol.23、、、歴史に残る大仕事をもう一つ、稲盛氏には東電の解体と再生に取り組んでいたたきたいと切望しています。。。Vol.2

■稲盛和夫が諭す
説き、訓じて心を1つに
稲盛和夫氏[日本航空名誉会長]に聞く(後編)

電機業界をはじめ、多くの大企業が低迷を続ける日本。厳しい外的環境の中で、リーダーが今こそすべきこととは何か。前編に続き、稲盛和夫氏に話を聞く。 (聞き手は 本誌編集長 山川 龍雄)

3万2000人の心が変わったから
日本航空は再建できた
リーダーの役割は心を変えること

稲盛さんは今年早くに日本航空(JAL)の名誉会長を辞任するとおっしゃっています。改めてJALの再建を振り返り、何が重要だったと思いますか。

稲盛:私は、航空運輸事業に対して全く無知で門外漢でした。JALの会長に着任した当時は、再建できる自信のかけらもありませんでした。私が持っているのは、自分の経営哲学「京セラフィロソフィ」と、小集団による管理会計システム「アメーバシステム」だけです。何も分からないまま、この2つだけを携えて、JALに来ました。

まるで異なる業種の会社に着任してみて、最初はどんな印象だったのでしょう。

稲盛:JALはいわゆるピラミッド型の官僚組織のような企業でした。一握りのエリートがすべてを企画し、約5万人の社員に指示を出していた。幹部からは人間味を感じられず、非常に冷たいエリート官僚のような感じがしました。

 これで会社経営がうまくいくはずがない。まずは幹部40〜50人に考え方を変えてもらわないとならん。そう思って、経営者である以前に人間としてどうあるべきかという人生哲学を説き始めたんです。

 JALの幹部は皆さん、50歳を過ぎています。彼らを相手に、中小企業を興した80歳のおっさんが話をすると、最初はみんな変な顔をしていました。顔を見たら、小ばかにしているのか納得しているのかは分かります。不真面目な人間は厳しく叱りましたよ。

 「親父に当たるような年の人間が、親が子に説くようなことを言う。そのくらい知っとるわと思っとるやろう。でも知っていても、それを身につけていないどころか、日常の行動に何も反映されていない。君の人間性が考え方に影響を及ぼし、人間性そのものが日常の経営に出てこなければ意味がないんだよ」、と。それはもうとことん話しました。

少しは効き目がありましたか。

稲盛:私があまりに厳しく言うものですから、少しずつ分かり始めてくれました。猛反省して、ほかの従業員にも伝えようと思うように変わってきた。そこで、現場の社員まで一気に考え方を広げていきました。

 私が就任した当時、JALは約280機の航空機を所有し、1日に世界中で1000便以上を飛ばしていました。羽田空港や成田空港には大型整備工場がある。航空ビジネスは一大装置産業だと思っていたんですね。

 けれど装置産業であると同時に、究極のサービス産業だとも私は思いました。お客様がJALを愛し、JALを選んで乗ろうと思わなかったら、再建できるはずがない。そのためにはヒューマンなファクターが非常に大事であると。

 現場で働く人たちが素晴らしい人間性を持つようになって初めて、お客様はJALに乗ろうと思うようになる。そこで私自身が様々な現場に出向いて、現場の従業員にこんこんと説きました。

 80歳を前にした老人が、無給で現場に来て、人間としてどうあるべきかを説く。「上に言われたからではなく、現場それぞれが自分で工夫し、ムダを省いてほしい」とも伝えました。するとそれぞれの現場が考え方を変え、持ち場で一生懸命、創意工夫を重ねるようになった。みんなが目覚めてきて、雰囲気ががらりと変わりました。

つまり、従業員の心理面にアプローチすることが重要だった。

稲盛:約3 万2000人全員の心が変わったからこそ、JALは再建できたと思っています。「私も老骨にむち打って頑張るから、皆さんもついてきてください。皆さんが会社を良くするという気持ちにならなければ、会社は再建できません」。こう説き、それに応えてくれたから、奇跡的な復活を遂げられた。リーダーの役割は、現場の人の心を変えることだと思っています。

結果が業績にも表れた。

稲盛:2011年3月、再建に着手して初めて迎える決算では、営業利益1800億円という驚異的な結果が出ました。すると今度は、全社員が自信を持ち始めた。自分の努力が結果となって出たわけですから、楽しくなって、ますます拍車がかかるようになる。

 そこで結果を分かりやすくするよう、組織を小集団に分けて責任者を置き、各部門が自主的に経営する「部門別採算性」を導入しました。

中央集権化が衰退を招いた

現場から組織を変えていく。これはほかの産業でも通用しそうです。

稲盛:日本では今、パナソニックやシャープ、ソニーに代表される電機業界が非常にミゼラブルな状態に陥っています。この要因はJALと同じように、すべてが中央集権化したことにあると思っています。

 私は若い頃、松下グループの下請けをしていました。その頃、経営者として何度か(松下)幸之助さんからお話を伺ったことがあります。

 当時、幸之助さんは事業部制を始めていたんですね。恐らく日本で初めて企業を事業部ごとに分け、それぞれが自主独立で事業を進めるようにした。私は、この仕組みによって松下グループは発展したと思っています。

 ところが、ある時から事業部制を廃止して中央集権的な体制を敷くようになった。松下パナソニックとして松下通信工業や松下電工を合併し、三洋電機も買収した。関連会社を傘下に入れ、中央集権的な支配をするようになった。この流れはソニーなど、ほかの電機メーカーも同じでしょう。

 それまでは事業部制の下で、テレビ事業部やラジオ事業部、通信機や洗濯機などが並列して、各部門に権限があった。各事業部がそれぞれ次の戦略を練って、技術開発から製造、営業まで担ってきたわけです。

 ただ当然、事業部が多すぎるとグループとしての統一は取りづらくなる。機能が重複するとムダも出る。それで中央集権に変えたのでしょう。ですが、それが各事業部の力をそいでしまった。中央集権にしたことで、各事業部の力が弱っていったのです。

 私はJALの中で、約3万2000人の力を引き出せば、どれだけ偉大なことができるかを証明しました。日本の大企業も同じように、現場の力を信じて権限を委譲し、全員の心を奮い立たせるべきだと思います。それにはやはり、中央集権的なあり方は合いません。角を矯めて牛を殺すことになりますから。

 日本の大企業は非常に活力を失っています。特に電機業界では、サムスングループにやられ、アップルにもやられてしまった。ですが日本には、今でも素晴らしい技術があり、ロイヤルティーの高い社員がいる。それを使い切れていないのは、完全にマネジメントの責任です。

なぜ、こうなったのでしょう。

稲盛:イージーな経営がすべてをダメにしたと思っています。

 景気のいい時は派遣社員を使い、悪くなったら辞めさせる。いつからか、こういうイージーな経営をするようになってしまった。欧米流の人材派遣を日本も導入してきましたが、その結果、忠誠心の高い従業員の心がすさんでしまった。正社員で残った人も、自主性を認めてもらえず腐っていった。そして結局、全体がダメになった。

 繰り返しますが、日本にはまだまだいい技術者もいますし、素晴らしい人間性を持つロイヤルティーの高い社員もいます。社員を大事にし、それぞれが力を発揮できるシステムに変えるべきなんです。

社員の幸せを経営目標に

具体的に何をすべきですか。

稲盛:京セラの場合、私は会社経営の目的を「全従業員の物心両面の幸福を追求する」と掲げています。それをJALにも持ってきて、経営理念の冒頭でうたっています。

 JAL再建の過程で、この経営理念を見た企業再生支援機構の管財人の方々は、「従業員だけが幸せであればいいという矮小化した哲学はいかがなものか」とおっしゃいました。企業は社会の公器であるべきだ、と。

 ですが、それでいいんです。社員が幸せでなければ、社会の公器としての役目を果たせるわけがない。どんな目標も、社員が幸せでなければ達成できません。全社員が、自分の属する企業を自分たちの会社だと思い、頑張ることが重要なんです。全社員の力を借りようと思うなら、会社の経営目的を従業員の幸せに置くことです。

 まずは、全員の心を結集させる。マネジメントのトップが力を貸してくれと現場まできっちり伝えて、自主独立の組織に再分割してやらせていく。それだけで、1年もすれば企業は蘇るでしょう。JALは、1年も経たずに蘇ったわけですから。

確かに机上の数字合わせに気を取られ、従業員のモチベーションに焦点を当てたマネジメントをしなくなっているのかもしれません。

稲盛:いわゆる理屈によるマネジメントは、欧米流のやり方です。これが精神的な支えなく経営できるのは、根底に成果主義があるからです。

 経営者はトップダウンで、従業員に「これだけの成果を出せばこれだけの報酬をあげよう」と伝えるだけでいい。金銭的なインセンティブ、つまり物理的なモチベーションがありますから、やれと言われればやる。

 ですが日本は、それほど思い切ったこともできていない。成果主義を導入して、うまくいかずにやめた会社もたくさんあります。成果主義のように物で釣ることなくマネジメントするには、心理学的な手法しかあり得ない。

リーダーとは哲学者であり
従業員の教師でもある
熱涙下る訓示で心を1つに

極端な成果主義を導入していない日本企業の場合、リーダーは、従業員に向け説法を続ける必要があると。

稲盛:その通りです。リーダーとは哲学者であると同時に、従業員の教師でなくてはダメだと思っています。

 京セラは小さい部品を作って売上高約1兆3000億円、JALは飛行機を飛ばして約1兆2000億円。内容こそ違いますが、両方とも細かな部分まで分かろうと思っても、分かるわけがありません。下から積み上げて、任せるべきものは任せる。経営者は何を見るかさえしっかりしていればいいんです。

しかし厳しい局面にある企業の場合、経営者は事業縮小や撤退、人員削減などの決断を下さなくてはなりません。現場がすさむ中でやる気を出させるのは非常に難しいと思います。

稲盛:JALの場合、会社更生法が適用されましたから、人員削減や給与カットをしなければ再建もできなくなるような状況でした。そのために、(人員削減を)何としても認めてくれと言い、残った3万2000人の雇用だけは何としても守るよう頑張ると話をしました。

 ただ倒産していない企業の場合、現場の理解を得るのはさらに難しいでしょう。「会社を本当に立て直すためには、犠牲を払ってもらわなければならん。みんなを必死に守る」と真正面から言わなければならない。

 経営者は、「これだけのことは辛抱してくれ。冷たいかもしれないけれども、やらなければ会社が再生できない。ただこれ以上のことはやりません」とはっきり伝えるべきです。トップが現場の従業員全員に対して、熱涙下るような訓示を出さないといかん。

JALでも、熱涙下るような訓示をされましたか。

稲盛:JALでは熱涙下るような話はしていません。けれど、80歳を前にした老人が、無給で陣頭指揮を執る。もうそれだけで説得力はあるわけです。

同時に早い時期に結果を出すことも再建には重要だと思います。

稲盛:結果はずるずるとは出てきません。何事も良くなる時は、すっと結果が出る。一気呵成で良くなるのは、病気も同じですからね。じりじり良くなるのは、慢性病です。

人口減や国内市場の縮小などの外的要因で、売上高が伸ばせないという経営者の悩みをよく耳にします。

稲盛:私は戦後の日本経済しか分かりません。けれど戦後から今に至るまでにも、円高や石油ショックなど、いろいろな谷がありました。ただどの企業も、その谷をくぐり抜けてきている。稼げない時は費用を減らすことを考え、木枯らしを耐える努力をしている。売り上げが増えないからといって、何を嘆くのかと感じます。

考え方が甘いと。

稲盛:売り上げが増えないなら、耐えなくてはしょうがないでしょう。耐えながら、一方で新製品や新規事業を考える。寝言を言うなと言いたいですね。

 売り上げが増えないことなんていくらでもあります。経済は変動するんだから。ただ、バブル崩壊後の日本では、(起業家ではなく)サラリーマンがトップに立っている。だから根性のある人がいないのでしょう。

 経営とは、引いてよし押してよしです。売り上げが増える時には押すし、悪い時には引いていく。どの局面でも、リーダーには燃えるような闘魂が必要です。強い意志と闘魂がない人は、リーダーになっちゃいかん。

 元は大変怖がりで慎重でも、いざとなったら、火の中水の中であろうと勇気を奮い起こす。ここぞというところでは命を懸けて一歩も引かない。この闘魂が経営者にはいるんです。

 ですが、日本の経営者にはそういう人がいらっしゃらない気がします。

リーダーがおらず、後継者選びに苦慮されている経営者も多いです。

稲盛:それは本当に難しい。後継者をどう選ぶかは永遠の課題ですから。特に世襲制ではない大企業の場合は非常に難しい。日本の大企業がシュリンクしているのも、やはり後継者の選び方がまずかったからだと思うんです。

JALの場合はどうでしょう。

稲盛:私は今年なるべく早めに、JALの名誉会長職を辞めます。大西(賢)会長や植木(義晴)社長、専務陣を選び、彼らに託しました。今まで3年間、私が会議で言ったことや直接話したことを自分のものにして、しっかり経営してくれと言うしかないですね。心配してもしょうがありませんから。

辞任後、稲盛さんは何をされるのでしょうか。

稲盛:年間スケジュールが決まっている盛和塾の活動は続けていきますし、稲盛財団もやっていきます。ただ、ここまでばかみたいに働いてきましたから。たまに焼酎でも、1杯飲ませてください(笑)。

傍白
 電機業界復活の処方箋は、稲盛さんにぜひ聞いてみたいテーマでした。その質問をどこで切り出そうかと考えていたところ、ご自身の方から、自然な形で話題にしていただきました。創業した京セラが同じ関西企業ということもあり、パナソニックやシャープの動向は、人一倍気になるのかもしれません。電機業界が低迷している原因はどこにあるのか。稲盛さんはここでも、技術やマーケティングといった手法ではなく、従業員の心理面から解き明かします。「日本企業は現場の力を信じずに中央集権化を進めて、弱体化したのではないか。松下幸之助さんが事業部制を導入した意図をいつの間にか忘れてしまったのではないか」。思わずハッとさせられる指摘でした。

[日経ビジネス]

Posted by nob : 2013年03月28日 09:23

そのとおり!!!Vol.22、、、歴史に残る大仕事をもう一つ、稲盛氏には東電の解体と再生に取り組んでいたたきたいと切望しています。。。

■稲盛和夫が諭す
中国とは「徳」で接せよ
稲盛和夫氏[日本航空名誉会長]に聞く(前編)

経済や政治、外交など難題が山積みになっている現在の日本。このような時代に必要なリーダーとしての心構えとは何か。稲盛和夫氏が諭すように語った。今回はその前編。(聞き手は 本誌編集長 山川 龍雄)

稲盛 和夫(いなもり・かずお)氏
1932年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年に京都セラミック(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年から名誉会長を務める。84年には第二電電(現KDDI)を設立、会長に就任。2001年から最高顧問。2010年1月に日本航空の会長として再建に取り組むよう要請され、2月1日から無給で務める。1984年には稲盛財団を設立し、国際賞「京都賞」を創設。経営塾「盛和塾」の塾長を務める。2013年早々にも日本航空の名誉会長職を辞す。

戦後の歴史が変わろうとしている
よっぽど腹を据えて進めないと
将来、禍根を残すことになる

政権が再び、自民党の元に戻りました。

稲盛:日本は戦後、ずっと自民党が政権与党をやってきました。しかし、正しい民主主義が定着するためには、良い悪いがあった時、政権交代できる政党があるべきだと思って、私は民主党を応援したんです。

 しかし民主党は、2009年に政権を取りましたが、国民が期待した成果を出せず、大変な失望感が横溢してしまった。その結果が今回の選挙結果になるわけです。大敗しましたが、自分たちがまいた種だからしようがない。

結果は残念だと。

稲盛:民意ですからしょうがない。

 ただ戦後の歴史が、大きく変わる方向に政治が動くんではないかと思っています。少し右翼がかった方向に政局が向かおうとしている。平和憲法をベースに戦後の日本はやってきましたが、これが大きく変わる可能性が出てきた。全面的に憲法改正とまではいかないにしても、変わるかもしれない。

 そうなれば日本の立ち位置も大きく変化せざるを得なくなってしまうでしょうし、近隣諸国を含めた世界の目も大きく変わってくる。ですから、よっぽど腹を据えて、十分検討したうえで進めてほしいと思います。

 ただの思いつきでやって禍根を残すことになってはいけない。民主党の非常に未熟な政治の反動で変なふうになっては心配だなという気はしています。

民主党はなぜ期待に応えられなかったのでしょう。

稲盛:1番目には政権与党としての経験が全くなかった。そのために霞が関の官僚をうまく使いこなせなかった。

 もう1つは、民主党の中に優れたリーダーがいなかったということでしょう。党内のガバナンス(統治)が全く機能しなかった。党首になられた方々は、民主党議員の信頼や意見をまとめることができなかった。自分の考えだけは主張されましたが、それが民主党議員の大半が賛同する意見なのかどうか。それも確認しないままに、独善的に党首が方針を決めて、ばらばらになってしまった。結局、最後は瓦解したという感じです。

 鳩山(由紀夫・元首相)政権の時から軋みは起きていました。最初は反小沢(一郎氏)といいますか…、小沢氏が政治献金問題を起こしていましたのでね。それがずっと尾を引いて、ほかの議員の意見も吸収しきれなくなった。意見をまとめて、みんなを引っ張っていくことができない。鳩山さん、菅(直人・元首相)さん、野田(佳彦・前首相)さんと(民主党政権が)3代続いても、リーダーがいなかったんだと思います。

「出でよ、傑物」

どうしたら政治の世界で真のリーダーが生まれるのでしょうか。仕組みが悪いのでしょうか。

稲盛:仕組みじゃないでしょう。優れたリーダーとは、人格を含めたトータルの人間性に魅力があり、確固たる信念に満ちて、独善ではなく、みんなの意見を吸収して、説得するだけの力がなければいけませんから。作られるものじゃなく、それを持った人がいなければいかんのです。

資質のある人が途中で消されて、そうでない人がトップになっているということでしょうか。

稲盛:排除されるんじゃなしに、もともといないんじゃないでしょうか。もちろん、そういう人は策を弄する人に対しては弱いかもしれません。

 例えば、明治維新の時の西郷南洲(隆盛)とそのほかの連中を比べると分かります。人間的に魅力があって、統率力もある無欲恬淡とした西郷は、策を弄する悪賢い連中に足をすくわれて、最後に野に下ることになりました。

 リーダーは、策を弄する連中もぐっと抱えて、収めるだけの大きな度量と力量のある人じゃないといけない。ただそれは作ろうと思って作れるもんじゃありません。「傑物、出でよ」ということしかないでしょう。

自民党政権で最も期待されているのが金融政策です。金融緩和論については、どう見ていますか。

稲盛:自民党は日銀に国債を買い取らせてでも大きな金融緩和をすると言っておられる。2%ぐらいのインフレをすると。私は専門家ではないし、あんまりよく分かってないので、感覚的にしかモノが言えません。そのうえで、金融緩和は一時的な景気浮揚を招くことはできるかもしれませんが、危険だという気がします。

なぜでしょうか。

稲盛:私は 80歳で、戦争が終わった昭和20年は中学1年生でした。戦時中に国は、戦時国債を膨大に発行して、民衆は国のためにと国債をいっぱい買いました。これが戦後、紙切れになり、同時にハイパーインフレが起こってしまった。父は戦前、印刷屋をやっていてこつこつとお金をためてきましたが、それも全部紙くずになったんですね。焼け野原に掘っ立て小屋を建てて、親子9人で生き延びてきましたが、その時のハイパーインフレ、つまり本当に紙幣が紙くずになっていくのを見てきました。

 インフレターゲットをやったら、しばらくは国の借金にとっても、借金をたくさんしている人にとってもいいかもしれません。ですが今度、インフレを止めようと思っても、そう簡単に止まるものじゃない。私はブラジルのハイパーインフレや、いろいろなことを現地で見てきましたから。

 過去の経験からすると、よっぽど劇薬で、非常に危なっかしいと危惧しますね。

経済政策に過度に頼ろうとする企業側の「他力本願的」なムードも少し気になっていらっしゃるのでは。

稲盛:確かに現在の日本は、政府も民間も非常に依頼心が強くて、誰かが何とかしてくれると思っている。自主性や自立性が希薄になって、依頼心と依存心が官民すべてに横溢している。

 自立する心がない限り、日本の現状を打破することはできません。自立するという意識の下に、何としてもいい方向に向かわなきゃならんと思う。そういう強い意志力が欠落している気がします。

 リーダーの方々も含めて日本全体が、自らこの状況を打開し、回復する気持ちが横溢しなければ、現状を変えることはできないと思っています。

稲盛さんから見ると、今の日本人は自立心が弱いですか。

稲盛:私だけでなしに、みんな思っているのではないですか。バブル崩壊後ずっと低迷を続けて、なすすべがないですし。本当に弱いですね。

外交面では尖閣諸島に端を発した日中関係の悪化が続いています。政治家や経営者は今後、どのように中国とつき合うべきでしょうか。

稲盛:日中関係は非常にぎくしゃくして厳しい局面です。これを何とかするのは簡単なことじゃない。尖閣諸島については、日本は自分たちの領土だと信じていますし、中国は中国でそう思っている。足して2で割るわけにもいきませんから。この問題はのどに刺さったトゲみたいなもので、解決には時間がかかるだろうと思います。

 ですが、たったそれだけのことで、経済も含めて、いつまでも日中関係がぎくしゃくするのは問題です。我々日本人としては、国境問題は別に置いて、徳でもって中国の民衆とつき合っていく。中国の政府の人たちとも、日本人が持つ素晴らしい人間的な徳でもって接していく。

孫文が訴えた「王道」統治

具体的にどういうことですか。

稲盛:私は7〜8年前、中国共産党幹部の教育機関である北京の党中央校で講演しました。日本と中国は、歴史的にも非常に深い、いい関係を続けていかなきゃならんと話しました。その中で、明治時代、辛亥革命で敗れた孫文が日本に来て、神戸で講演した時の言葉を引用しました。

 孫文は日本国民に対してこう話したんです。「日本は明治維新を迎えて欧米の近代文明を取り入れ、繁栄を遂げようとしている。その欧米文明というのは覇権の文明、力の文明です。しかし東洋には、人間の徳で治めていくという王道の文明があります。欧米文明を取り入れて覇権の道を歩くのか、それとも古来東洋に存在する王道の道を歩くのか。日本の将来は皆さんの選択にかかっています」。こういう素晴らしいスピーチでした。日本はその声に耳を貸さないで、一瀉千里(いっしゃせんり)に覇権の道を歩いて、1945年に敗戦を迎えて壊滅してしまった。

 当時、中国は大発展を遂げる過程にありました。このままいけば世界第2位の経済大国になるのは必至です。そこで私は、孫文が日本人に言ったのと同じことを、中国の皆さんにお返ししたんですね。

 「中国が王道の道を歩かれるのか、それとも覇権の道を歩かれるのか。それはまさに指導者である皆さんの責任です」、と。

 その翌日、人民大会堂で当時の中国共産党の副主席と会いました。彼は私の講演のゲラをもらったと言い、「稲盛さん、読みました。稲盛さんが危惧されるようなことは一切ありませんから、心配いりません」とおっしゃってくださいました。

中国側の反応は、良かったんですね。

稲盛:もともと中国は数千年の歴史の中で、孟子や孔子を含めて、立派な哲学者を出しておられる。素晴らしい哲学を説いてこられたので、普通の方にもそういう素養があるんです。覇権ではなしに、王道や徳で、日本は中国とつき合っていくべきだと思います。

 徳とは仁と義です。優しい思いやりの心がベースにあって、素晴らしい仕事をしながら相手を慈しみ、愛し、ビジネスを展開していく。これを続けて、日本人の立派な人間性を分かってもらえれば、彼らも日本人を尊敬してくれるんじゃないかと思っています。

「徳」をもって接するのが基本だと。

稲盛:昨年は反日デモがあったり、日本製品の不買運動が起こったりしました。中国の書店からも日本人の書いた本が全部消えたんですね。でも私の本は残っていた。日本で発売した『生き方』という本は、中国でもう100万部以上売れている。正規品が100万部を超えたんですから、海賊版がその何倍と出とるでしょう(笑)。

 ですから、人間の徳については、中国でも関心を持つ人たちがたくさんいるんです。

中国の方は、稲盛さんの講演や本の中で、特にどの部分に関心を寄せているのでしょう。

稲盛:ビジネスの根幹には、どうすれば儲かるかということがあります。けれど、それを考える前に、「利他の心」がいると私は説いています。自分が儲けようと思うなら、相手も利益を得られるような思いやりの心、つまり利他の心がなかったら意味がありません。

 ビジネスにテクニックは必要でしょう。ですがそのテクニックを動かす人間のベースにあるのは、相手を思いやる利他の心です。利己の塊みたいな人が、ビジネスの中でテクニックを使ったら、世の中はますますいびつになっていく。

 ところが、欧米流というのは全部が利己の塊で、利他の心を抜きにした考え方です。自分が儲けられるなら、相手がいくら苦しもうと構わないという考えが根底にある。利己の塊で、頑張って成果を上げれば、おまえの給料をなんぼでも上げてあげるというのが成果主義です。ベースが利己で、テクニックを使っていく。

 私はそれがあるべき姿だとは思いません。利他の心をベースにしてテクニックを使うべきだと訴えています。

 北京大学や清華大学で話をした時、有名な教授がこう言ったんです。「我々は今まで、中国を近代国家にするために、ハーバードビジネススクールと提携して、欧米流のマネジメントを教育してきました。でもハーバードビジネススクール一辺倒のやり方はいかんと猛烈に反省しました。今後はあなたの哲学も大学で取り上げましょう」と。

日本人は信頼できるし、尊敬できる
人間性からほぐしていけば
日中関係は解決できるでしょう

一見、利己的にも見える中国で、なぜ、稲盛さんの哲学が響いているのでしょう。

稲盛:中国の場合は、賄賂がものすごくはびこっています。民間企業同士の場合でも、簡単に経理担当の若い女の子が不正を働く。購買担当の人が「買ってあげる」と言えば、いっぱい業者が来て、賄賂ぐらい簡単にくれる。自分がもらおうと思わないでも、課長級ぐらいの地位の人に対しても、いろいろな賄賂があります。

 さらに、共産党の幹部は想像を絶するような蓄財をしています。そういう社会を、庶民が見ているわけです。正常ではないとみんな思っている。そこで私が、お金は一銭ももらわずに、坊さんの辻説法みたいにして歩いているから、その姿を見て、みんなが詰めかけて、賛同してくれるんでしょう。

 為政者から見ると、変なふうに洗脳されると困るわけですから、通常こういう活動はとても警戒されるんです。けれど、どこの省でも、どの大都市でも、共産党幹部の人たちも、非常に結構な話です、と。中国の経営者たちが啓蒙、啓発されて見事です、と言ってくれます。

中国の中で、こうした考えを理解するのはまだ少数かもしれないけれど、これがだんだん層になっていく。中国はその過程だということですね。

稲盛:過去、日本が軍国主義であった時、日本人は中国人に対して横暴なことをしました。中国にはその時の恨みつらみも残っています。けれどもそれは、軍閥の一部の人がそうだっただけで、日本古来の民衆はそうじゃない。それを分からせることが大事です。日本人は信頼できる民族だと。

 中国には13億人の民衆がおりますから、一朝一夕にはいかんでしょう。しかし、そういう心を持った人たちが相当、知識階級にも経営者にもいるということは、期待が持てます。

 日中問題というのは、ドラスチックには解決できないかもしれません。けれど、人間性という点からほぐしていけば、時間はかかるかもしれませんが、解決はできるでしょう。

傍白
 「盛和塾を中国でもやってほしいという要請が来ています。共産主義から部分的に資本主義に移行する過程で、中国では経営者の精神の拠り所が必要になっている。大事な時期ですから、できる限りお手伝いしたい」。17年前、稲盛さんがこうおっしゃっていたのを思い出します。盛和塾のルポを書くために、取材していた時のことでした。当時、稲盛さんが、塾生の相談に「それでいいんやないか」とうなずいたり、塾生の手を握って「まだ努力不足ですな」と叱っていた光景が目に浮かびます。今やその活動が中国にも広がっている。反日ムードが高まる中でも、なぜ、中国の指導者たちは稲盛さんの言葉に耳を傾けるのか。そこに雪解けのヒントもあるような気がします。

[日経ビジネス]

Posted by nob : 2013年03月27日 13:41

そもそもの何らエゴのない自分自身に還っていく、、、

それが幸せへの途。。。

Posted by nob : 2013年03月26日 23:30

最もシンブルな在り様こそが、究極にレベルが高いものとは知りつつも、、、まだ今は。。。

解ってくれたら嬉しいとは思うけれど

解らせようなどとはもちろんのこと

解ってほしいとすらも思わない、、、


何故なら

目指す場所への途はまだはるか遠く

辿り着けて初めてそこで解り合えるもの

その最もシンブルな場所を目指して

私は貴方と逆回りにこの丸い地球を歩いているのかもしれないのだから。。。

Posted by nob : 2013年03月26日 21:30

原発の問題の本質。。。Vol.3/バックナンバー

■安倍政権は核廃棄物管理の国際機関の創設を
10万年の安全を解決する「三つの方法」
田坂 広志

 東京電力福島第一原子力発電所の事故から2年。日本のエネルギー政策は、今も混迷の中にある。日本のエネルギー政策はどこへ行こうとしているのか。福島第1原発事故の際に内閣官房参与として事故対策に取り組んだ田坂広志氏が、原発を中心とするエネルギーの様々な問題について、インタビュー形式で答えていく。

 第2回となる今回は、安倍新政権が直ちに取り組むべき第五の政策として、「核廃棄物の最終処分」の政策について、具体的解決策を伺う。

前回のインタビューで、田坂教授は、エネルギー問題と原発問題の解決のために、安倍新政権が直ちに取り組むべき「五つの政策」を提言されましたね。

田坂:そうですね。前回は、「五つの政策」のうち、四つの政策について語りました。

 第一の政策は、「核廃棄物の最終処分」の問題と、その前段の「使用済み核燃料の長期貯蔵」の問題に直ちに着手すること。

 第二の政策は、当面、実現の見込みのない「地層処分」の政策を凍結し、直ちに、最大数百年間の「長期貯蔵」の政策に切り替えること。

 第三の政策は、「長期貯蔵」の政策への切り替えに伴って、使用済み核燃料の発生量の「総量規制」を行い、「発生総量の上限」を定めること。

 そして、第四の政策は、核廃棄物の長期貯蔵と最終処分の問題について、全国民的討議を促すための「法律的枠組み」の議論を始めることでした。

では、田坂教授が提言される「五つの政策」の、第五の政策は何でしょうか?

田坂:第五の政策は、明確です。

 長期的な視点から「核廃棄物の最終処分」の政策に着手することです。

 すなわち、使用済み核燃料の「数百年の長期貯蔵」の政策は、その政策を緻密に整備し、国民の合意を創り、長期貯蔵を実現できたとしても、それだけでは、「最終的な解決策」にはならないからです。

 そして、ただ「未来の世代が解決策を見出すことに期待する」というだけでは、「問題の無責任な先送り」であり、「未来の世代への負担の押し付け」に過ぎないからです。

では、その「核廃棄物の最終処分」を実現するために、どのような政策を進めていくべきでしょうか?

「脱原発の政権」でも必ず直面する深刻な問題

田坂:そのことを述べる前に、最初に申し上げておきたいことがあります。

 この「核廃棄物の最終処分」の問題は、たとえ明日、「脱原発の政権」が生まれ、「脱原発の政策」に向かうとしても、必ず解決しなければならない問題だということです。

 すなわち、現在の日本が直面している問題は、ただ「脱原発」を目指し、「原発再稼働」を全面的に止めただけで解決できる問題ではないのです。

 しかし、一方、この問題は、たとえ「原発の安全性」を徹底的に高め、「原発再稼働」についての国民の了解を得たとしても、必ず突き当たる極めて深刻な問題でもあります。

 従って、この問題は、「脱原発」の立場であるか、「原発推進」の立場であるかに関わらず、直視すべき「厳しい現実」であるということを申し上げておきたいと思います。

たしかにそうですね。では、そのことを理解したうえで、「核廃棄物の最終処分」を実現するために、これから、どのような政策を進めていくべきでしょうか?

戦略的自由度の無い「国内地層処分」の一本槍政策

田坂:その政策を考えるとき、決して忘れてはならない大切な視点があります。

 それは、「政策の戦略的自由度」を高めておくことです。

 すなわち、最終処分の政策として、ただ一つの政策的選択肢に絞り込んでしまうという「決め打ち」をしないことです。その「決め打ち」をしてしまうと、将来、社会状況や政治状況の変化が起こったとき、柔軟に対応できなくなってしまうからです。

 実際、これまでの最終処分の政策は、「国内で地層処分を実現する」という政策一本槍で進んできたわけですが、一昨年の福島原発事故によって、原子力エネルギーに対する国民世論が大きく変わってしまいました。

 そして、昨年、日本学術会議が行った「現時点で地層処分の安全性を証明することはできない。従って、我が国で地層処分をすべきではない」という提言によって、この政策は大きな壁に突き当たってしまったわけです。

 そもそも、これまでの政策が、「地層処分」という政策一本槍になってしまった理由は、原発を推進していくためには「核廃棄物の最終処分方策」を国民に対して説明しなければならず、そのためには、「地層処分」という方法が、現時点で最も技術的に容易で、経済的に合理的な方法であるとの判断があったからです。

 しかし、もし、使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の「長期貯蔵」の政策に切り替える場合には、最長で数百年の「時間的余裕」(モラトリアム)を持つことができますので、「国内での地層処分」だけに選択肢を絞り込まず、それ以外のいくつかの選択肢についても、視野を広げ、柔軟に検討していくことが可能になるのです。

では、「国内での地層処分」以外の選択肢として、具体的に、どのような選択肢があるのでしょうか?

田坂:「海外での地層処分」という選択肢です。すなわち、日本国外に地層処分場を探すという選択肢です。

それが可能でしょうか? そもそも、有害廃棄物については、国境を超えての移動を禁じるという「バーゼル条約」があるのではないでしょうか? 日本国内の核廃棄物を海外で最終処分することについて、許されるのでしょうか?

田坂:「バーゼル条約」の精神は、基本的には大切な精神と思いますが、核廃棄物の場合には、問題の本質が、この条約の精神を超えたところにあると考えるべきでしょう。

 そもそも、「バーゼル条約」が想定しているのは「国境を超えての移動」という考えですが、核廃棄物の場合には、数万年から10万年の時間スケールでの安全性が問題となっているわけであり、この「国境」という概念を超えた問題を我々に突きつけてくるからです。

 すなわち、人類の歴史は、「国家の成立」という視点からみると、たかだか数千年の歴史しかないわけです。これに対して、数万年から10万年という時間スケールにおいては、そもそも「国境」や「国家」という概念が大きく変わっている可能性があり、「バーゼル条約」が提起している「各国の責任において有害廃棄物を最終処分する」という考えそのものが、意味を失っていく可能性があるわけです。

 言葉を換えれば、数万年から10万年の時間スケールで有害性を持つ核廃棄物の場合には、本来、「一つの国家」が責任を持って最終処分の方策を考えるよりも、「国際社会全体」が責任を持って最終処分の方策を考えるべき問題なのです。

 すなわち、核廃棄物の最終処分については、本来、「各国独自の制度」によって実施するべきではなく、「国際的な共同体制」によって実施することが望ましいわけです。

 その意味で、我が国は、原子力開発を進めてきた各国に呼びかけて、核廃棄物の長期貯蔵と最終処分に関する「国際的な共同体制」の構築を行うことも、政策的選択肢として真剣に検討すべきでしょう。

「海外での地層処分」という選択肢

それは、何年か前に話題となった、モンゴルなどでの地層処分構想でしょうか?

田坂:現時点で、具体的に、どの国という議論をすることは適切ではありませんが、もし人類全体として「核廃棄物の地層処分」の方策を検討する場合、世界全体を見渡したとき、日本よりも、数段、地層の安定性や地質条件、地下水条件、さらには社会条件の好適な地域があることも事実です。

 その意味で、「長期貯蔵」を行っている期間に、十分な時間をかけて「海外での地層処分」という選択肢を検討することは、一つの合理性を持っていると思います。

その場合、原子力開発を進めてきた各国からの賛同は得られるでしょうか?

田坂:例えば、米国、英国、フランス、ドイツ、カナダなどを始めとして、すでに多くの国が数十年前から「核廃棄物の地層処分」の計画を進めてきていますが、現実には、住民や国民の強い反対など、「パブリック・アクセプタンス」(社会的受容)の問題に直面して、どの国でも、計画が思うように進んでいません。

 また、これから原子力開発を進めていく中国を始めとする発展途上国もまた、早晩、この核廃棄物の最終処分の問題に直面していきますので、もし日本が先導して、「核廃棄物の長期貯蔵と最終処分の国際的な共同体制」の構想を提唱するならば、各国からの賛同を得ていくことは、十分に可能性があると思います。

 それは、喩えて言えば、「国際原子力機関(IAEA)の核廃棄物版」を創る構想と言ってもよいでしょう。

その場合、「国内での地層処分」という選択肢は、全面的に放棄するということでしょうか?

田坂:いえ、そうではありません。前回述べたように、「高レベル放射性廃棄物を数十年後に国内で地層処分する」という現行計画については、当面凍結しますが、その場合も、「国内での地層処分計画」は、一定の規模で存続させていくべきでしょう。その理由は、二つあります。

 第一の理由は、「国際的な共同体制」を提唱する国としての責任において、地層処分に関する研究開発と技術開発を先導していくべきだからです。例えば、地層安定性や地下水特性を調査する科学的手法の研究開発や、核廃棄物を安全に閉じ込める工学的手法の技術開発などです。

 研究開発や技術開発において、そうしたリーダーシップを発揮しないかぎり、各国がこの構想に賛同してくれることはないでしょう。

 第二の理由は、こうした研究開発や技術開発の結果、将来、「地層処分の10万年の安全性を証明する科学」や「核廃棄物の10万年の閉じ込めを保証する技術」が生まれる可能性があるからです。

 冒頭に述べた「政策の戦略的自由度」の観点からも、この可能性を、現時点で全面的に否定するべきではないでしょう。

 この二つの理由から、現時点において「国内での地層処分」という選択肢を、すべて放棄するべきではないと思います。

すなわち、「海外での地層処分」と「国内での地層処分」という二つの選択肢を追求していくということですね?

「消滅処理」や「宇宙処分」という第三の選択肢

田坂:もう一つの選択肢、第三の選択肢があります。

 それは、「地層処分以外の最終処分」という選択肢です。

具体的には、どのような最終処分方法でしょうか?

田坂:現時点で考えられるのは、二つの方法です。

 一つは、プルトニウムやネプツニウムなどの長半減期の放射性核種を、特殊な原子炉で燃やし、短半減期の放射性核種に変換してしまう「消滅処理」(核変換)と呼ばれる方法です。

 もう一つは、核廃棄物を地球の外に打ち出してしまう「宇宙処分」という方法です。太陽に打ち込んでしまうという方法も、その一つです。

その二つの方法は、実現可能なのでしょうか?

田坂:「消滅処理」については、この技術の専門ではない政治家や有識者で期待する人が多いのですが、専門的に見ると、実は原理的に難しい問題があるのです。

 それは、この方法が、「長半減期の重元素」(プルトニウムやネプツニウム)の核変換を行って「短半減期の軽元素」(セシウムやストロンチウム)などにすることを目指しているにもかかわらず、実際には、核変換を行うとテクネチウム99のような「長半減期の軽元素」が生まれてきてしまうからです。

 従って、専門家の立場からは、この方法がすぐにでも実現するような楽観的議論は、するべきではないと思っていますが、これも、数百年先まで見据えたとき、何らかの新たな技術が開発される可能性を全面的に否定するべきではないでしょう。

 「宇宙処分」については、1970年代から80年代初めにかけて、真剣に検討されましたが、スペースシャトルの爆発事故によって、「事故を起こしたときのリスクが大きすぎる」との理由で、選択肢から外されました。

 ただ、この方法は、やはり将来の技術開発の可能性を考えるならば、依然として一つの選択肢であると思っています。すなわち、数百年の間には、「爆発などのリスクの無い大気圏外放出技術」を開発することは十分に可能であり、その可能性に挑戦するという政策的選択肢は存在するでしょう。

最後の課題は「コスト・ベネフィット」

では、この「消滅処理」や「宇宙処分」の技術が実現したならば、原子力エネルギーは推進することができるのでしょうか?

田坂:もし、この二つの技術が実現したとしても、最後に残る問題は「費用対効果(コスト・ベネフィット)」の問題でしょう。

 すなわち、この二つの方法は、仮に技術的に可能となっても、「核廃棄物処分のために必要となる費用(コスト)」が、「原子力エネルギー利用によって生まれる利益(ベネフィット)」を上回る場合には、原子力エネルギーを推進することに経済的合理性が無くなるからです。

 しかし、この「費用対効果」が成立しなくとも、この技術を使う可能性はあります。

なぜでしょうか?

田坂:冒頭にも申し上げたように、将来、原子力エネルギーの利用をやめるとしても、大量の核廃棄物は残りますので、「その核廃棄物の安全な最終処分をどうするのか」という問題が、引き続き存在するからです。

 従って、たとえ経済的合理性が成立しなくとも、かなりの経済的負担をすることになっても、将来の世代に負担を残さないために、この「消滅処理」や「宇宙処分」を実施する可能性はあると思います。

 それゆえ、こうした第三の方法についても、検討を進めていく必要があるのです。

 以上述べたように、核廃棄物の最終処分については、

1. 国内での地層処分
2. 海外での地層処分
3. 地層処分以外の最終処分

という三つの政策的選択肢を併行して進めていくことによって、今後、どのような社会状況や政治状況の変化が起こっても対応ができるようにしていくべきでしょう。

なるほど、それが「政策の戦略的自由度」を確保していくという意味ですね?

 では、もし仮に、近い将来、日本国内において「地層処分場の候補地」に手を挙げる自治体や地域が現れた場合には、どう考えればよいのでしょうか?

田坂:それは、ある意味で、一歩前進ですが、そこには極めて危うい「落し穴」があることに気がついておくべきでしょう。

 そのことについては、また、次回、お話ししたいと思います。

[日経ビジネス]

Posted by nob : 2013年03月22日 16:23

原発の問題の本質。。。Vol.2/バックナンバー

■安倍新政権に立ちはだかる「核廃棄物」の壁
いますぐ取り組むべき「五つの政策」
田坂 広志

 東京電力福島第一原子力発電所の事故から2年。日本のエネルギー政策は、今も混迷の中にある。日本のエネルギー政策はどこへ行こうとしているのか。福島第一原発事故の際に内閣官房参与として事故対策に取り組んだ田坂広志氏が、原発を中心とするエネルギーの様々な問題について、インタビュー形式で答えていく。

 第1回となる今回は、経済政策では順調なスタートを切ったかに見える安倍新政権が原発問題をいかに舵取りしていくのか、そして、今後どのような課題に直面するのかについて語る。

昨年末の総選挙では、「原発維持」や「原発容認」と読める政策を掲げた自民党が勝利を収めましたが、この結果、自民党は、原発再稼働や原発新増設に大きく舵を切ると思われるでしょうか?

田坂:そうですね。安倍新政権に対しては、日本経済のために原発の再稼働や新増設を進めて欲しいという、財界や電力業界からの強い期待感もありますので、そうした観測が広がるのは自然なことかと思います。

 また、「日本経済の再生」を第一の課題に掲げる新政権が、エネルギーを安定供給し、エネルギーコストの増大を防ぐために、十分な安全性の確保を前提として「原発の再稼働」を模索していくことも当然かと思います。

 ただ、安倍新政権は、今後、福島原発事故によって開いた「パンドラの箱」を覗き込むことになります。言葉を換えれば、責任ある与党の立場から「深刻な現実」に向き合うことになります。そして、その「深刻な現実」を直視したとき、原発問題が、「再稼働」や「新増設」よりも、さらに難しい困難な課題を抱えていることに気がつかれるでしょう。

それは、どのような課題でしょうか?
:昨年末の総選挙では、あまりそうした課題について議論されなかったように思いますが?

田坂:昨年の総選挙を評して、しばしば、「原発が争点にならなかった」と言われますが、そうではなく、与野党ともに「原発問題の真の争点を見誤っていた」のですね。

 そのことを象徴するのが、選挙戦の最中に各党討論会で何度も交わされた「原発ゼロを目指すべきか、否か」という議論であり、「いつまでに原発ゼロにするか」という議論です。

なぜ、その議論が、間違っているのですか?

田坂:実は、原子力のバックエンド問題の専門家の立場から見るならば、「原発ゼロ社会」というのは、現状では、目指すか目指さないかという「政策的な選択」の問題ではなく、避けがたく到来してしまう「不可避の現実」だからです。

 また、「いつまでに原発をゼロにするか」という議論も、「代替エネルギーが急速に普及すれば、原発を早くゼロにできる」や「いや、代替エネルギーは期待ほどには伸びない」といった視点で議論されていますが、実は、代替エネルギーの普及度に関係なく、原発がゼロになる時期は、原子力のバックエンド問題そのものによって決まってしまうのです。

 このことは、「脱原発」か「原発推進」かに関わらず動かすことのできない「冷厳な事実」なのです。

 私自身は、原子力のバックエンド問題の専門家の立場から「原発推進」に20年間携わってきた人間ですが、その専門家として私が提言すべきことは、どの政権に対しても変わりません。

では、安倍新政権は、その「深刻な現実」を直視するならば、原発政策について、何から取り組むべきでしょうか?

田坂:もう一度申し上げますが、「脱原発」の立場であろうとも、「原発維持」の立場であろうとも、いま、政権を担う者が取り組まなければならない政策は、極めて明確です。

使用済み核燃料プールは6年で満杯に

それは、何でしょうか?
:「原発の安全性向上」の政策でしょうか?

田坂:いや、そうではありません。「原発の安全性向上」の政策は、もとより重要ですが、それだけでは、原子力エネルギーの「最も本質的な問題」は解決できないからです。

 それは、「核廃棄物の最終処分」の政策です。

 「核廃棄物」(Nuclear Waste)とは、「使用済み核燃料」(Spent Nuclear Fuel)と「高レベル放射性廃棄物」(High-Level Radioactive Waste)の総称であり、「使用済み核燃料」を再処理して、ウランとプルトニウムを取り出すと、後に残るのが、極めて危険性の高い「高レベル放射性廃棄物」です。

 安倍新政権は、この「核廃棄物の最終処分」の問題と、その前段の「使用済み燃料の長期貯蔵」の問題に、直ちに着手すべきでしょう。それが第一の政策です。

 なぜなら、この二つの問題に明確な「解決への道筋」を示さないかぎり、たとえ「原発の安全性向上」を徹底的に行い、「絶対に事故を起こさない原発」を開発したとしても、原発は、早晩、止めなければならなくなるからです。

 その理由は、昔から指摘されていることですが、「核廃棄物の最終処分」の方策を見出さないかぎり、原発は「ゴミの捨て場が無い」というだけの理由で、いずれ、止めざるを得なくなるからです。

 実際、全国の原発サイトの「使用済み核燃料貯蔵プール」は、もし原発を順調に再稼働できても、平均6年で満杯になる状況にあり、青森県六ヶ所村の再処理工場の核燃料貯蔵プールも、すでに満杯近くなっています。

しかし、使用済み核燃料は、従来の我が国の計画では、六ヶ所村の「再処理工場」で再処理し、その結果発生する高レベル放射性廃棄物のガラス固化体は、30年から50年の中間貯蔵を経て、地下300メートル以深の安定な岩盤中に埋設する「地層処分」を行うという計画ではないでしょうか?

田坂:その通りです。しかし、その「再処理工場」の操業は、相次ぐトラブルでまだ目途が立っておらず、「地層処分」についても、過去20年間、処分場の建設候補地を探しても、まだ候補地さえ見つかっていないのが現実です。

 それが、いま、全国の原発と六ヶ所村再処理工場の「使用済み核燃料貯蔵プール」が満杯になっている理由ですが、この閉塞状況に、昨年9月、さらに大きな壁が立ちはだかったのです。

何でしょうか?

田坂:昨年9月11日、日本学術会議が内閣府原子力委員会に対して、「地層処分の10万年の安全は、現在の科学では証明できないため、我が国において、地層処分は実施すべきではない」と明確に提言したからです。

 我が国の学界の最高権威である日本学術会議が、政府に対して正式にこの提言をしたことの意味は、極めて重い。

 なぜなら、安倍新政権が、もし、従来通りの政策に従って「地層処分」を進めるとすれば、この学術会議の提言に対して、「10万年の安全」を説明する責任を負うことになったからです。

実現困難な「地層処分」より「長期貯蔵」の政策を

田坂教授は、この「核廃棄物の最終処分」の専門家ですね?

田坂:そうです。私は、40年前に、原子力エネルギーを推進するためには、この「核廃棄物の安全な最終処分」を実現しなければならないと考え、その研究に取り組んだ人間です。そして、学位を得た後は、米国の使用済み核燃料地層処分計画である「ユッカマウンテン・プロジェクト」にも参画しました。また、我が国で唯一操業している六ヶ所村の低レベル放射性廃棄物最終処分施設の設計と安全審査にも携わりました。

 すなわち、私は、原発推進の立場から、この「核廃棄物の最終処分」の方策を20年にわたって研究してきた専門家ですが、その専門の立場からみても、残念ながら、日本学術会議の指摘は的を射ていると言わざるを得ないのです。

では、現状では我が国で「地層処分」ができないとすれば、どうすればよいのでしょうか?

田坂:当面、実現の見込みのない「地層処分」の政策を凍結し、直ちに、「長期貯蔵」の政策に切り替えるべきでしょう。これが第二の政策です。

 すなわち、(1)地層処分の10万年の安全性が証明できるようになるか、(2)地層処分以外の最終処分方法が開発されるまで、数十年から数百年の長期間、使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物を貯蔵するという政策です。

 この政策については、学術会議も同様の提言をしています。ただし、学術会議の提言では、この「長期貯蔵」を「暫定保管」と呼んでいますが。

:その数十年から数百年間の「安全な長期貯蔵」は、技術的に可能なのでしょうか?

田坂:使用済み核燃料について言えば、現在の原発サイトでの「水冷プール貯蔵方式」を「乾式キャスク貯蔵方式」に切り替えるならば、十分に可能でしょう。堅牢なキャスクを用いることによって、仮に貯蔵施設に航空機落下事故があっても、安全性は保たれるでしょう。逆に言えば、「水冷プール貯蔵方式」は、こうした事故対策という意味でも、「長期貯蔵」には向いていません。

「地層処分」の政策を、「長期貯蔵」の政策に切り替えることのメリットは何でしょうか?

田坂:日本学術会議が「現状では実施すべきではない」と提言している「地層処分」を中心に据えた原発政策や核燃料サイクル政策では、もはや国民の納得は得られないからです。

 実際、先ほども申しあげたように、地層処分場の選定についても、この20年間、候補地さえ見つかっていないのです。また、使用済み核燃料から高レベル放射性廃棄物を取り出す再処理工場も、トラブル続きで順調に稼働していないのです。

 こうした状況において、原発サイトや再処理工場サイトの「核燃料プール」に使用済み核燃料を長期にわたって保管し続けることは、事故対策やテロ対策の面からも、国民は安心できず、納得を得られないでしょう。

 ご承知のように、福島第一原発の事故以来、四号機の燃料プールの脆弱性と危険性の問題が世界から指摘され続けてきましたが、こうした問題が国民の不安を増大させていることも、無視するべきではないでしょう。

使用済み燃料の発生量上限で原発稼動年限は決まる

「地層処分」の政策を「長期貯蔵」の政策に切り替えることによって、何が変わるのでしょうか?

田坂:「長期貯蔵」の政策に切り替えるに伴って、使用済み核燃料の発生量の「総量規制」を行うべきでしょう。このことは、学術会議も提言しています。

 すなわち、「捨て場の無いゴミ」を無制限に発生させるのではなく、その「発生総量の上限」を定めるべきです。これが第三の政策です。

 これは、実は、改めて論じるまでもないことなのです。そもそも、世の中に様々な産業がありますが、廃棄物の最終処分の方策を確立せずに操業している産業は、実は、原子力産業だけだということに気がつくべきでしょう。

では、その「総量規制」が導入されると、何が起こるのでしょうか?

田坂:今後、どこまで、使用済み核燃料の発生を認めるかによって、すなわち、その「発生総量の上限」をどこに定めるかによって、原発の「稼働年限」が決まってきます。

 昨年の総選挙では、「原発の稼働をいつまで認めるか」という視点から、「即時原発ゼロ」や「今後10年で原発ゼロ」「2030年代に原発ゼロ」といった議論がなされましたが、実は、原発の稼働年限は、この「使用済み核燃料の発生総量をどこまで認めるか」によって、必然的に決まってしまうのです。

 優秀な政治家や官僚の方でも、この現実に気がついていない人が多いのが、残念です。

では、日本学術会議が提言するように「総量規制」を導入すれば、使用済み核燃料の問題は、「長期貯蔵」という形で、当面の解決策は定まるのでしょうか?

田坂:安倍新政権が「長期貯蔵」への政策転換を行うことは、絶対に必要であると思いますが、実は、それだけで「長期貯蔵」が実現するわけではありません。

何が問題となるのでしょうか?

田坂:その「長期貯蔵施設」を、どこに設置するか。それが、これから大問題となります。

それは、六ヶ所村の再処理工場のサイトでは駄目なのでしょうか?

田坂:青森県が六ヶ所村の再処理工場において使用済み核燃料の貯蔵を認めているのは、あくまでも、再処理を行うまでの「一時的な保管」としてです。もし数百年のオーダーでの長期貯蔵を行う場合には、青森県民を始めとする社会的な合意を得るプロセスが、改めて必要になるでしょう。

 これは、再処理工場が稼働した場合にも、同様の問題に直面します。なぜなら、青森県は、再処理工場から発生する高レベル放射性廃棄物についても、青森県をその最終処分場にすることを認めていませんので、やはり、「高レベル放射性廃棄物の長期貯蔵施設」については、改めて、社会的合意を得るプロセスが必要になります。

「長期貯蔵」の準備を始め、戦略的自由度の確保を

では、もし、青森県と青森県民が使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の長期貯蔵施設の受け入れを拒否した場合、何が起こるのでしょうか?

田坂:再処理工場が稼働していない場合には、使用済み核燃料を各原発サイトに返還するという流れになるでしょう。また、再処理工場が稼働している場合にも、高レベル放射性廃棄物をどこに長期貯蔵するか、という深刻な問題に直面します。

 従って、安倍新政権は、いずれにしても、現状では「地層処分」ができないことを前提として、使用済み核燃料の「長期貯蔵」の計画を準備していくべきでしょう。

 なぜなら、国家の「エネルギー戦略」を考えるとき、決して忘れてはならない大切なことは、「戦略的自由度」だからです。言葉を換えれば、どのような状況の変化が起こっても対応し得る「政策的選択肢」を確保することが、国家戦略の基本だからです。

 国家戦略というものは「博打」ではありませんので、「恐らくこうなるだろう」という希望的観測や、「こうなって欲しい」という主観的願望の混入した政策的判断で決めるべきではありません。「地層処分は、何とか実現できるだろう」や「地層処分が実現できると良いのだが」という判断で決めるべきではないのです。

 福島原発事故から2年近く経ても続く社会的混乱と世論の厳しさ、日本学術会議の重い提言と諸外国も直面する現実、全国の原発の「核燃料貯蔵プール」の満杯状況と再処理工場の稼働遅延などの「現実」を直視するならば、「いかなる状況の変化が起こっても対応し得る政策的選択肢」を直ちに準備し、国家のエネルギー戦略の「戦略的自由度」を確保しておくことは、安倍新政権にとって、まず最初に取り組むべき重要なアクションです。

それが、「使用済み核燃料の長期貯蔵」の計画ですね。ただ、この計画の実現のためにも、敢えて伺いますが、放射能汚染によって住民が長期にわたり立ち入りできない福島第一原発のサイトの周辺地域は、この「長期貯蔵」の候補地として考えられるのでしょうか?

田坂:その考えを述べる方は、政治家や財界の方々にもいますが、それを論じることは、極めて慎重でなければならないでしょう。

 すでに政府は、福島県に対して「福島県を放射性廃棄物の最終処分場にしない」という約束をしています。これは、福島県民の方々の心境を考えるならば、ある意味で当然のことかと思いますが、現在の福島の状況においては、それがたとえ「最終処分」ではなく「長期貯蔵」であるとしても、数百年のオーダーでその地域に核廃棄物を置き続けるということについて、福島県民の方々の理解を得ることは、決して容易ではないでしょう。

では、この「使用済み核燃料の長期貯蔵」の問題は、どう解決すればよいのでしょうか?

田坂:要するに、この問題は、核廃棄物の貯蔵と処分の問題について世界的に生じている「Not in My Backyard」(私の裏庭には捨てるな)という社会心理的問題なのです。そして、この問題に、優れた解決策を見出している先進国は、まだ無いといってよい状況なのです。

 従って、この問題には即効的な解決策は無いのですが、まず、政府として行うべきことは明確です。

すべての都道府県が「長期貯蔵」を引き受けるという法律を

何でしょうか?

田坂:近い時期に「法律的枠組み」の議論を始めることです。

 すなわち、すべての国民に使用済み核燃料の貯蔵と処分の問題を考えることを促すための「法律的枠組み」です。まず、その議論を始めること、それが第四の政策です。

具体的には、どのような法律でしょうか?

田坂:「すべての都道府県が、過去に恩恵に浴した原発電力量に相当する使用済み核燃料の長期貯蔵を引き受ける」という法律を検討すべきでしょう。

そうした法律が成立するでしょうか?

田坂:そうした法律が実際に成立するか否かは、難しい問題ですが、まず、すべての国民が、この問題を「自分たち一人ひとりの問題」として真剣に考える状況を生み出すことが、政府の役割として重要でしょう。

 もとより、すべての都道府県に使用済み核燃料の長期貯蔵施設を建設することは、現実的ではありません。従って、この法律には、上記の条項に加えて「各都道府県が協議・協力して集中貯蔵施設を建設することを、政府は全面的に支援する」という条項を入れるべきでしょう

本当に、そうした法律が上程され得るでしょうか?

田坂:上程され得るか否か以前に、この問題を「法律的枠組み」の問題として国民に提起し、メディアも含めた国民的討議を促すことに、極めて重要な意義があると思います。

 なぜなら、これまでの原子力政策は、「原子力村が、密室で進めてきた」という批判がある一方で、国民の側にも、「政府と電力会社に任せておけば、原発の問題も、うまくやってくれる」という無意識の依存心理があったのも事実だからです。

 すなわち、これから原発問題やエネルギー問題を正しく解決していくためには、まず、国民全体が、こうした「依存型民主主義」の意識を脱し、国民一人ひとりが、この問題を「自らの問題」として受け止め、議論し、政策決定に参画していく「参加型民主主義」の意識へと成熟していくことが求められているのです

 もし、それを行わなければ、これからも国民の意識の中に、「Not In My Backyard」心理と表裏一体の「自分以外のどこかの県が、長期貯蔵施設を受け入れてくれるだろう」という心理が広がってしまい、その心理こそが、原発問題や核廃棄物問題の解決を妨げてしまうでしょう。

 それは、あたかも「原子力の普天間基地問題」とでも呼ぶべき状況に他ならないのです。

「原発維持」でも「脱原発」でも直ちに取り組むべき問題

この問題は、「原発維持」の政府であろうとも、「脱原発」の政府であろうとも、必ず解決しなければならない問題ですね?

田坂:その通りです。だからこそ、新たに国民の信認を得てスタートした安倍新政権には、この問題に、直ちに取り組んで頂きたいのです。そして、正しい形で取り組んで頂きたいのです。

「使用済み核燃料の長期貯蔵」が、新政権にとって、極めて重要な問題であることは、よく理解できましたが、この問題の専門家として、田坂教授に、最後に伺いたい。 たとえ数百年の「長期貯蔵」を実現したとしても、いずれ、「核廃棄物の最終処分」の問題は、解決しなければならないですね?

田坂:それは、決して忘れてはならない、大切な質問です。そして、それもまた、安倍新政権が取り組むべき政策的課題であり、それが第五の政策に他なりません。

 この第五の政策については、次回、詳しく述べたいと思います。

[日経ビジネス]

Posted by nob : 2013年03月22日 15:58

死に方も生き方の帰結、、、素敵です。。。

■全身がん告白の樹木希林 遺影も準備し葬儀参列者も指定ずみ

 3月8日、第36回日本アカデミー賞授賞式で最優秀主演女優賞に輝いた樹木希林(70才)。そのスピーチで、「私は全身がんですから」と衝撃告白した。

 現在、樹木は3か月に1回程度、鹿児島にある『UASオンコロジーセンター』の植松稔医師を訪ねている。手術も抗がん剤治療もせず、適宜ピンポイント放射線治療を行っているという。

「人はがんに向き合って自分を知るということじゃないかと思うんです。(がんが)治ることのためのがんじゃない」

 本誌のインタビューにそう語っていた樹木。彼女の場合、自分を知ることになった結果、夫婦関係を見直すことにもなったし、自分の体を知るきっかけともなった。

 樹木と親しい、ある映画関係者がこう話す。

「樹木さんは死ぬときに“納得がいかない”と思いたくないから、今を大事に生きるようにもなったし、周囲も自分と真剣に向き合ってくれるようになったと嬉しそうに話していたことがありました。樹木さんに言わせると、がんはありがたい病気で面白いんだそうです。いろんなよじれが見えてきて、人生が変わる。そういった意味で“賜りもの”なんだって」

 そんな樹木が死の支度を託しているのが、娘婿の本木雅弘(47才)だ。2001年に都内に構えた二世帯住宅の1階部分に樹木が、2階部分に本木一家が住んでいる。1、2階はエレベーターのみでつながれており、互いの空間を大切にした構造となっている。

 つい最近、ある番組で、樹木は命の始末について、本木とこんなやりとりがあったと明かした。

本木:「樹木さんはどういうふうに死にたいですか? 家ですか? 病院ですか?」

樹木:「できれば家で死なせてもらいたい」

本木:「わかりました」

 前出の映画関係者によれば、樹木は本木に、亡くなった後のこともひと通り話してあるそうだ。

 いくつか具体的にあげると、

●遺影はもう準備ずみ。映画『東京タワー』の時のものを使う。

●現在、家の中もきれいにしているくらいなので、棺の中にはなるだけ物を入れないでほしい。

●葬儀に来てほしい人も指定したい。

●死んだ後は、あんまり思い出してくれなくていい。自分のことは放っておいてくれていい。

 など。遺書を書き、6畳分ほどあった本も処分するなど死への準備をしていく生活の中で、本木が「それにしても樹木さんは死なないですね」と言ったことがあった。樹木は「大丈夫よ、そのうち死ぬから」と笑って答えたという。

[NEWSポストセブン]

Posted by nob : 2013年03月22日 12:27

原発の問題の本質。。。

■なぜ、私は総理に「脱原発依存」を進言したのか
政治は“博打”ではない。重要なのは「政策の戦略的自由度」
田坂 広志

 東京電力福島第1原子力発電所の事故から2年。日本のエネルギー政策は、今も混迷の中にある。日本のエネルギー政策はどこへ行こうとしているのか。福島第1原発事故の際に内閣官房参与として事故対策に取り組んだ田坂広志氏(多摩大学大学院教授)が、原発を中心とするエネルギーの様々な問題について、インタビュー形式で答えていく。

 総理の特別顧問である内閣官房参与の立場にあった田坂氏は、なぜ総理に「脱原発依存」の政策を進言したのか。事故から2年が経過した今、改めて真意を語る。

2011年3月11日の東日本大震災と福島第1原子力発電所事故から2年が経ちました。

 この事故直後の3月29日、田坂教授は原子力の専門家として、当時の菅直人総理から協力を要請され、内閣官房参与に就任し、原発事故対策に取り組むとともに、原子力行政改革、原子力政策転換にも取り組まれました。

 2年を経て、改めて伺いますが、原発を推進する立場にあった田坂教授が、なぜ、菅総理に「脱原発依存」の政策を進言されたのでしょうか?

 当時、官邸にいた政治家や官僚の方々からの話では、菅総理のこの政策転換は、田坂教授の進言が大きな影響を持ったと伺っていますが。

「脱原発依存」の政策進言に込められた真意

田坂:たしかに、2011年7月13日に菅総理が行った原発政策転換の記者会見に向け、私自身、総理に「脱原発依存」の政策を強く進言したことは事実ですが、この2 年間の報道を見ていると、多くの政治家、官僚、財界、メディアの方々が、誤解をされているようなので、改めて、私の真意をお伝えしておきたいと思います。

 私が菅総理に進言したのは、たしかに「脱原発依存」の政策ですが、その本当の意味は、「原発に依存しない社会」を目指す、という意味ではなく、「原発に依存できない社会」が到来する、という意味でした。

 すなわち、福島原発事故の後の社会状況と国民意識の変化を見るならば、たとえ「原発を推進したい」と考えても、不可避的に、「すべての原発を止めざるを得なくなる」と考えたからです。

 そして、不可避的に、この「原発に依存できない社会」が到来するならば、それに向け、いち早く、「脱原発依存」の政策と「国家エネルギー戦略」の政策を準備すべきだと進言したのです。

なぜ、「すべての原発を止めざるを得なくなる」と考えられたのでしょうか? 多くの国民が「原発は極めて危険なものだ」と感じたからでしょうか?

田坂:いえ、そうではありません。問題の本質は、「原発の安全性」ではないのです。

 なぜなら、たとえ「絶対に事故を起こさない原発」が開発され、多くの国民が「原発の安全性」について納得をしたとしても、このままでは、原発は止めざるを得なくなるからです。

なぜ、「原発の安全性」が確証できても、原発は止めざるを得なくなるのでしょうか?

田坂:「核のゴミの捨て場」が見つからないからです。

 専門的な表現をすれば、「核廃棄物」、すなわち、「使用済み核燃料」や「高レベル放射性廃棄物」の最終処分の方策が見つからないからです。

 そして、この「核廃棄物」の最終処分の方策が見つからないかぎり、仮に、いかに原発が安全であったとしても、いかに原発が安価であったとしても、早晩、すべての原発は止めざるを得なくなるのです。

 実際、全国の原発サイトにある使用済み核燃料の保管プールは、現在、平均70%程度の満杯率になっており、もし、すべての原発を再稼働した場合には、あと6年程度で、すべてのプールが満杯になってしまう状況です。

 また、青森県六ヶ所村にある再処理工場には、再処理する使用済み核燃料を受け入れる保管プールもありますが、これも、すでに満杯近くになっています。

専門家だから分かる「日本での地層処分」の難しさ

それは、再処理工場が稼働しないため、起こっている問題なのでしょうか?

田坂:いえ、そうではありません。たしかに、六ケ所村の再処理工場は、技術的トラブルが続き、これまで19回も計画延期になっており、現在も順調に稼働する目途は経っていませんが、それが本質的な問題ではありません。

 なぜなら、たとえ再処理工場が順調に稼働したとしても、「使用済み核燃料」が「高レベル放射性廃棄物」に形を変えるだけで、「核廃棄物」の最終処分の方法が見つからないという問題は、変わらないからです。

しかし、それらの核廃棄物は、日本においても、世界においても、地下深くの安定な岩盤中に埋設するという「地層処分」を行うことになっているのではないでしょうか?

田坂:たしかにそうですが、福島原発事故の後の社会状況と国民意識の変化を考えると、日本において「地層処分」を行うことは、極めて難しくなったと思います。

なぜ、田坂教授は、そう考えられるのでしょうか?

田坂:実は、私自身が「核廃棄物の最終処分」の専門家だからです。

 私は、まだ人類が原発の大事故を経験していなかった40年前、未来のエネルギーとして「原子力」に期待を抱き、その研究に取り組んだ人間です。

 そして、原子力エネルギーの利用を進めるためには、原子炉や再処理工場、高速増殖炉の研究も重要だが、最大の「アキレス腱」になるのは、「核廃棄物の最終処分」の問題であると考え、この問題を博士論文の研究テーマに選んだわけです。

 そして、学位を得た後は、日本の民間企業で地層処分の研究開発に取り組み、さらに、米国の国立研究所では、米国の使用済み核燃料の地層処分計画である「ユッカ・マウンテン・プロジェクト」にも参画し、核廃棄物管理に関する国際学会の議長も務めた専門家です。

 すなわち、私は、「反原発」や「脱原発」の立場からではなく、原発を推進してきた立場から、そして、「核廃棄物の最終処分」の専門家の立場から、福島原発事故の後の社会状況と国民意識の変化を見たとき、「もはや、日本で地層処分はできない」と判断したわけです。

なぜ、そう判断されたのでしょうか?

田坂:実は、「核廃棄物の地層処分」の問題の本質は、「技術的安全」の問題ではなく、「社会的受容」の問題だからです。

 分かりやすく言えば、この問題は、「地層処分が、技術的に安全か否か」という問題以前に、「地層処分を、国民が受け入れるか否か」という問題なのです。

 例えば、先ほど述べた米国の「ユッカ・マウンテン・プロジェクト」は、私が参画していた安全評価チームが、「この地域での地層処分は、十分に安全を確保できる」という報告書を出し、その結果、「ユッカ・マウンテンを最終処分場にする」という政府の決定が下されたのですが、その後、住民と国民の強い反対で、決定が覆されたのです。

 同様に、米国だけでなく、イギリス、フランス、ドイツ、カナダなどの各国も、政策的には地層処分を掲げていますが、私が研究を始めた40年前から今日に至るまで、どの国においても、地層処分計画は進んでいません。その最大の理由は、やはり「国民や住民の納得が得られない」という社会的受容の問題なのです。

 こうした海外の事例と経験を踏まえるならば、福島原発事故の悲惨を経験した我が国において、「核廃棄物の地層処分場」を受け入れてくれる地域を見つけ、国民の納得を得ることは、極めて難しいでしょう。

 実際、日本においては、「NIMBY心理」(Not in My Backyard:我が家の裏庭には捨てるな)が広がっているため、放射能汚染という意味では比較的軽微な汚染の「がれき」さえ、その搬入を拒む社会心理が生まれています。

 そして、この放射性廃棄物や核廃棄物の地域への搬入を忌避する社会心理は、これから、さらに深刻な状況になっていくでしょう。

福島原発事故で開いた「パンドラの箱」

なぜ、そう考えられるのですか?

田坂:「パンドラの箱」が開いたからです。

 すなわち、福島原発事故は、ある意味で、放射性廃棄物や核廃棄物という「厄災」が、次々に飛び出してくる「パンドラの箱」でもあるのです。

具体的には?

田坂:いま述べた大量の「がれき」と同時に、地域の除染作業に伴って発生している膨大な「汚染土」の問題があります。

 また、メルトダウンした原子炉の冷却に伴って毎日400トン発生している「汚染水」も膨大です。

 さらに、「汚染水」の浄化処理に伴って発生するイオン交換樹脂やフィルター、スラッジなどの「高濃度放射性廃棄物」が、まもなく深刻な問題になります。

 しかし、それでもこれらは、まだ「序曲」にすぎません。問題は、メルトダウンした三つの原子炉の解体と廃炉です。

 もとより、原子炉の解体に伴って膨大な「解体廃棄物」が発生しますが、それよりも深刻なのは、あの三つの原子炉は、世界に存在する放射性廃棄物の中でも「最も危険で厄介な高レベル放射性廃棄物」だということです。

 そして、数十年の歳月をかけて技術開発を行い、これらの原子炉を何とか解体し、廃炉にできたとしても、今度は、建屋の下の土壌と岩盤が、極めて深刻な放射能汚染をしているという問題に直面するでしょう。

さらに広がる「放射性廃棄物受け入れ忌避」の社会心理

なるほど。使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の問題だけでなく、実に多くの問題が「パンドラの箱」から飛び出してくるのですね。

田坂:その通りです。しかし、残念ながら、前政権も、現政権も、この問題の深刻さと厄介さに気がついている方は、極めて少ないのです。

 それでも、現在、福島原発問題に責任を持つ安倍政権は、まもなく、この問題の深刻さと難しさに気がつかれるでしょう。

 なぜなら、これらの諸問題は、決して、「先送り」のできない、そして、「目を背ける」ことのできない、「目の前の現実」だからです。

 そして、今後、これらの問題が表に出てくるたびに、日本社会全体に「放射性廃棄物の受け入れ」を忌避する社会心理、「NIMBY心理」が広がっていくことになります。

 福島原発事故の後の社会状況や国民意識の変化を考えるならば、我が国において「核廃棄物の地層処分」を行うことは、極めて困難になったと申し上げるのは、そうした理由からです。

 私は、一昨年の事故直後に、専門家としてそうした判断をしていましたが、それから一年半を経た昨年9月11日に、我が国のアカデミアの最高権威である日本学術会議も、政府に対し、「現在の科学では、核廃棄物の地層処分の10万年の安全を証明することはできない。従って、現時点において、我が国で地層処分は行うべきではない」と正式に提言しました。

 この提言も、今後、現政権が核廃棄物の問題に取り組むとき、重くのしかかってくるでしょう。

なるほど。田坂教授が、「どれほど『原発の安全性』を高めても、いずれ『原発に依存できない社会』がやってくる」と言われるのは、それが理由ですね。

田坂:そうです。核廃棄物の問題を解決できないかぎり、原発は、遅かれ早かれ、必ず止めざるを得なくなります。

 昨年末の総選挙において、各党間で「原発ゼロ社会」を目指すべきか否かが議論されましたが、「原発ゼロ社会」は、目指すか目指さないかという「選択の問題」ではなく、このままでは「不可避の現実」なのです。

 従って、安倍総理が施政方針演説で、「原発ゼロ政策を見直す」ということを述べましたが、もし、将来において「原発を一定のレベルで残すべき」と考えるならば、単に「原発の安全性を確認する」だけでなく、「核廃棄物の長期的安全性を確保する」ということが不可欠の課題となるのです。

では、「核廃棄物の長期的安全性」を確保するためには、どうすれば良いのでしょうか?

田坂:そのことについては、すでに、この連載の第1回と第2回のインタビューにおいて、詳しく述べましたので、それを参照していただければと思います。(第1回「安倍新政権に立ちはだかる『核廃棄物』の壁」、第2回「安倍政権は核廃棄物管理の国際機関の創設を」)

「脱原発」の政策とは異なる「脱原発依存」の政策

そうですね。では、その考えに基づいて、田坂教授が当時の菅総理に進言された「脱原発依存」の政策と「国家エネルギー戦略」の政策は、どのようなものだったのでしょうか?

田坂:まず、「脱原発依存」の政策ですが、そもそも、この政策の意味を誤解されている方が多いので、改めて申し上げておきます。

 「脱原発依存」の政策は、「脱原発」の政策とは異なるものです。

 すなわち、「脱原発」の政策とは、「ただちに原発の利用を止める」ことを目指すものですが、私が総理に進言した「脱原発依存」の政策とは、「経済と生活に甚大な影響を与えないように配慮しながら、計画的・段階的に原発の利用を減らしていく」という政策です。

なぜ、そうした政策を進言したのでしょうか?

田坂:政治とは“博打”ではないからです。“一か八かの賭け”ではないからです。

 すなわち、「国民の生命と生活」に責任を持つ国家の政治においては、「恐らくこうなるだろう」という希望的観測や、「こうなってほしい」という楽観的願望で、一つの政策を決めるべきではないからです。

 言葉を換えれば、たとえ原発の推進に携わってきた私のような立場であっても、「これからも原発は、国民の理解を得て稼働していけるだろう」という希望的観測や、「何とか原発の利用を続けていきたい」という楽観的願望に立脚して、安易に「原発依存」を前提とした政策を採るべきではないのです。

 仮に、政府が政治的判断で多くの原発を再稼働したとしても、もし、明日、どこかの原発で何らかの事故が生じたときには、また、直ちに全国の原発を止めざるを得なくなる事態も、十分にあり得るからです。

 同様に、たとえ原発の廃止を希望する立場であっても、「これからは、自然エネルギーで電力需要を十分に賄えるだろう」という希望的観測や、「自然エネルギーが飛躍的に伸びると良いのだが」という楽観的願望に立脚して、簡単に「原発即時廃止」といった政策を採るべきではないのです。

 いま、「目の前の現実」を冷静に見つめるならば、「原子力エネルギーが、核廃棄物問題も含めた『安全性』について、国民の信頼と納得が得られるか」は、まだ分からないのです。

 そして、「自然エネルギーが、どれほど急速に普及し、社会の『基幹的』エネルギーになるか」も、まだ分からないのです。

 従って、現時点での「国家エネルギー戦略」の政策は、今後、どのような情勢の変化が起こっても対応できるような「柔軟性」、言葉を換えれば「戦略的自由度」を確保しておくことが、極めて大切なのです。

日本が取り組むべき「国家エネルギー戦略 四つの挑戦」

それが、2011年5月にフランスで開催されたG8ドーヴィル・サミットに向け、田坂教授が総理に進言した「国家エネルギー戦略 四つの挑戦」ですね。

田坂:そうです。このサミットには私も同行しましたが、総理は、日本がこれから取り組むべき、次の「四つの挑戦」について世界に表明しました。

1. 原子力エネルギーの「安全性」への挑戦
2. 自然エネルギーの「基幹性」への挑戦
3. 省エネルギーの「可能性」への挑戦
4. 化石エネルギーの「環境性」への挑戦

 すなわち、日本のエネルギーの「ベスト・ミックス」は、この「四つの挑戦」を徹底的に行った結果、その「現実」を踏まえて決まるものであり、「希望的観測」や「楽観的願望」に基づいて決めるべきではないのです。

 そして、特に、ここで誤解してはならないのは、原子力エネルギーの「安全性」への挑戦、という意味です。

 なぜなら、この「原子力エネルギーの安全性」とは、先ほど述べたように、単に「原発の安全性」だけでなく、「核廃棄物の長期的安全性」をも含んだものであり、このことを明確に理解するべきでしょう。

「原発の安全性」の本質は「制度的安全性」

 そして、「原発の安全性」についても、それは、単に「堤防を高くしました」「電源を多重化しました」といった「技術的安全性」を確保するという意味だけでなく、「原発の安全性を審査する組織や制度が適切か」という「制度的安全性」をも含んだものであることを、深く理解すべきでしょう。

 なぜなら、今回の福島原発事故の真の原因は、国会事故調査委員会が「これは人災である」と指摘し、原子力安全・保安院のあり方に対して「規制当局は、電気事業者の『虜』となっていた」と指弾したように、「人的、組織的、制度的、文化的要因」こそが、真の原因だからです。

 すなわち、原子力エネルギーの「安全性」への挑戦とは、従来の原子力規制、原子力行政、原子力産業のあり方を、国民の信頼を得られるものに、根底から変えるということを意味しているのです。

 逆に言えば、これから「原発の技術的安全性」をどれほど高めても、この「原子力行政と原子力産業の制度的安全性」を高める努力を怠り、「核廃棄物の長期的安全性」を確保する努力を怠るかぎり、国民からの信頼を回復することは決してできず、結果として、原子力エネルギーは、我が国のエネルギー政策において、フェイドアウトしていかざるを得ないことを、政府は、理解されるべきでしょう。

なるほど。では、田坂教授は、その考え方に基づき、野田政権が進めた「原発ゼロ政策」について、どのような進言をされたのでしょうか?

田坂:そのことについては、次回、詳しく述べたいと思います。

[日経ビジネス]

Posted by nob : 2013年03月21日 11:29

小動物一匹であわや日本沈没!?\(゜ロ\;)(;/ロ゜)/

■福島第1原発停電:小動物の感電が原因か

 福島第1原発で停電が起き、使用済み核燃料プールの冷却装置など9設備が停止した問題で、東京電力は20日、各設備に電力を分配する仮設配電盤の一部に焦げた跡があり、真下にネズミのような小動物の死骸が見つかったと発表した。小動物が高電圧部分に接触、感電してショートし、停電した可能性があるとみて調べている。

 仮設配電盤は、金属製の容器(幅5.7メートル、高さ2.3メートル、奥行き1.8メートル)に収められ、容器ごと屋外のトラックの荷台に載せられている。作業員が容器の側面の扉を開けて中を確認したところ、電圧6.9キロボルトの端子付近の内壁にすすが付き、真下に体長15センチほどの小動物が死んでいた。周囲には飛散した体毛もあった。

 仮設配電盤のケーブルは半開きの扉を通って外部とつながっている。雨が入らないように隙間(すきま)をシートで覆っているが、尾野昌之原子力・立地本部長代理は「隙間から小動物が入り込んだ可能性は否定できない。配電盤が屋内にあれば容易に入り込まないはず」と話した。

 停電は18日午後6時57分に発生。東電によると、1、3、4号機の使用済み核燃料プールなど、停電の影響を受けたすべての設備は20日午前0時12分までに全面復旧した。【比嘉洋、岡田英】

[毎日新聞]

Posted by nob : 2013年03月20日 21:21

風邪と心の病にかかれる力は、、、まさに天賦の才。。。Vol.15

薬剤投与は、あくまで対症療法に過ぎず、

疾患を抑え込み癒していくのは、あくまで自らの自然治癒力によるものなのですから、

あまりに痛みが強いなど、症状が我慢できないほど強くなければ、投薬は不要です。

身体は病原に対しての必要な反応として様々な症状を出しているのですから、

しっかりと休養を取りながら、そうした様々な症状を通して、自らの心と身体との対話を深めていくことがまず何より肝要なのです。

Posted by nob : 2013年03月20日 15:23

結末は自明の茶番劇。。。

■米 TPPは関税撤廃が原則と強調

アメリカ通商代表部のマランティス代表代行は19日、議会で証言し、TPP=環太平洋パートナーシップ協定について、すべての品目の関税撤廃を目指す交渉の原則を改めて強調するとともに、日本の交渉参加に向けて懸念となっている自動車や保険部門の扱いについて協議を続けていく考えを示しました。

アメリカ通商代表部のマランティス代表代行は19日、議会上院でオバマ政権の通商政策について証言しました。

この中で、議員からは日本のTPP交渉への参加表明を評価する意見が出た一方で、日本が米などの農業分野で関税撤廃の例外を求めていることへの批判も相次ぎました。

これについてマランティス代表代行は、「TPPはすべての関税を撤廃することを目標にした高い水準の協定だということを日本政府も理解している。通商代表部はアメリカの農業の利益につながるよう、議会とともに真剣に対応していく」と述べ、すべての品目の関税撤廃を目指す原則を改めて強調しました。

また、アメリカ側は、日本の交渉参加への同意に向け、自動車や保険部門を残された課題として挙げ、日本向けの自動車輸出を増やす対策などの事前協議を続けています。

マランティス代表代行は、「自動車や保険部門には懸念を持っており、日本との話し合いは前進しているが、協議を続けていく」と述べ、日本と詰めの調整を続けていく考えを示しました。

[NHK NEWS WEB]


■TPP=環太平洋経済連携協定への日本の交渉参加を巡り、アメリカの議員から「日本は本当に市場を開放する気があるのか」といった懸念の声が多く上がっています。

 米・スタブノー上院議員:「アメリカで日本車が120台売れている間に、アメリカの車は日本で1台しか売れていない!」

 米通商代表部・マランティス代表代行:「日本との自動車を巡る問題は、長い歴史がある。オバマ大統領にとっても重大な問題だ」

 19日に開かれたアメリカ上院金融委員会で、自動車産業が集まるミシガン州選出のスタブノー議員は、日本は輸出を増やすために「為替操作で円安に誘導している」と厳しく批判しました。ほかの議員からも、農業や保険の市場開放に関する懸念が相次ぎました。一方、交渉を担当するUSTR=アメリカ通商代表部は、さまざまな懸念の解決に向けて「日本と協議を続けている」と繰り返し説明しました。

[テレ朝 NEWS]

Posted by nob : 2013年03月20日 14:40

すぐに弾けるプチバブル。。。

■TPP参加で成長が期待される企業群

 安倍首相は3月15日、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加を正式表明した。TPP参加となれば日本のマクロ経済面のプラス・マイナス効果が注目される。当欄ではミクロ面の関連企業群を探る。

日本政府がTPPへの交渉参加を正式表明

 安倍首相はTPP交渉参加を正式表明した当日に、マクロ面の経済効果の政府統一試算も発表した。それによるとプラスとマイナスの効果を総合して、実質国内総生産(GDP)を3.2兆円(0.66%)押し上げる効果がある、としている。

 プラスの効果は、日本の関税撤廃で安い農産品などの輸入が増えることによる「消費の拡大効果」が3兆円(0.61%)と最も大きく、次いで関税撤廃による日本の工業品などの「輸出増」の効果が2.6兆円(0.55%)、「日本への投資拡大」などの効果が0.5兆円(0.09%)あるとみている。マイナスの効果は、「安い農産品などの流入」が国内の農林水産業に与える打撃を2.9兆円(0.6%)と見積もっている。

TPPは日本を含む12か国で交渉へ

 TPPは、環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定 (EPA) である。2006年5月28日にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国で発効した後に、2010年3月にはその4カ国に加えて米国、豪州、ペルー、ベトナムの8カ国で交渉が開始された。その後マレーシア、メキシコ及びカナダが交渉に参加し、現在は11カ国で、非関税分野や新しい貿易課題を含む包括的な協定として交渉が行われている。

 今回、日本が交渉参加を正式表明したことにより、早ければ今年6月ごろ、遅くとも10月ごろには日本を含む12か国での交渉が開始されることになろう。
TPPは高い水準の自由化を求める

 TPPの基本的な考え方として、まず「高い水準の自由化」が挙げられる。アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に向けた道筋の中で実際に交渉中のものであり、環太平洋地域における高い水準の自由化が目標になる。物品市場アクセスの交渉対象については、全ての品目を自由化交渉の対象としてテーブルに乗せなければいけないとされているが、最終的な関税撤廃の原則については定かではなく、微妙な、あるいは問題となりそうな品目の扱いは交渉分野全体のパッケージの中で決まるとされる。

 もうひとつは「非関税分野や新しい分野を含む包括的な協定」を目指していることである。物品市場アクセス(物品の関税の撤廃・削減)やサービス貿易のみではなく、非関税分野(投資、競争、知的財産、政府調達等)のルール作りのほか、新しい分野(環境、労働「分野横断的事項」等)を含む包括的協定として交渉される。


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TPP参加で成長が期待される主な企業群

 日本の交渉参加が承認され関税撤廃などの協定締結となれば、日本の輸出企業には相手国の関税撤廃による製品・サービスの価格競争力アップ、日本の輸入企業には日本の関税撤廃による原材料費の減少などのメリットが期待されよう。

■自動車関連■

 トラックや二輪車、ベアリング(軸受け)などは米国を筆頭に交渉参加国の輸入関税が比較的高いとされる。関税引き下げによる日本製品の競争力拡大に期待。

 <トヨタ自動車>…日本を代表する自動車メーカー。グループで軽自動車からトラックまで幅広くラインアップ。

 <いすゞ自動車>…小型トラックやピックアップトラックに強み。トラックや二輪車、ベアリング(軸受け)などは米国を筆頭に交渉参加国の輸入関税が比較的高いとされる。

 <富士重工業>…北米市場で高性能車の販売拡大に期待。

■原材料価格・製品コストの低下関連■

 日本の輸入関税引き下げにより、農産物では食材コストの低下が見込まれる。衣料品などの製造を東南アジアで行い、日本に輸入する小売業も恩恵を享受する。

 <日本マクドナルドホールディングス>…小麦や食肉などの日本における関税低下・撤廃により、食材コストの低下につながると期待。

 <ゼンショーホールディングス>…外食大手で、牛丼の「すき家」のほか、「ココス」「ビッグボーイ」を展開。牛肉は豪州産が主力。

 <ファーストリテイリング>…アパレル製造業/小売業の代表格。アジアに生産拠点を展開。

■農業競争力の強化関連■

 コメなど一部農産品などは関税撤廃の例外になるとの見方もある一方で、輸入農産物との競争激化に伴い国内農業は政府支援の下で農地集約化や、企業による農業参入が進む可能性もある。

 <井関農機>…農業機械の大手。大型トラクターやコンバインが好調。輸入農産物との競争激化に伴い国内農業市場の活性化が進む可能性があろう。

 <クボタ>…農業機械の国内最大手。建設機械や鋳鉄管も手掛けている。

 <丸紅>…大手総合商社の一角で、穀物の取り扱いに強みを有する。TPP交渉国間における貿易量の拡大も追い風に。

■その他■

 TTP交渉国間における貿易量の拡大で、荷動きの活発化が見込まれる。国内外における金融や医療、メディアなどの各種サービスの自由化が進もう。

 <日本郵船>…海運大手で、海運売上高国内首位。足元では自動車船が復調。貿易量の拡大で、荷動きの活発化が見込まれる。

 <ジップヘルスヘルスケアホールディングス>…海外における病院の新設・移転、手術室の設営サービスなどを開始。

鈴木東陽(すずき・とうよう) 日本証券アナリスト協会検定会員。証券専門紙や経済誌、三洋経済研究所、いちよし経済研究所などを経て、現在、いちよし証券シニアアナリストとして、投資セミナーや経済講演などに従事。

[読売新聞]

Posted by nob : 2013年03月20日 10:42

状況も体質もほとんど変わっていない、、、核廃棄物取り出しが完了するまでに再度の大きな地震が起きないことを祈るのみ。。。

■福島原発停電 拭い難い不安と不信残る

 東京電力福島第1原発で18日に停電が起こり、1、3、4号機の使用済み燃料プール代替冷却システムなどが停止した。

 完全復旧に向けて懸命な作業が続けられた。今回の事態は、事故から2年が経過した現在も福島第1原発が不安定な状態であることを思い知らせ、国民の間に横たわる原発への不安感と東電への不信感を、拭い難いものにした印象がある。

 停電後も、原子炉内の燃料が溶け落ちた1〜3号機の原子炉への注水は維持できて、周辺のモニタリングポストの放射線量に目立った変化は見られなかったという。

 しかし、1〜4号機の使用済み燃料プールには3千体以上の燃料が残っているほか、冷却システム復旧のめどが立った共用プールにも燃料6377体が保管されており、停電が長引けば深刻な事態に発展することも想定された。

 冷却システムの停止で、13・9〜25度だった4号機などのプールの水温は徐々に上昇したことが確認されたという。保安規定上の管理温度の上限は65度とされているが、最も水温が高い4号機では、早ければ4日余りで上限に達する危険性もあったのだ。

 停電の原因について、東電は仮設の配電盤に不具合が生じた可能性があると説明している。早急に究明して説明責任を果たし、再発防止に全力を挙げる必要がある。

 廃炉に向け、4号機の燃料プールからは今秋にも燃料取り出し作業が始まる予定だっただけに、今回の事態は廃炉への道のりの厳しさをあらためて示した形だ。

 東電や政府は、東電や原発に対する国民の信頼が根本から揺らいでいることを肝に銘じるべきだ。

 東電をめぐっては、国会が設置した事故調査委員会に対して原発事故発生当時に事実と違う説明をし、事故調による現地調査を断念させた経緯があったことも最近分かり、隠蔽(いんぺい)体質が問題になった。

 今回の停電についても、公表遅れを指摘する声もある。すぐに復旧するから公表しなくてもいい、といった甘い判断はなかったか。こういった不信感を払拭(ふっしょく)できなければ、徹底した安全対策も構築できまい。

 また同様なことが繰り返されるのか、不安はいつまで続くのか。今回の事態に、国民の多くがそう感じたのではないか。原発に依存することのリスクの大きさをもまた、再認識せざるを得ない。

[琉球新報]


■東電の体質変わらず 福島第1原発停電の3時間後に公表、謝罪もほとんどなく

 18日午後7時ごろに発生した東京電力福島第1原発の停電で、東京電力は問題発生から15時間以上経過した19日午前10時、東京都千代田区の東電本店でようやく1回目の会見を開いた。記者会見では地元住民などに対する謝罪の言葉はほとんどなく、淡々とした状況説明に終始。東日本大震災直後の事故対応のまずさが問題となった東電だが、その「体質」が変わっていないことを露呈した。

 不安が広がる地元住民などへの謝罪の言葉は、ほとんどなかった。午前10時から行われた1回目の会見。尾野昌之原子力・立地本部長代理は「まず、発生の状況ですが…」と切り出した。住民感情を考えても、まずは謝罪をするのが“常識”。だが、約2時間に及んだ会見終盤にやっと「ご心配をおかけして大変申し訳ない」と短く述べただけだった。

 さらに、午後4時30分から行われた2回目の会見でも、尾野氏は自らは謝罪を口にしなかった。報道陣から「午前の会見では一般の人たちへの反省、謝罪の言葉が一言ぐらいしかなかったが」と話が振られた後に「ご心配をおかけしていることには申し訳ないと思っております。現在、復旧に万全を尽くしておりまして、何とぞご理解いただきたい」と淡々と述べた。

 会見は停電状況をマスコミを通じて一般の人に知ってもらうためのもの。だが、1回目の会見で尾野氏が行った、停止した設備についての解説では、A4用紙に書かれた配線図をそのまま白板に貼り付けて使用。最前列の席からも見るのが難しいほど小さかったが、説明はそのまま続けられた。

 そもそも、今回の停電を東電が公表したのは、停電発生後3時間以上が経過した18日午後10時過ぎだった。「被害住民者への思いやり」や「迅速な情報開示ができていない」ことなど、原発事故直後に指摘されていた問題点を改善していないことが露呈。茂木敏充経済産業相(57)は19日の閣議後の記者会見で「事態をしっかり把握した上での発表だと思うが、こうしたものは早いほうがいい」と苦言を呈した。

 一方、復旧は順次進んだ。東電によると、停電で1、3、4号機の使用済み燃料プール代替冷却システムなど9つの設備が停止したが、そのうち8設備は19日夜までに復旧。燃料6377体が保管されている共用プールの冷却設備も、20日午前0時すぎに運転を再開した。停電の影響を受けた9設備は約29時間ぶりに全面復旧した。停電の原因については、全容が解明されていない。

[スポーツ報知]


■福島原発停電 事故は収束していない(3月20日社説)

 東京電力福島第1原発で18日夜、停電が発生し、1、3、4号機の使用済み燃料を保管するプールの冷却装置などが停止した。

 全面復旧までに1日以上かかった。

 冷却できないとプールの水が蒸発し、最悪の場合、過熱した使用済み燃料が溶融する恐れがある。

 最も水温が高い4号機では、4日程度で保安規定上の管理温度の上限である65度に達するという。

 東電は停電の原因を徹底的に究明し、再発防止に全力を尽くさなければならない。

 原因の特定に手間取るトラブルがいまだに発生するのは、事故から2年が経過しても、福島第1原発が極めて不安定な状態にあることを示している。

 事故は発生直後の危機的な状況を脱しただけで、依然収束していない。東電も政府も、このことをあらためて心に刻むべきだ。

 停電の公表は、発生から3時間後と遅れた。東電は事態を過小評価してはならない。迅速で正確な情報公開こそ信頼の前提である。

 使用済み燃料プールの冷却をめぐってはトラブルが頻発している。

 昨年6月も4号機のプールで約30時間にわたって機能が停止した。冷却設備自体に問題がないか、再点検が必要だ。

 事故当初、水素爆発で建屋が吹き飛んだ4号機では、プールの水がなくなって「空だき」状態となり、大量の放射性物質が飛散する大惨事も懸念された。

 その後、緊急の耐震補強が施されたとはいえ、建屋は傷んでおり、東日本大震災の余震も続いている。

 使用済み燃料の搬出が11月に開始される予定だが、水漏れや倒壊による冷却機能喪失の恐れは消えない。

 綱渡りのような収束作業が続いている現状を考えれば、政府は最悪の事態を想定し、被害の予測と対策を国民に示す責務がある。

 使用済み燃料の貯蔵についても根本的な見直しが求められる。

 第1原発の敷地内で、一部の使用済み燃料を保管していた空冷式の金属容器は震災時も無事だった。この手法は乾式貯蔵と呼ばれ、国際的には主流となっている。

 原子力規制委員会は原発の安全対策として、電力各社に乾式貯蔵への切り替えを指導するべきだ。

 事故には今なお不明な点が多く、炉心溶融を起こした原子炉内の状態も把握できていない。だからこそ、国会事故調査委員会は原因を解明する作業の続行を求めた。

 政府と東電はこの提言を実行し、事故から謙虚に教訓をくみ取る姿勢を忘れてはならない。

[北海道新聞]

Posted by nob : 2013年03月20日 08:28

言えてます。。。

■「気がきく」人がやっていること
能町光香

「この人、気がきいているな」と思わせる
サンキュー・メールの送り方

あなたは「気がきく」メールを
送ることができていますか?

 新社会人は、上司、先輩、同じ部署のメンバーなど、たくさんの人からさまざまなことを学びながら、「仕事」を覚えていきます。ですから、

「いつも教えてもらってばかりで申し訳ない」
「自分は一人では何もできなくって情けない」

というような気持ちを持たなくていいのです。

 それよりも、今はいろいろ教えてもらうことが多い時期であるとわりきって、「ありがとう」の気持ちを素直に伝えていくことを考えてみてはいかがでしょうか?

 誰にでもできること、それは、日々職場でお世話になっている人たちに、とびっきりの笑顔で「ありがとうございます」と素直に言葉で伝えることです。ときには、あなたの一言が、職場の風通しをよくすることもあります。とはいうものの、周りの人はみんな忙しそうにしているし、職場はとても静か。感謝の気持ちを伝えたいけれども、いつどんなときに、どんなふうに伝えればいいのかわからないと悩んでしまうこともあるかもしれません。

 どうすればいいのでしょうか?

サンキュー・メールを入れるなら
夜がいい?それとも朝がいい?

 まずは自分なりの「マイルール」を作りましょう。
 たとえば、私が企業で働いていたときのマイルールは次の2つです。

1. 相手と別れるときに、必ず「ありがとうございました」と言ってから別れる
2. 翌日の朝、始業時間15分前に、前日お世話になった人に、「サンキュー・メール」を送る

 たった2つのシンプルなマイルールです。

 よく、「なぜ、始業時間15分前に送るのですか」という質問を受けるのですが、理由は、朝の時間をお互いが気持ちよく過ごせるからです。朝出社してパソコンを立ち上げ、メールボックスを見たときに、一番上にあるサンキュー・メールがパっと目に飛び込んで来たら、相手は朝からうれしい気持ちのまま仕事をスタートさせることができます。

 なぜ、夜遅くのサンキュー・メールではダメなのか。それは、その後に送られてくるその他のいろいろなメールに混ざってしまい、埋もれてしまう可能性があるからです。

 また、サンキュー・メールを送るほうは、前の日にお世話になった人の顔を思い浮かべ、感謝の気持ちを伝えることから気持ちよく仕事をはじめることができるからです。

相手が喜ぶサンキュー・メール
3つのポイント

 では、相手が喜んでくれるサンキュー・メールとはどのようなものでしょうか。
 相手にとって負担にならず、気持ちよく読んでもらえるためのポイントは次の3つです。

 1 簡潔に
 2 自分の言葉で
 3 ちょっとしたプライベートのメッセージを添える

 1の「簡潔に」というのは、なるべくシンプルに、8~10行ぐらいにまとめて書くということです。感謝の気持ちを伝えたいあまり、ついダラダラと長く書いてしまいがちですが、長いメールをもらうと相手はメールを返さないといけない、という義務感にかられ、それが負担になってしまいます。

 2の「自分の言葉で」というのは、つたなくても自分の言葉で感謝の気持ちを伝えるということです。ビジネス文章の書き方のマネをした機械的なメールよりも、心のこもったメールのほうがうれしいものです。

 そして、3の「ちょっとしたプライベートのメッセージを添える」というのは、時間を一緒に過ごしたときの共通の話題を、プライベートメッセージとして添えること。より親近感がわいて、お互いの距離がグンと近くなります。

 相手が喜んでくれる、気のきいたサンキュー・メールを送りたいですね。

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2013年03月19日 08:45

何者にもならず、何処にも属さず、何も遺さない、、、近しいスタイル私の自然発生的漂流生活もはや二十有余年。。。Vol.2

■僕らの時代のライフデザイン

全編からの抜粋

今、同時多発的に起きている「新しい生き方」とは?
もっと自由に生きるためのソーシャルキャピタル
山口揚平×米田智彦 対談【後編】

「好き」で生計を立て、自由に生きるために今最も必要なものとは何か。『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』の著者・山口揚平さんと、『僕らの時代のライフデザイン』の著者・米田智彦さんが語り合う、僕らがもっと自由に、もっと豊かに生きるためのソーシャルキャピタルとは。

お金で買えない価値を生む“聖域”が
日本全国に続々と出現中

米田智彦(よねだ・ともひこ) 1973年、福岡市生まれ。青山学院大学卒。研究機関、出版社、ITベンチャー勤務を経て独立。フリーの編集者・ディレクターとして出版からウェブ、ソーシャルメディアを使ったキャンペーン、イベント企画まで多岐にわたる企画・編集・執筆・プロデュースを行う。2011年の約1年間、家財と定住所を持たずに東京という“都市をシェア”しながら旅するように暮らす生活実験「ノマド・トーキョー」を敢行。

山口揚平 (やまぐち・ようへい)ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役。早稲田大学政治経済学部卒。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業した。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供、2010年に同事業を売却後、12年に買い戻した。現在は、コンサルティングなど複数の事業・会社を運営する傍ら、執筆・講演を行う。専門は貨幣論・情報化社会論。

米田:僕が最近強く思うのは、お金がなくても信用だけで生きていける人が本当にけっこうたくさんいるんだな、ということ。信用によってお金以外の価値を直接交換することで豊かさとかハッピー、生きがいなどを感じられるんですよね。

 そこに気づいた人が出てきたことが、ここ数年の一番の変化なんじゃないかな。そんなバカなと思う人も多いかもしれないけど、それはここ数十年の都市だけの常識で、日本は昔から貨幣以外の価値、信用が生む価値というのが生活にも商売にも深く関わっていたわけです。

山口:確かにそうですね。たとえば田舎に移住した友人を訪ねていくと、地元の人だけが知るうまい米とかうまい酒が出てくる。でもそれって、関係性や信頼がないと不可能なことじゃないですか。要するに、そういうものは金で買えない。そういう生活を毎日送っている彼らに接すると、大してお金は持っていないかもしれないけれど、全体の価値と信頼の総量、つまり可視化されていない豊かさの総量は十分に大きいなと思いますね。

米田:それがお金だけじゃないキャピタルなんですよね、きっと。言葉にすると、ソーシャル・キャピタルということになるんでしょうけど。

山口:そう思います。価値と価値を交換するという贈与経済の本質的な意味は、何かをあげて何かをもらうと、文脈が途切れず「流れる」ということなんですよ。そしてさらにまた、それを誰かにあげようとする。それが延々と続いていくんです。

米田:確かにお歳暮とかでもそうですけど、何かを贈るとお返ししなきゃいけないと思いますもんね。流しそうめんみたいに1回流れができれば、「贈り、贈られる」という関係性がずっと続いていく。その分、ご縁が深まるわけです。それって経済そのものですよね。

山口:本当にそう思います。僕は昨年12月、フェイスブック上に「Gift」というサービスを立ち上げたんですが、これは友だち同士で自由にモノや知識をシェアしたり、使わなくなったものを無償であげたり貸したりできるというもの。

 たとえば引っ越しのときに要らなくなったベッドを“出品”すると、それを欲しいという人から連絡がくるんです。そこで繰り広げられるやり取りが、すごく面白いんですよね。ちなみに僕は自宅の空いている部屋も無償で貸し出しています。ちょうど今、ベルギーから友だちが来て、泊まっていますよ(笑)。

米田:ぼくも2011年1月から1年間、家もオフォスも持たずにトランク1つで東京を旅するように暮らす「ノマド・トーキョー」という生活実験型プロジェクトをやったとき、自分の持っているものを何かあげる代わりに、その人の家に3泊4日させてもらったりしましたね。

 お金を払って泊まるんだったら簡単なんです。でもそれじゃ結局、その人と仲良くなれないまま、お金の関係だけで終わってしまう。お金を使わずに初めて会った人のところに泊まり、コミュニケーションをとりながらどうやって今までゼロだった関係を一夜にして築くか、というところに面白さがあったんです。

山口:お金で何かを買うとそこで文脈が断絶するけれど、価値を交換することで関係が強まり、深まるんですよね。

米田:フィールドワークを通して、資本主義が入り込めない、お金で買えない価値みたいなものを生み出す場所、つまりアジール(聖域)みたいなものが日本中にポコポコ同時多発的に登場しているなと気づきました。その価値というのは、資本主義の論理からすると全然儲かってないし、むしろ貧困化じゃないかとか、甘いとか青臭いっていう論で片づけられるのかもしれないけど、僕はそこにすごく魅力を感じていて。もしかしたら今の20代とか若い世代が、そこで新しくブレークスルーする可能性があるんじゃないかなと期待しているんです。

 そのためにも、これから実践のなかで、みんなで試行錯誤を重ねていく必要があると思いますね。ここ数十年で隣の家から僕らは醤油も借りられない極端な貨幣でしかすべてを交換できない生活を送って来たわけだけど、少しそういう部分に戻っていくような気もしています。

「お金」は豊かさを構成する
パラメーターの1つにすぎない

山口:僕はお金を絶対的な存在ではなく、豊かさのなかのパーツの1つにすぎないと考えているんです。今まではお金しか数値化されていなかったから、それを絶対的な拠り所とするしかなかった面もあるけれど。

米田:豊かさ全体だってブータンで話題になったGNH(国民総幸福度)じゃないけども、最近は可視化されつつありますよね。たとえばフェイスブックの「友達」の人数などもいい例かもしれません。国民総幸福度じゃなくて、「個人総幸福度」みたいな指標があってもいいんじゃないか。これは経済的な豊さを否定するという単純な話じゃない。お金が必要なのは当たり前だけど、それだけを求めて他を否定するんじゃなくて、もっと総合的な自分の人生を考えるという指標ですね。僕は新刊『僕らの時代のライフデザイン』の中で「自・職・住」の三位一体のバランス、ということを書いたんだけど。そこにはお金も心身の健康も働くこと、住むこともすべて入っていて、すべてつながっている。

山口:そうですね。愛があふれている状況とか親密な関係とか、豊かさを構成する各パラメーターが今後もっと可視化されて計量化されるようになってくれば、お金はますます相対的な存在になる。ドラクエでいうところの、「攻撃力」「守備力」「すばやさ」「運のよさ」とかいうのと同じように、各パラメーターが個人にとってパラレルに存在する状況になっていく気がしますね。

米田:なるほど。でも、ある個人において「お金」が10でも「健康」が0だと、どうなんだろう?それでは全体としての幸福度はあまり上がりませんよね。また、お金っていうものも現実的には一番便利なものだから、やっぱり0というわけにはいかない。どのパラメーターもそこそこの数字じゃないと、結局は幸福や豊かさから遠ざかってしまうんじゃないでしょうか。

 ただ、パラメーターに偏りのある個人でも1つだけ幸福度を上げる方法がある。攻撃力が10で防御力が0の人でも、治癒力の高い人がパーティーに入れば補えるのかもしれないんです。つまり、社会の形成の仕方とかコミュニティのあり方が今後どう変わっていくかで、個人の豊かさの有り様も影響を受けるんじゃないかなと考えていて。

山口:僕もコミュニティは重要だと思いますね。新たな関係が作られたり、その関係が外れて別の関係が作られたりすることが無数に行われるのが、生物界の本来あるべき正しい姿だから。もちろんそれは、ガシッとつながって身動きが取れなくなるような地縁社会ではなく、自分で主体的につながっていくコミュニティを指すんですけれど。

米田:「移動できる」とか「往復できる」ということが大切ですよね。たくさんのコミュニティとつながっていると、1つのところに依存しなくていいし、依存されなくてもいい。だからバランスもとれるんです。

山口:昔の電話交換師みたいな世界を、自分のなかで再現すればいいんですよ。つまり、さまざまなコミュニティポートフォリオを持って、そこのなかで自由につながったり、外れたりすることができることがこれからは重要なんじゃないかなと思う。

米田:住まいについても、子どもができたら海外に移住して、育ったら日本に戻ってくるというような多拠点でも全然いい。固定化されない流動的なコミュニティや住まいが必要になっていると思いますね。それは決して立脚点がないということじゃなく、同時並行でいろんなことが進んでいくだけ。自分にとっては、ある時点ではどれも大切だし、どれも外せないわけですから。そのなかで自分に足りない部分を誰かに補ってもらったり、許してもらったりすることが、たぶんお金に換算できない幸福度につながるんでしょうね。

山口:米田さんが本にも書いていらっしゃった、「何をやっているかわからない人」というのが、その1つの形ですよね。しかも今はそれが、ある種ブランドになるわけです。

米田:そう、ブラックボックスみたいなもので、そこに投げると何が出てくるかわからないけれど、でも何かやってくれそうだ、と思われる人。山口さんもやっぱり、ブラックボックスみたいな人ですよね。良い意味で何をやってるかよくわからない(笑)。僕も出版からソーシャルメディア、プロダクトの開発まで、いろんなことを相談される。それで、自分が面白そうだなと思ったらとりあえずやってみる。関わってみる。最初はお金にならなくても、どこかで仕事につながっていくし、最終的には仕事にしていくんです。

 今は情報ツールは溢れているけど、ただじっとしていても何かを得ることはできない。でも、何かを入力すれば、必ず出力はある、みたいな。だから、自分がからまずはアクションを起こす。そして、差し出す、贈ること。その積み上げがその人の信用につながっていくし、総合的な実力とし認められ、評価につながっていくと思います。

時間とエネルギーの投資が
数年後のソーシャルキャピタルを生む

山口:僕の仕事の1つは、アーティストとかヨガのインストラクターとか劇団を運営している人とか、そうやって好きなことをやっている人たちがちゃんと生活していけるよう、マネタイズかキャピタライズする手伝いをすること。うまくいけば2年か3年先、出資したプロジェクトから資本を引き上げるときにお金になったりするんです。でももしかしたら、1円にもならないかもしれない(笑)。

米田:でも、お金にならないからといって、そのプロジェクトに意味がないかっていったら、そうじゃないですよね?

山口:まったくないですね。最初にお話ししたように、僕自身30歳までは、食えるなかでどう好きなことをやるかばかりを考えていたけれど、今は逆。好きなことをまずやって、そのなかでどうやって食っていくか、頭を使って小細工を考える(笑)。お金っていうのは、あくまでもガソリンなんです。「ガソリンがないからどうしよう」と思うことはあっても、儲からないから価値がないとは考えない。

米田:これは直感としかいいようがないんだけれど、僕もライフワーク、つまり直接的にお金にならない自分の中の表現活動みたいなことが、必ず未来に対しての何らかのヒントになっている気がするんですよね。

「ノマド・トーキョー」だってそう。あれは別に仕事じゃなく僕が勝手にやった実験プロジェクトだったわけですが、いつの間にかそこから派生して、いろんな面白い仕事が舞い込んでくるようになったんです。今まで出会えなかったような人から連絡をもらえることもあるし、話を聞きたいと言われることもある。こうやって働き方や生き方についての本を書いたり、メディアやトークでしゃべるなんてことも全然想像していなかったし、ましてや山口さんみたいなコンサル業界で生きてきた人と対談するなんて、2~3年前には考えてもみなかった(笑)。

 今の流行を追いかけるのではなくて、自分のなかでもっとも切実なことって何だろうと内観して見つめてみて、一番プライオリティの高いことに時間とエネルギーの投資をすると、それがお金になるかどうかは別として、2~3年後に必ずソーシャルキャピタルのリターンがあると実感していますね。でも、こういうことも逆算してやってきたんじゃなくて、やっぱりやりながら考えて、柔軟に方向転換しながらだんだんとわかってきたことなんです。

山口:それを長く続けている間に、“勝ちパターン”ができてきますよね。こうやって自分の好きなことをやっていれば、こういう形でかえってくるな、と。するとますますある程度の安心感を持って、よくわかんないものにも手を出せるようになる(笑)。

米田:確かにそう思います。僕の場合、体感としては2年周期ぐらいですかね。それくらいで世の中も変わっていくから。特に3.11以降の2年間って、すべてのものが大きく変化しましたよね。2年前は新しい生き方とか働き方にこれだけ注目が集まるとは、僕も思っていなかった。だからこそ、今何かを発信する意味があるとすごく感じています。ただドラクエ的に言うと、お金とか資本を直接的に生み出す力は僕には1とか2くらいしかないので、そこは誰かと組んでパーティーを作ったほうがいいかもしれない(笑)。

山口:いや、でもね、好きなことをやるためにどうやって自分でマネタイズやキャピタライズするのかという知識やリテラシーに関しては、もっと流行るべきだと僕は思っているんですよ。なぜなら流行ることによって、みんながますます自由に生きられる社会になっていくわけだから。あるいはマネタイズやキャピタライズ自体を自分に替わってうまくやってくれる、プラットフォームビジネスみたいなものが生まれてくるのかもしれないよね。

米田:その可能性は十分にありますね。自分でできないことは専門家を見つけてきて、頼むとか。

山口:それに伴ってお金以外のコミュニケーションツール、たとえば「助けて」と声に出す勇気を持つにはどうすればいいかとか、人と打ち解けるにはどう微笑めばいいかとか、感謝の気持ちをどう伝えるかとか、そういうリテラシーも知るべきだと思う。

 旅行も体験型ツーリズムに変わっているじゃないですか。面白い人に会って、田舎の農家でおにぎりをもらえるかどうかっていうのが旅の醍醐味になっているでしょう?仕事だけでなく、人生を楽しむため全般に、ちゃんとコミュニケーションできる力が不可欠になっているんです。近い将来、そういう知識や技術を学べるカリキュラムみたいなものや、体系化して言語化した本が出てくるような気がしますね。

米田:それは近々絶対に必要になるでしょうね。コミュニケーション能力って単にものを売る営業力という面だけじゃない。関係性を生み出す能力なんだと思います。今日は興味深い話ができて本当によかったです。ありがとうございました。(談)

[DIAMOND online]

Posted by nob : 2013年03月19日 08:30

過度な経済成長の深刻な弊害。。。

■韓国 高齢貧困層は45%で日本の約2倍、自殺率は大幅に高い

 日本を常にお手本にしてきた韓国。だが、彼らが直面する高齢化は、日本を上回るスピードで進行しており、お手本がない。解決策を見つけられないまま、時限爆弾が炸裂しようとしている。韓国の現状について、ジャーナリストの富坂聰氏が解説する。

 * * *

 韓国の高齢化問題が深刻だ。出生率は2005年に1.08まで落ち込み、その後少し持ち直したものの、1.23(2010年)と同年の日本の1.39より深刻だ。2018年には早くも総人口がピークアウトすると予測されている。

 ウォン安局面ではサムスンやLGの好調が伝えられてきた韓国経済だが、企業は栄えても国民は疲弊している。韓国の定年は55歳だが、実際には40代で退職を余儀なくされるケースも多い。子供の教育に莫大な費用をかける国で貯蓄もままならず、子供が社会人になる頃には親は職を失い、老後の蓄えもないのが現実だ。

 社会保障制度も未熟である。「先成長後分配」を掲げ、国家の経済的発展を最優先してきたツケが回ってきている。

 年金制度が整備され、「国民皆年金」となったのはなんと1999年だ。歴史が浅いため年金受給資格を得られる人は少ない。ほとんどの人が減額支給される。

 年金に頼れないため、高齢者は働き続けるしかないが、企業に再雇用されるのは一部のエリート知識人だけで、多くは再就職が困難なため、自営業や単純労働または農業でなんとか生計を立てている。

 そこに追い討ちをかけるのが、韓国市場の独特な独占・寡占状態だ。アジア金融危機の際に、政府主導で1業種1社または2社に絞り込んだため、ほとんど価格競争が起きない。市場が小さすぎて海外からの参入もない。だからLG製の液晶テレビは日本より韓国国内で売られている価格のほうが高いという逆転現象が起きる。国民を犠牲にして国や企業が繁栄するそのようなモデルは限界に達しつつある。

 2009年に高齢者のうち貧困層(*注)に属する割合は45%で、日本の22%、アメリカの24%の約2倍となった。65歳以上の高齢者の自殺率は10万人当たり81.9人で、日本(17.9人)、アメリカ(14.5人)をはるかに上回る。原因のひとつに生活苦が挙げられている。だが、社会保障費を増やすことは難しい。

 国会予算政策処が昨年発表した「長期財政展望報告書」は、2060年に政府債務がGDPの218%に達すると警告した。これでも、現状の社会保障制度のままで福祉を充実させないことを前提に試算している。しかも韓国国債の多くはドル建てであり、ウォン安になれば金利の支払いだけで国家財政を破綻させる破壊力を持っている。

【*注】全人口の可処分所得の中央値(数値を大きさ順に並べた場合に真ん中にくる値)の50%以下になる人

[NEWSポストセブン]

Posted by nob : 2013年03月18日 06:47

カネ(=悪縁)はいずれ尽きる。。。

■暴力団に「借り」を作った
島田紳助の本当の代償
溝口 敦 (みぞぐち・あつし)  ノンフィクション作家、ジャーナリスト

島田紳助氏は10数年前、テレビでの発言を右翼に咎められ、テレビ局に街宣車を集中される攻撃を受けた。耳をふさいで知らぬ振りはできない。大音量の糾弾は現に局の業務を妨げている。営業妨害として警察に取締りを要請すれば、右翼の神経をさらに逆なでするようで、怖い。

 紳助氏はこのとき、芸能界から引退しようかとまで思い悩んだという。たまたま元ボクシング世界チャンピオン、渡辺二郎氏(07年に恐喝未遂で起訴、上告中)が山口組系の有力組織である山健組系(当時)極心連合会の橋本弘文会長を紹介し、橋本会長が右翼と交渉して攻撃は止んだ。これにより紳助氏は橋本会長に深く感謝し、以後、心服するようになった――。

相場1000万円以上の礼金が
無料だった理由

 紳助氏と橋本会長を結んだきっかけは右翼の攻撃だったようだが、現在、右翼の大半は暴力団系である。暴力団が右翼を別働隊として使うことはもちろん可能だし、現に暴力団がこうした「分身の術」を使ってターゲットとする企業や個人を困惑させ、その後自ら登場して騒ぎを丸く納め、礼金を取るマッチポンプも行われている。

 右翼に街宣活動から手を引かせるにはカネがかかる。右翼としても隊員や街宣車を動員し、人件費やビラ代など経費を掛けている。両者の間に立つ調停者は右翼にしかるべきカネを払って攻撃を止めてもらう。右翼がタダで矛を収めることはまずあり得ない。調停してくれるよう依頼する者は右翼の街宣中止代と、調停者への礼金を合わせて支払わなければならない。相場は1000万円以上と見られる。

 紳助氏の記者会見によれば、調停に当たった橋本会長は紳助氏にカネを要求せず、二人の間にいっさいカネの支払いはなかったという。通常はあり得ないことだが、無料の例は必ずしも皆無ではない。調停者の暴力団が依頼者の将来を見込み、貸し借り関係の「貸し」に回りたいときだ。紳助氏の場合はこれだったかもしれないが、彼は橋本会長に大きな「借り」ができた。

「俺のケツ持ちを誰と思ってるんや」

 暴力団の用語に「ケツ持ち」がある。特定の人間がトラブルに見舞われれば、組員が前面に出て対処するといったニュアンスであり、よくいえば「後見人」とでもなろうか。

 紳助氏は頭に血が上って凄むとき、「俺のケツ持ちを誰と思ってるんや。極心連合会の橋本会長やぞ」と怒鳴り、恫喝した。事情を知らない者は、彼のバックは山口組系の極心連合会か、と一瞬怯む。つまり紳助氏は橋本会長から借りができたことを気に病まず、むしろ継続的に庇護者になってくれたと受け取った節がある。

 総じて紳助氏は切れやすく、04年10月には大阪・大淀南の朝日放送社内で吉本興業の女性社員を殴打し、加療1週間を要する頭部外傷や頸椎捻挫、左上肢と背部の打撲傷害を負わせた。女性社員はその後長くPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症し、ついに退職するハメに陥った。紳助氏を民事裁判で訴えもした。

 紳助氏は単に暴力団幹部の庇護を受けているだけでなく、彼自身が暴力的で、一般人と何度もトラブルを起こしている。生来、暴力的な性向を持っているのかもしれない。

 橋本会長は山口組の出世階段を順調に上っていった。76年に山健組に加盟したのだが、89年山健組の渡辺芳則組長が山口組の五代目組長に上ると、次の山健組組長の座は桑田兼吉に譲られた。橋本会長は桑田組長の下でナンバー2である若頭に抜擢され、桑田組長が拳銃の共同所持で裁判を抱えるころには組長代行に上っていた。

 渡辺五代目組長の地位が司忍若頭(現山口組六代目組長)により脅かされ始めた05年4月には山健組から山口組の直系組長に引き上げられ、しかも同年6月には若頭補佐に任じられた。橋本会長は押しも押されもしない山口組の大幹部にのし上がったのだ。

 山口組は日本の暴力団組員の半数を占めるほど多数派であり、その若頭補佐といえば、組内で五指に入る。紳助氏の「ケツ持ち」はあれよあれよという間に出世を遂げ、紳助氏はこうも強力な後ろ盾なら「向かうところ敵なし」と思ったにちがいない。

芸能人としての生活か、交際の継続か

 元ボクサーの渡辺二郎氏は極心連合会で相談役の肩書きを持っているとされる。彼との間のメールが今回問題にされた。

 大阪府警は07年6月、渡辺氏を詐欺恐喝容疑で逮捕した際、渡辺氏の携帯電話を押収した。おそらく05年に携帯電話を買い換えたのだろう。押収した携帯には05年6月から07年6月までの間、紳助氏と交わしたメール106通が保存されていた。これが証拠となり、紳助氏が渡辺二郎氏を介して、いかに橋本会長に心酔し、深く交際していたか、如実に示すことになった。

 他方、橋本会長も05年6月競売入札妨害容疑で大阪府警に逮捕され、06年3月にも詐欺未遂容疑で逮捕された。会長宅の家宅捜索も併行され、橋本会長とのツーショット写真や紳助氏直筆の礼状なども押収されたようだ。橋本会長が逮捕された際、紳助氏は「会長心配です! ほんま警察むかつきますね!」などとのメールを渡辺氏に送っている。

 メールについては大阪府警捜査四課が解析、調査し、報告書にまとめている。検察側がこの報告書を裁判所に提出したため、府警ルートか弁護士ルートでメールが流出したと推測されている。

 吉本興業もメールを入手し、その重大性に気づいた。メールを突きつけられれば、紳助氏と橋本会長との交際を否定できない。それで紳助氏に事情聴取したわけだが、紳助氏は橋本会長との交際を否定せず、それが問題になるなら、芸能界を引退すると言い切ったと推測される。

 吉本興業にすれば、できるなら紳助氏に交際を否定してもらいたかったはずだが、紳助氏は情報はウソだと否定しなかった。せめて「今後は橋本会長との交際を断つ」ぐらいは言ってほしかっただろうが、それも紳助氏は拒否した。これにより紳助氏を謹慎処分にしてほとぼりの冷めるのを待ち、芸能界に復帰させるルートは断たれた。

引退後の行く末は・・・

 紳助氏は極心連合会・橋本会長と絶交するとは約束できなかった。10数年前の街宣車騒ぎのとき、丸く納めてくれたのが橋本会長である。紳助氏は「大恩ある橋本会長に手のひら返しはできない」と判断したのだろうが、もう一つ恐怖心も働いたはずだ。

 絶交を宣言すれば、橋本会長が間違いなく怒る。今まで庇護してくれた人間が紳助氏の態度の急変に「汚い野郎だ」と、敵に変わりかねない。このことがなにより紳助氏には恐ろしかったはずだ。

 つまり紳助氏は芸能人としての生活を取るか、橋本会長との交際の継続を取るか、2つに1つの岐路に立たされた。結果として選んだのが芸能界引退であり、一般人として心置きなく橋本会長と交際を続ける道である。

 幸か不幸か紳助氏には40億とも伝えられる資産があり、飲食店の経営など事業家としても成功している。紳助氏が結果として交際の継続を望んだ以上、橋本会長は手厚く紳助氏を遇するにちがいない。渡部二郎氏と同じく極心連合会の相談役に据えるかもしれないし、客分として迎えるかもしれない。

 極心連合会は山口組の直系組の中でも有力組だが、今はどの組も経済的に詰まっている。紳助氏はすでに芸能人ではなく、極心連合会に理解を示す事業家でしかない。極心連合会が紳助氏からカネを融通してもらうことを遠慮する理由はない。まして紳助氏には大きな貸しがあるのだ。

 紳助氏が強調するように橋本会長が善意の人であっても、暴力団経済は、食える者は食うという弱肉強食の論理で動いている。紳助氏がカネを握るかぎり暴力団社会で大事にされるだろうが、カネがなくなれば価値はゼロである。紳助氏は暴力団社会にかなり親近感を持っているらしいが、悲しいかな、彼直属の暴力要員を持たない。暴力団の内側に入ったからには理不尽な要求をはねのけられるのは暴力しかなく、その意味で彼は非力である。大阪府警に助けを求めても、「むかつく」といわれた府警が紳助氏に味方するはずもないのだ。

[WEDGE Infinity]

Posted by nob : 2013年03月16日 12:17

最後の安定業種?パチンコ業界すらも先細り、、、それでも痩せても枯れてもだけれど。。。

■先細りに焦るパチンコ業界
なりふり構わぬ異業種荒らし

2000年代前半には約30兆円の市場規模を誇ったパチンコ業界だが、
相次ぐ規制強化に若者のパチンコ離れも加わり、20兆円を下回るまでに凋落した。
生き残りのために仕掛ける積極的な行動が、軋轢(あつれき)を生んでいる。

 真の狙いは約230万人の“小金持ち”名簿─。

 昨年11月、東証1部上場のパチンコメーカー・平和の傘下でゴルフ場運営会社2位のPGMホールディングスが、同じくゴルフ場運営会社最大手のアコーディア・ゴルフに敵対的買収を仕掛けた。

 ゴルフといえば、サラリーマン時代にゴルフ接待が必須であった団塊世代の象徴の一つだ。買収に成功すれば約130のゴルフ場に加え、今後の収益源としてターゲットにしている団塊世代を中心とした約230万人の“小金持ち”名簿が手に入ったが、必死の抵抗を試みたアコーディアが、配当金の大幅増配を打ち出したことなどにより、今年1月、不成立に終わった。

 様々な業界が“小金持ち”の多い団塊マネーを獲得すべく動き出しているが、最も派手な動きをしているのがパチンコ業界ではなかろうか。この動きは「団塊の世代をパチンコホールに呼び込もう!」という生易しいものではない。「パチンコ事業以外で団塊マネーを取り込み、それを収益の柱にする」という方針の下、相手の嫌がる敵対的買収などの行動も辞さない。

 なにゆえに軋轢を生じさせてまで異業種への進出を試みるのか。それは、パチンコ業界の市場規模縮小と関係がある。

3分の2に減った市場規模

 警察庁が毎年公表している「ぱちんこ屋等営業所数及び遊技機別備付台数」によると、2011年12月末のパチンコホール営業所数は、前年の1万 2479店から156店減少し、1万2323店となった。1995年の1万8244店をピークに、16年連続で前年比減少となっている。近年の推移を見れば、07年12月末時点の前年比1089店減少が最大で、それ以降、年々減少幅は縮小しているものの、減っていることには変わりない。

 12年末の店舗数も、毎月加盟店の調査を行っている全日本遊技事業協同組合連合会によれば減少する見通しとなっている。この数値は都道府県公安委員会における許可数を示しており、休業・開業準備中の店舗も含まれるため、実際に営業している店舗はさらに少なくなる。業界では、通常営業中の店舗は全国で1万1000店を割り込んでいるとの見立てもある。

 2000年代前半まで約30兆円の市場規模を誇ったパチンコ業界であるが、04年以降パチンコと関わりの深い法律の規制強化が打撃となり、現在では20兆円を下回る規模まで凋落している。パチンコホールの店舗数推移だけ見ても、そのことが裏付けられている。

“コンプガチャ”もライバルに

 「“飲む、打つ、買う”という言葉は、もはや死語。最近の若い世代の動向を見るとギャンブルをする割合が減ってきたのではないでしょうか」都内でパチンコホールを経営する店長はそう嘆く。確かに、公営ギャンブルを運営する日本中央競馬会(JRA)を見ても、12年、15年ぶりに売上高が前年を上回ったが、11年までは14年間連続で減少していた。12年の前年比増は前年が東日本大震災の影響を強く受けていたためであり、実質的には98年から続く減少傾向に歯止めがかかっていない。

 要因として考えられるのは、可処分所得の減少はもちろんのこと、最近では、携帯電話やスマートフォンのゲームがギャンブル業界のライバルとの見方もある。ギャンブルは、射幸心を煽り、そしてそれを満たすことの繰り返しにより、人の心を取り込んでいくものだ。ケータイゲームでいうと昨今、未成年を含むユーザーに高額の利用料を支払わせることに繋がると問題視された、コンプリートガチャ(コンプガチャ)がその代表例である。

 「射幸心旺盛でパチンコホールの常連になる要素を持った若者が、コンプガチャ程度のドキドキ感で満足してしまっているようだ。若者がパチンコホールに足を運んでくれなくなることは、業界として将来的な不安要素の一つ」と業界団体幹部は危機感を露わにする。

 実際、パチンコホールは、「多くの企業の給料日である25日直後に加え、年金の支給日である偶数月の15日直後が最も繁盛する」(前出のパチンコホール店長)。このことからも、若い世代のパチンコ離れが顕著になっていることがわかる。先行きは極めて不透明である。

 とはいえ、パチンコ業界にはまだまだカネが有り余っている。メーカーでいえば、12年に年間を通じて最も売れたパチンコ台は、三洋物産の「CR大海物語2」で約25万台。続いて、京楽産業の「CRぱちんこAKB48」の約20万台である。パチンコの新台は1台あたり40万円前後でホールへ販売されるのが一般的であるため、1台40万円で計算すると、「CR大海物語2」は約1000億円、「CRぱちんこAKB48」は約800億円である。帝国データバンクによると、12年末時点で、製造業で年商1000億円以上の規模を誇る企業は454社しか存在しない。ヒットさえすれば、1機種1000億円を売り上げてしまうのがパチンコメーカーの恐ろしさである。

 パチンコホールに目を移しても、業界最大手マルハンの12年3月期売上高は2兆718億円となり4年連続で2兆円を突破した。当期純利益も238 億円を確保している。第2位のダイナムを傘下に持つダイナムジャパンホールディングスは、12年8月に香港証券取引所へ上場を果たし、約160億円を市場から調達した。12年のパチンコ販売台数は約248万台。ピーク時の350万台という販売台数からすると、危機的状況にも見えるのだが、業界内でも淘汰が進んでおり、生き残った業者は大手企業を中心としてまだまだ勢いはあるといえる。

 平和は11年12月にPGMをTOB(株式公開買付)により連結子会社化したが、実はゴルフ場経営を手掛けるのは2度目である。

 前回は94年だった。当時の子会社である平和ローランドが世界的コースデザイナー加藤俊輔氏を擁して群馬県に「平和ローランドゴルフ倶楽部」をオープンさせた。しかし、ゴルフ場運営のノウハウがなかったパチンコメーカーには、そのコースを支えるだけの手腕はなかった。パチンコ関係者以外の利用客が伸び悩んだことなどにより、99年に子会社の株式とゴルフ場諸施設を平和の創業者であり、当時の大株主であった中島健吉氏へ売却した過去がある。

 「PGM買収時に平和の大株主であった石原昌幸氏が、『カネは出すがクチは出さない』と確約したため、現社長の神田有宏氏は経営を引き受けた」(業界関係者)そうだ。

 平和は過去の失敗を踏まえ、パチンコ業界以外から人材を登用することにした。実際、PGMには平和側から管理部門の社員が数人程度出向しているだけで、人材交流はほとんどない。石原氏は平和従業員に「パチンコもゴルフも時間を消費させることによって報酬を受け取るビジネスモデルとして共通するところが多い。パチンコ業界が縮小傾向の中、2つ目の事業の柱を創り出さなければならない」と説明しており、パチンコ事業とは一線を画す方針だ。

 異業種に進出しているのは平和だけでない。セガサミーホールディングスは、12年2月にRHJインターナショナルが保有する「フェニックス・シーガイア・リゾート」(宮崎県宮崎市)運営会社の全株式を取得し、子会社化することについてRHJインターナショナルと合意し、株式譲渡契約書を締結、3月に子会社化した。セガサミーはこの買収によって複合レジャー施設を運営し、時間に余裕のある団塊世代への長期滞在型サービス提供を模索する。

 しかし、こんな声もある。「4億円という破格の株式取得価格に飛びついたようでした」あるセガサミー社員は当時をそう振り返る。フェニックスリゾートに対する借入返済目的で、約54億円の貸し付けを同時に行っているが、合計しても60億円にも届かない。複合レジャー施設の運営ノウハウの蓄積こそ目的の一つだったことは確かだが、「上層部としては、買収してから考えるということだったのですが、買収から1年が経とうとしているにも関わらず、目新しい動きはありません」(前出の社員)というのが現状のようだ。

 そうした状況の中、13年に入ってからも、韓国の釜山広域市が実施した複合レジャー都市「センタムシティ」開発計画に公募入札し、落札している。ここでもまたノウハウの吸収を狙う。

 実はセガサミーにも、過去ゴルフ場経営に失敗した平和と同じく、カジノ構想を含む複合レジャー施設計画を実現させようとして失敗した過去がある。 07年、横浜市のみなとみらい21地区で、当時の中田宏横浜市長と組んで大規模開発を計画した。しかし、リーマン・ショックや法律の壁など障害が次々と発生し、断念していたのだ。平和もセガサミーも“リベンジ”となるか注目だ。

まだまだ続く異業種荒らし

 ノウハウはないが、資金だけは豊富にある、というパチンコ業界が、他の業界を荒らし回っていることについて、警戒感の広がりとともに問題視される向きが強まっている。たとえ黒いものでもトップが白と言えば白になるパチンコ業界の常識に変わりがないということも問題だ。

 パチンコ業界は上場している企業が存在するとはいえ、まだまだ不明瞭な点が多い業界である。パチンコホールにおける換金行為は言うまでもなく違法であり、“三店方式”という仕組みを利用してグレーゾーンで営業をしているに過ぎない。

 そうした組織に一般企業が飲み込まれることになるので、軋轢が生じるのは当たり前だ。セガサミーは、03年にパチンコメーカーのサミーがゲームメーカーのセガを買収して誕生したが、未だに、旧セガ社員の中には、旧サミーの企業体質に拒絶反応を示す人も少なくないそうだ。

 冒頭で触れたように、平和傘下のPGMによる敵対的買収劇から身を守ったアコーディアも、13年3月期末の配当を前期末の1200円から5500 円にまで引き上げざるを得ない状況になった。TOBは不成立に終わったものの、混乱に乗じて今年1月にアコーディア株を買い占めた村上世彰氏と関係の深い投資会社「レノ」との攻防を含めて、今後アコーディアに財務的な影響を与えることは必至だ。

 マルハンが介護業界へ進出するという噂もあるように、平和、セガサミーのほかにも、異業種へ進出を目論むパチンコ関連企業は多い。なりふり構わぬパチンコ業界の行動に異業種が翻弄されるのは、まだまだこれからである。

[WEDGE Infinity]

Posted by nob : 2013年03月16日 11:53

別離は切ないが、、、

つかの間の記憶でも

人の胸の中に誰かが消えずにいることは素晴らしいものだ。。。

[伊集院静の流儀より]

Posted by nob : 2013年03月16日 07:48

遅かれ早かれ行き着くべき先のTPP参加の是非の問題にあらず、、、全世界無関税自由競争経済社会を生き抜くためのビジョン欠落という本質的な問題。。。

■TPP交渉参加 「未来の繁栄」の突破口に 離脱の選択肢はあり得ない

 安倍晋三首相が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明し、「アジア太平洋の未来の繁栄を約束する枠組み」と述べた。TPP参加は、日本が抱える長期デフレ、少子高齢化による内需縮小、国際競争力の低下などの難題を突破する切り札として期待できる。

 まだ、交渉の場に立ったにすぎないとはいえ、大きな一歩を踏み出したことを歓迎する。

 自民党内の反対が強いTPP交渉への参加は、政権発足時に「7月の参院選後」と予想された。それに比べると大幅な前倒しだ。2月の日米首脳会談で「全ての関税撤廃を約束するものではない」との共同声明を発表した後、高い支持率を背景に一気に党内をまとめた首相の決断を評価したい。

 ◆規制改革のテコにせよ

 もちろん、楽観は全く許されない。交渉を進める11カ国による承認手続きなどは進んでいる。実際に日本が交渉に加わるのは、早くても7月ごろとみられ、出遅れは覆うべくもない。

 多国間交渉では、先行グループが後から加わった国よりも有利なのは当然だ。日本が出発点から不利な状況にあることは甘受せねばなるまい。首相がいう「民主党政権にはない自民党の交渉力」が試されるのは、これからだ。

 アジア太平洋を舞台に、農産品や工業製品など幅広い分野で関税を撤廃し、サービス、投資などでも共通のルールをつくるのがTPPだ。

 日本を加えた12カ国の国内総生産(GDP)は約27兆ドル、全世界のGDPの4割を占める。しかも、この巨大な自由貿易圏は今後さらに成長が見込まれる。日本のGDPを3・2兆円押し上げるともいう。

 人口減時代を迎え、国内市場の拡大が難しい日本は、その活力を取り込み、外に向かって経済を開く契機にしなければならない。

 TPPのルールづくりの過程で日本国内に存在するさまざまな無用の規制があぶりだされれば、安倍政権の「脱デフレ3本目の矢」となる規制緩和を中心とした成長戦略のテコにもなるだろう。

 だが、こうした通商政策、経済活性化策としてとらえると同時に、中国をにらんだ戦略的な意味に、目を向けるべきだ。

 首相がTPPを「同盟国である米国とともに新しい経済圏を作る」と位置づけたのは重要だ。

 中国は、その経済力と軍事力を背景に、アジア太平洋地域への影響力を強めている。中国抜き、米国主導のTPPへの参加は、同地域の経済秩序を、中国の覇権ではなく、日米豪などを中心とした自由主義経済の枠組みとし、共有することにほかならない。

 オバマ政権は中国を見据えたアジア太平洋戦略の中核にTPPを据えている。日本と米国が結束し、TPPの存在感を高めれば中国牽制(けんせい)の効果も持つだろう。

 ◆対中戦略の意味大きい

 中国もTPPを警戒しているのは間違いない。それは当初、消極的だった日本、韓国との自由貿易協定(FTA)や東南アジア諸国連合(ASEAN)を軸とした東アジア包括的経済連携(RCEP)に意欲的になったのが、米国のTPP参加の動きが出てきた後だったことを見ても明らかだ。

 民主党政権の菅直人元首相が参加検討を表明して約2年半、TPP反対論は収まらない。とくに農産品の関税撤廃を警戒する農業団体、国民皆保険制度の崩壊につながりかねないと主張する日本医師会など自民党支持団体の強い抵抗は今後も続くだろう。

 主張すべきは主張し、守るべきは守り、譲るべきは譲る。これは全ての外交交渉に通じる姿勢だ。そのさい常に国益に資する判断を行わなければならない。

 強調しておかねばならないことがある。自民党はTPP交渉参加に関する委員会の決議で、聖域(死活的利益)確保を最優先し、それができないならば離脱も辞さない、としたが、日本にとってTPPに加わらない選択肢はあり得ないということである。

 これまでのTPPをめぐる議論は参加のメリット、デメリットに終始し、貿易立国や対中戦略の観点からほとんど語られなかった。首相が提起した「アジア太平洋の安全への寄与」という視点で国内議論を深めていけば、おのずと「TPP参加」は正しいという結論が導かれよう。

[産経新聞]


■TPP交渉参加 東北経済界も反応二分

 安倍晋三首相が環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加を表明した15日、東北の経済界からは製造業を中心に輸出拡大につながるとの期待の声が上がった。一方で小売業や建設業からは「安易な市場開放は地方の衰退につながる」との懸念も聞かれた。

 みやぎ工業会の竹渕裕樹会長は「輸出産業に間違いなく有利になる。中国や韓国との競争に打ち勝つにもTPPには入るべきだ。中小にも海外展開のチャンスが出てくる」と語った。

 トヨタ自動車グループの電池製造プライムアースEVエナジー宮城工場(宮城県大和町)の竹下肇取締役工場長は「日本車輸出に追い風になる。関税障壁がなくなれば、国内外でより柔軟な生産体制を敷くことが求められる」と見通した。

 これに対し、みやぎ生協の宮本弘専務理事は「米国企業が活動しやすくなるだけ。農家や中小企業など地方にとっては百害あって一利なし」と批判。医療保険制度や食料品への悪影響が大きいとして「日本の安心安全のルールが根こそぎ変えられる危険性がある」と反対姿勢を明確にした。

 TPPでは公共工事への海外企業の参入も予想される。宮城県建設業協会の伊藤博英専務理事は「海外の業者が安く参入すれば、価格競争になり品質低下の恐れもある。地方建設業の衰退にもつながる」と強調した。

 東北経済連合会の高橋宏明会長は談話で「東北が得意なものづくりや食を世界に広めるとともに観光面でも期待したい」と強調。農業分野については「農業の成長を促進する施策を講じるべきだ」と政府に対策を求めた。

 岩手県商工会議所連合会の元持勝利会長も「早期の交渉参加を期待する。ただ地域経済や農林水産業への影響もあり、対策を具体化し実行することも大切だ」とした。

[河北新報社]

Posted by nob : 2013年03月16日 07:34

国民の半数以上が再稼働を容認(;´д`)、、、二年前の事故を想起し、今こそ経済の論理から離れて善悪の判断基準を。。。

■「原発ゼロ」見直し議論 エネルギー基本計画 年内取りまとめ

 政府は15日、民主党政権下で中断した中長期のエネルギー政策指針「エネルギー基本計画」策定の議論を再開した。同日の総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の総合部会(部会長・三村明夫新日鉄住金取締役相談役)は、使用済み核燃料を再処理する核燃料サイクル政策の在り方など主要論点を提示。民主党政権が掲げた「原発ゼロ」政策の見直しに向け、計画案の年内取りまとめを目指す。

 安倍晋三首相は「責任あるエネルギー政策を構築する」と明言しており、電力の安定供給に欠かせない原発の扱いを具体的に描けるかが焦点となる。

 安倍政権は電力の安定供給に向けて、安全性が確認された原発の利用を進める方針を示している。

 ただ、茂木敏充経産相は同日の部会の席上、将来の望ましい原発比率について「根拠ある形でベストミックスを決めたい」として、基本計画で示すことは難しいとの見方を示した。

 委員からは「原子力をどう利用するか長期的なビジョンが求められている」「低廉な電気料金の確保も重要な課題だ」などの意見が出た。

 主要論点では、原発の稼働停止長期化に伴う燃料輸入増や、貿易赤字、相次ぐ電気料金値上げなど直近の動向を紹介。原発再稼働を目指す安倍首相の方針を前提に、原発の安全確保や、高レベル放射性廃棄物の最終処分の在り方の検討に言及。東京電力福島第1原発の廃炉対策の推進も盛り込んだ。

 原発以外のエネルギーの安定調達についても強調し、米国で開発が進む新型ガス「シェールガス」や、日本が世界で初めて海洋での生産試験に成功した「メタンハイドレート」など、新たなエネルギー源の可能性が示された。

 総合部会は電力需給に関する検証委員会を新設し、今夏の節電策について取りまとめることも決めた。

 エネルギー基本計画は、国のエネルギー政策の基本的な方向性を示す計画。直近の2010年の計画では、30年までに14基以上の原発を新増設するなどの目標を設定したが、東京電力福島第1原発事故を受け、菅直人首相(当時)が見直しを決定。だが、民主党政権の原発政策に矛盾が多いため、策定作業が事実上、ストップしていた。

 民主党政権下では総合部会傘下の基本問題委員会でエネルギー基本計画の策定作業を進めていたが、議論の場を総合部会に移した。

[SANKEI BIZ]

Posted by nob : 2013年03月16日 07:20

行動するそして継続する人々を敬愛しています。。。

■「脱原発」の灯、息長く 官邸前の抗議行動1年

 【堀川勝元】東京・永田町の首相官邸前で、毎週金曜夜に脱原発を訴える抗議行動が始まって間もなく1年。街頭での異議申し立ては政治参加の新しい形として注目されたが、参加者は減りつつある。「灯台のともしびのような存在に」。主催する市民団体や参加者たちは息の長い取り組みを目指している。

 「再稼働は暴挙」「原発依存に未来はない」

 15日午後6時、首相官邸前では太鼓のリズムに合わせた抗議行動が始まり、さまざまなメッセージが書かれたプラカードが掲げられた。東京電力福島第一原発の爆発事故から2年。通算46回目だ。

 昨年6月から参加するヘアメーキャップアーティストの武藤ちづるさん(55)=東京都目黒区=は仲間とフェイスブックで連絡し合い、必ず誰かが官邸前に来るようにしている。「何も言わなくなってしまえば、なし崩し的に原発が再稼働されてしまう」と考えるからだ。

[朝日新聞]

Posted by nob : 2013年03月16日 07:16

抵抗せよ。すぐに役立つ人になるな。

すぐに役立つ人間はすぐに役立たなくなる。

仕事の真価はすぐの周辺にはないのだ。

[伊集院静の流儀より]

Posted by nob : 2013年03月15日 16:45

なるほどです。。。

■震災時の備え、アナタは大丈夫? 被災経験者の声から探る、防災のために用意しておきたいもの

 東日本大震災から2年が経った。震災直後は、防災意識が高まり、関連グッズを買い揃える動きが目立ったが、最近は防災意識がやや薄れつつあるようだ。

 日経ウーマンオンラインが2012年11月26日から12月10日に読者を対象に行った防災アンケートでは、自宅で防災用に用意しているもの」として最も多くの人が挙げたのは「懐中電灯(ライト)」。でも、その懐中電灯でさえ用意している人の割合は72.6%にとどまり、2位の「水」は48.0%、3位の「ラジオ」は46.4%と半数以下であることが分かった。

 アンケートの声を見ると、普段の生活の中での緊急性を実感しにくいため「後でいいや」と考えてしまう人や、「どの程度まで用意すればいいのかわからない」という人が目立ったが、実際、防災用品としてどんなものを用意するといいのだろうか。

 実はこのアンケートの回答者(183人)の中には、自分が被災した経験がある人が23.5%、自分以外の家族が被災した経験がある人が15.6%、親戚が被災した経験がある人が20.1%いた。そうした人たちのリアルな経験談から、防災のために用意しておきたいものを探ってみると…。

水、および水をラクに運搬するための道具

 やはり、多いのは「水」に関する苦労談だ。

水や衛生用品の用意は一番大切

 「宮城県在住です。東日本大震災のときは、ライフラインがすべて止まり、苦労しました。この地震のときに気づいたのは、トイレに苦労するということです。地震の直後は恐怖や不安でおなかは空かないので、食事の心配はそこまでしなくてもよいと思います。しかし、そのような状況の中でもトイレには行きたくなりました。『今は水もないし、トイレには行けないんだ」と思えば思うほど行きたくなるものでした。そのため、水や衛生用品を用意しておくことが一番大切だなと感じました」(25〜29歳)

1週間以上も水が出ず…

 「3.11を経験。1週間以上水が出ず電気も4日後から。お風呂はもちろん1週間以上入れず、飲み水は配給所に並んでペットボトル1本分もらい、トイレの水は小学校のプールの水をバケツで汲んで歩いて運んだ。また車のガソリンもスタンドに何時間も並んだ挙句、10〜20リットルしか入れられなかった」(40歳以上)

給水用のポリタンクがものすごい高値に

 「1995年1月の阪神大震災を神戸市で経験しました。給水車から水を運ぶのは大変でした(給水用のポリタンクがすごい高値で売られていました)」(40歳以上)

毎日水をもらいに行く重労働が辛くて

 「従姉妹と伯母が仙台におり、東日本大震災で被災。水とガスの復旧が遅れたため、毎日水をもらいに行く重労働と、煮炊き・風呂に不自由したそうです」(30〜34歳)

 飲料用に手元にペットボトルを何本か確保するのはもちろんのこと、給水用のポリタンクと、それを運ぶキャスター付きの小型荷台など、給水所から水をラクに運搬するための準備も整えておいたほうがよさそうだ。

 水が出なければ、風呂に入ることもままならない。実際…

体拭きシート、化粧水、乳液など衛生用品

 水が出ないため、風呂に入れず辛い思いをしたという声も目立った。
お風呂に入れないのが辛かった

 「会社から帰れなくなりました。また、自宅へ帰宅できたときガスや電気、水が通っておらずお風呂にはいれなかったのがとても辛かった」(25〜29歳)

化粧水・乳液がいつ切れるかびくびく

 「東日本大震災で被災。ライフラインが破壊されたので、数日、水、電気、ガス等なく寒かったし空腹だった。停電で冷蔵庫の食品が腐って駄目になった。お風呂にも入れなかったが、風呂に入れたとしても化粧水・乳液やシャンプーなど日常品がいつ切れるかびくびくした。仕事で買い物にも行けず、行ったとしても店が開いていない。開いていても、ほしいものはみんな一緒のために売り切れている。ライフラインや物流が復帰するまで生活をどうするかが苦労した」(30〜34歳)

 風呂に入れなくても、体を拭く、髪を洗う、お肌の手入れをするなど、最低限のことはしたいもの。除菌シートや水のいらないシャンプーを用意するとともに、化粧水やシャンプーについては必ず予備を置いておく習慣を持つとよさそうだ。

携帯電話、および携帯電話の充電器

 携帯電話の電池が切れそうになりヒヤヒヤした、両親や親戚が携帯電話を持っていないため安否確認に時間がかかった、といった携帯電話に関する苦労話も多く寄せられた。

携帯の充電池が減っていく絶望感といったら

 「東日本大震災にて被災。電気が来ない間、携帯の充電池が減っていくあの絶望感は忘れられません。それにもかかわらず、「大丈夫?」メールが方々から送信され続け、怒りを覚えました。ありがたいことではありますが、不要不急の連絡は本当にやめてほしいです」(30〜34歳)

携帯電話の電池が瀕死状態に

 「東日本大震災のとき、夫も私も仕事中で離れた場所にいたので、連絡を取り合い合流することが大変だった。携帯電話の電池が瀕死で心細かった」(30〜34歳)

携帯を持っていない親戚を見つけるのに1週間

 「新潟の震災の際に、親戚で一人暮らしのおばあちゃんが、避難所にいたが、避難所は多いし、本人が携帯電話を持っておらず連絡も取れないため、見つかるまでに1週間かかった」(60歳以上)

 やはり、携帯用の充電池は必須。充電をうっかり忘れてしまうこともあるので、自家発電タイプのものだと、さらに便利だ。また、一人暮らしの身内が携帯電話を持っていない場合は、この機会に携帯電話を持ってもらうか、近所の人に協力してもらうなど、携帯に代わる手段を確保するなどしておきたい。

 さらに、次のようなことにも留意したい。

 自分の住んでいるのがどんな家かや、自分にとっての必需品は何か、また、自分がどこまで求めるか、などによって変わってくるが、ほかにもこんな声が聞かれた。

オール電化だったので、何もできない状態に…

 「友人の弟が東北の地震に仙台で被災し、オール電化ハウスだったので、電気が通るまで10日近く、暖もとれず、風呂も沸かせず、煮炊きできない状態に。家が壊れていないので避難所にも入れてもらえず、避難物資も分けてもらえなかった」(40歳以上)

温かい食べ物も食べられず

 「阪神淡路大震災で被災しました。冬だったので、関西でもとても寒く感じました。暖をとる方法がなく、温かい飲食物も自衛隊が来てくれるまでの3日間は何もなかったので、本当につらかったです。また、数日後からはメディア関係者が増え、ただでさえ大変な状況だったのに、ひどい取材態度によって精神的なつらさが何倍にも増大してしまいました」(35〜39歳)

真っ暗で、メガネが見つからなかった

 「友人が神戸市長田町で震災に遭いました。真っ暗な中で、眼鏡がどこにあるか分からず、困ったそうです。とりあえず、眼鏡は手の届くところに置いて寝ないと、物が散らばった中で、動くのも危険だと聞きました」(35〜39歳)

自宅だけでなく、職場にも備えが必要!?

 「都内で東日本大震災の経験。3月とはいえ夜に歩いて帰るのは寒かった。自宅の避難袋だけでなく職場にも備えが必要だと痛感した」(30〜34歳)

 最近は防災用に少量の水があれば食品を加熱できる発熱剤と加熱袋なども売られている。温かい食べ物を確保したければ、そうしたものを用意しておくのも一策だ。また、メガネが必需品だという人は、できれば予備のメガネを非難袋に入れておきたいところだが、少なくとも、壊れないようケースに入れて手の届く場所に置いておくなどしたい。

[NIKKEI TRENDY NET]

Posted by nob : 2013年03月15日 16:35

自然の理にしたがえば、、、

本当に必要なものは

必要な時に

自ずとやってくる。。。

Posted by nob : 2013年03月15日 11:35

何者にもならず、何処にも属さず、何も遺さない、、、近しいスタイル私の自然発生的漂流生活もはや二十有余年。。。

■お金そのものではなく、
“信用残高”を増やせ!

山口:お金というのは、価値とか信用というものを凝縮して結晶化し、“見える形”にしたものだと僕は思っているんですね。つまり価値と信用を数値化したものがお金なんです。今こそ、その大原則に戻って考えるべきだと思うんです。

 たとえば今、アメリカでも日本でも、お金をじゃんじゃん刷っているじゃないですか。あれはお金を生み出しているわけではなく、実はアメリカや日本という国家が持っている価値とか信用をただ薄めているだけ。つまり、カルピスの原液を水で薄めているようなものなんです。

米田:薄めた分、カルピスを飲める量は増えますよね?

山口:そう、ただし量は増えても、そもそもの原液の量は変わらない。それは国家というマクロでの視点でみた場合の、お金のあり方です。一方、ミクロの視点で僕ら個人が考えるべきことは、お金をいくら持つかではなく、信用の残高をどれだけ積んでいくか、ということ。なぜかといえば、信用残高が積まれていれば、ATMからお金を引き出すように、必要なときにお金に換えられるから。

 たとえば僕自身、1度事業を売却したときにまとまったお金が入ったんです。それを金融商品ではなく、自分の関連するコミュニティにいる、ベトナムにお店を作ったりいろいろなウェブ事業を作ったりして好きなことをやろうと頑張っている人を手伝って、信用を積むことに投資した。お金を使ってお金を得るんじゃなく、コミュニティと関係を作る方が圧倒的に自分のセイフティ・ネットになると思ったからです。

米田:1回マネーになったものを、もう一度信用とか価値に戻したんですね。

山口:そういうことです。結局、その投資によって手元にお金がなくなったけども、最終的には2年間プータローしながら作ってきたコミュニティとの協力関係を得て、再び同じ事業を譲り受けることができました。お金と信用や価値の間っていうのは、実はシームレスにつながっている。

 今はソーシャルファンディングぐらいですけども、これからは自分の培ってきた信頼関係を物とかお金に換えられる手段というのが、もっと多様化して膨大に出てくるはず。つまり信用を信用のまま持っているほうが実はよかったり、安心感があったりするわけです。

米田:なるほど。お金のようにインフレもありませんしね。

山口:好きなことで食っていくには、2つの方法があると僕は考えています。1つがマネタイズ、もう1つがキャピタライズという概念です。

 マネタイズとは、自分の持つ価値や強みによって他人や事業などに貢献し、その対価としてお金を得るということ。方法はファンクラブ形式でも物販でも、何でもかまいません。一方キャピタライズとは、先ほどの僕の例のように信用残高を増やすことです。自分が持っているクレジット、たとえば信頼関係とかつながりのなかでお金を作る。

米田:いくら儲けたいと思っても信用がなければビジネスは始まらないですからね。本来、お金って信用の先にあるってことですからね。

山口:そうなんです。たとえば食うのに困ったら、ソーシャルファンディングでいつでも100万円を集められるような状況です。もっと進むと、信用に基づいて価値を直接やり取りすることもできるようになる。つまり物々交換が可能になるんですね。好きなことをして生きていくなら、このマネタイズとキャピタライズの知識を“技術”として身につけなければいけないと思うんです。

[DIAMOND online/「好き」を優先して自由に生きるには?僕らが知っておくべき「お金の正体」山口揚平×米田智彦 対談より抜粋]

Posted by nob : 2013年03月15日 09:45

不変の法則

万物は変わり続けることこそ

変わることのない存在の法則

Posted by nob : 2013年03月14日 14:55

足るを知る、、、持たないという豊かさ。。。

しかし結局、捨てられない原因を突き詰めていくと、実は二つしかありません。

それは、「過去に対する執着」と「未来に対する不安」。この二つだけです。


自分にとって必要なモノや求めているモノが見えていないから、

ますます不必要なモノを増やしてしまい、

物理的にも精神的にもどんどんいらないモノに埋もれていってしまいます。


モノを捨てることによって、決断力が磨かれていきます。

モノを捨てずにため込むことで、決断力を養う機会を逃しているのはもったいないこと。

[人生がときめく片づけの魔法/近藤麻理恵]

Posted by nob : 2013年03月13日 22:15

原発問題の根幹。。。

■「原発の後始末」
脱原発してもゴミは存在
山根 小雪、大竹 剛

日本に存在する放射性廃棄物、いわゆる「核のゴミ」は、福島第1原発事故に由来するものだけではない。深刻なのが、この40年間に原発で燃やした使用済み燃料から生じる高レベル放射性廃棄物だ。今日も、日経ビジネス2012年1月30日号の特集『原発の後始末』の内容を再録し、核のゴミの問題に迫る。

 日本は、使用済み燃料を再処理して、燃料中に残ったウランや、核分裂によって生成したプルトニウムを再利用する「核燃料サイクル」を進める立場を取る。高レベル放射性廃棄物は、言ってみれば燃料の燃えかすだ。再処理の過程で、高レベル放射性廃棄物を分離。ガラスで固めた「ガラス固化体」として最終処分する。ただし、再処理しても最終的なゴミの量は大して減らない。

 だが、六ケ所村の再処理工場は相次ぐトラブルで、既に稼働時期を18回延期。本格稼働には至っていない。2008年にトラブルで中断していた最終試験は、1月10日に再開に向けた作業を開始したところだ。まだ稼働には時間を要する。

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日本原燃(六ケ所村)の低レベル廃棄物処分施設

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海外から返還されたガラス固化体の貯蔵施設

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使用済み燃料プール

 ちなみに、出力100万キロワットの原発1基で1年間に生じる使用済み燃料は30トン。再処理待ちの使用済み燃料は、原発内の使用済み燃料プールや青森県六ケ所村の日本原燃の敷地内に保管している。その総量は、2011年3月末時点で1万6800トンに上る。

 一部はフランスや英国に再処理を委託しており、返還されたガラス固化体も六ケ所村にある。

 今、この瞬間に脱原発を果たしたとしても、使用済み燃料から生じた核のゴミの処理から逃れることはできない。反対派が原発を「トイレのないマンション」と揶揄するのは、最終処分の道筋が見通せないためだ。

 現時点で最善の処分方法は、地下数百mに埋設して放射線を閉じ込める「地層処分」というのが国際的な共通認識。地上で半永久的に管理する方法や、深海や宇宙への投棄を検討したが、飛散リスクなどを考慮し選択肢から外れた。

 日本が地層処分の研究開発を始めたのは1970年代、99年に政府は地層処分研究に関する第2次取りまとめを公表。これをもって「国内でも地層処分は可能」との判断を下した。2000年に地層処分の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)を設立。2002年、候補地の公募が始まった。

 それから10年。いまだに候補地は決まっていない。2007年に高知県東洋町が名乗りを上げたものの、推進派の町長が選挙に敗れて白紙撤回した。この10年、受け入れに関心を示す自治体が現れては、反対の声が上がり、かき消されてきた。

 現在の公募制度は、首長が政治生命を賭けることになりがちで、自治体側の負担が大きい。政府は2010年に直接、複数の候補地に申し入れする方針を明らかにしていた。福島第1原発事故が起きなければ、今頃には申し入れされていた可能性が高い。だが、事故が起き、その雰囲気はなくなった。

 現在の計画は、2028年までに調査を終えて処分地を決定し、2030年代後半までに処分を開始、その後、50年をかけて高レベル廃棄物を埋設するというものだ。だが、調査だけでも最低20年を要するため、既に遅れている。
見えない不安がつきまとう

 最終処分場の設置に住民が反対するのは自然なことだ。目に見えない地下深くとはいえ、住まいのそばに何万年も核のゴミが存在する。しかも日本は地震大国。地下の安全性に、不安を覚える人がいても不思議はない。

 地層処分に懐疑的な立場を取るNPO法人(特定非営利活動法人)原子力資料情報室の西尾漠・共同代表は、「本当に地震などのリスクがないのかどうか現時点の知見だけでは判断できない。政治的に急いで結論を出すことだけは避けてもらいたい」と主張する。

 これに対して、日本原子力研究開発機構(JAEA)地層処分研究開発部門自然事象研究グループの梅田浩司グループリーダーは、「地上よりも地下の方が地震のリスクはずっと小さい」と反論する。地上で巨大地震が起きても、炭坑の作業者は気づいていなかったという報告例もあるほどだ。

 深刻な事態を招く可能性があるのは、地震よりも処分場に隆起が直撃するケース。ただし、「隆起の発生場所や確率は数万年先まで予測できる。最悪のシナリオが起きた時に、どれだけの被曝影響が地上へ及ぶかをシミュレーションしたうえで場所を決めればいい」(梅田グループリーダー)。JAEAの試算によれば、日本の国土の約半分の地域で地層処分が可能だという。

 人類が地下の核のゴミを数万年間、管理できるのかという疑問もわく。JAEAによると管理は最初の300年間だけ。1000年後にガラス固化体を覆った鉄の容器が腐食して、放射性廃棄物が漏れ出すことを前提にしている。地下に閉じ込めておけば、地上での被曝を最小限に抑えられるというわけだ。

 「地層処分でなければ、後世に負担をかける。100%の安全はこの世に存在しないが、相当高い確率で影響は回避できる」とJAEA地層処分研究開発部門の清水和彦・副部門長は話す。

 日本は今、核燃料サイクルの是非を巡って揺れている。コストや安全保障が争点だが、最終処分も関係する。核燃料サイクルをやめるのは、大量の使用済み燃料を再利用が可能な「資産」ではなく、捨てなければならない「核のゴミ」と認定することと同じ。「いつかは使うから」と処分を先延ばしする論理は通用しなくなり、最終処分場の建設への圧力が高まるのは自明だ。

 日本の処分場問題は身動きが取れない状況に陥っている。しかも、福島第1原発事故は、原子力の安全神話を崩し、「ほかにも隠している情報があるのではないか」という懐疑的な気持ちを国民に植えつけてしまった。膠着状態を脱却し、社会的な合意を形成するにはどうすればいいのか。先行する海外のケースを追う。

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[日経ビジネス]

Posted by nob : 2013年03月13日 17:07

気が遠くなる長く険しい道程、、、せめてもできるのはこれ以上核廃棄物を増やさないこと、、、さらなる地震が発生しないことを祈るばかり。。。

■最初のヤマ場、4号機燃料取り出しは秋から

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福島第1原発の敷地内に所狭しと並べられた円筒形の汚染水タンク。汚染水は建屋への地下水流入と冷却維持のための注水で1日に400トンずつ増えており、汚染水の処理が最大の課題となっている。奥は(左から)1、2、3、4号機の原子炉建屋

 事故から丸2年を迎える東京電力福島第1原発では、30~40年かかるとされる廃炉作業が進む。その最初のヤマ場となるのが、4号機燃料貯蔵プールにある1533体の燃料の取り出し作業だ。貯蔵プール内の燃料は格納容器などで保管されておらず、プールが崩壊すれば甚大な被害が出る。昨年7月には試験的に2体を取り出したが、本格的な取り出しは今年11月から始まる。ただ、放射性物質を含む汚染水や困難な炉内の状況把握など依然、難題も残っている。(原子力取材班)

カバー設置

 4号機燃料貯蔵プールからの燃料取り出しは最優先課題として位置づけられている。再び大地震に見舞われ建屋が崩壊すれば、野ざらしになった多くの燃料から大量の放射性物質が放出されるからだ。

 このため、東電は燃料貯蔵プールの耐震補強を実施。平成23年7月には耐震余裕度が20%以上向上した。耐震補強にメドをつけると、次は燃料の取り出し準備に移る。

 水素爆発で建屋が吹き飛んだ4号機では、がれきが散乱している。建屋上部は骨組みが残ったが、燃料の取り出しの障害になるため、東電はまず建屋上部のがれき撤去に着手、昨年7月に撤去を完了させた。

 燃料の取り出しは、プール上部にクレーンを設置し一体ずつ引き出す。現在、クレーンを取り付ける燃料取り出し用のカバーを建設中だ。順調に進めば、今年11月から燃料取り出しが始まる。

 取り出した燃料は輸送用の容器に収納。別のクレーンで容器を地上に下ろし、約100メートル離れた保管先の共用プールへと移送する。東電は来年末までに取り出しを完了させる。

収容に限界

 燃料を取り出しても共用プールへの移送は容易ではない。共用プールに保管できる燃料は保管能力から6840体まで。だが、現在すでに6377体が保管されており、新たに移送できるのは、463体だけだ。

 各原子炉建屋の燃料貯蔵プールに保管中の燃料は、4号機が事故当時に定期検査中だったため最も多く1533体。炉心溶融(メルトダウン)した1~3号機は、1号機が292体、2号機が587体、3号機が514体と1~4号機で2926体の燃料が貯蔵プールに保管されている。

 現在収容できるスペースの6倍以上の燃料をどうやって移すかが新たな課題として浮上している。

空冷でスペース

 そこで、共用プールの空きスペース確保の手段としているのが、「乾式(かんしき)キャスク」を利用する方法だ。

 乾式キャスクは、一定期間冷却された使用済み燃料を中間貯蔵する際に用いられる。東電では鋼鉄製の長さ約5メートル、直径約2メートル、重さ約100トンの巨大な筒の中に燃料を入れて、水を使わず空冷式で冷却する。一つのキャスクには37~69体の燃料が収納できる。

 現在、共用プールで冷やされている使用済み燃料のうち13年以上経過し、崩壊熱が取れ冷えたものを乾式キャスクに収納。海抜約40メートルの高台に建設中の乾式キャスク仮保管設備に順次移動していく。共用プールの燃料のうち約5千体は13年以上経過している。

 原子炉建屋上部のがれき撤去作業が進められている3号機の燃料貯蔵プールからの燃料取り出しは、4号機の作業が終わる見込みの来年末ごろから始まる見通しだ。だが、1、2号機は燃料取り出しのメドは立っていない。メルトダウンした燃料を除く燃料は10年以内で移送するとしている。廃炉への道程はようやく緒についたばかりだ。

[産経新聞]

Posted by nob : 2013年03月08日 16:00

真の悪の枢軸は、、、それは私たち自身です。。。

■国連安保理、北朝鮮に4度目の制裁決議

【国連本部】国連安全保障理事会は7日、2月に核実験を行った北朝鮮に対し、4度目の制裁決議案を採択した。決議案は北朝鮮が米国攻撃を脅す中で採択された。

 決議は、15カ国の全会一致で採択された。北朝鮮の金融取引の取り締まりや、核・ミサイル関連の密輸品を運搬していると疑われる貨物の検査を国連加盟国に義務付けている。これらの制裁措置はこれまで自主的に実施されていた。

 決議は北朝鮮に核兵器開発計画を断念させることを狙いとしており、国際交渉のテーブルに復帰するよう北朝鮮に呼び掛けた。また、北朝鮮が禁止された核・弾道ミサイル開発計画を継続するなら、一段と厳しい制裁を科すと警告した。

 安保理表決の数時間前、北朝鮮は米国に対する核攻撃開始も辞さないと警告した。しかし軍事アナリストたちは、北朝鮮には米領土に到達する核攻撃能力はないと述べている。

 米軍は今週、韓国軍と合同で恒例の防衛軍事演習を実施している。これを踏まえ北朝鮮は、韓国を「火の海」にすることも辞さないとも警告した。

 これに対し、韓国は独自の警告を行った。韓国の金塾(キム・スク)国連大使は「北朝鮮はその非合法的な行動と悪業の高いツケを払うことになるだろう」と警告し、北朝鮮の最近の挑発は「レトリック(口先)であれ物理的であれ、完全に受け入れがたく、これに決然と対応する」と語った。

 中国とロシアは、新決議案が北朝鮮との6カ国協議再開を呼び掛けていることを強調した。北朝鮮は2009年に同協議から離脱している。6カ国協議はこの3カ国のほか韓国、米国、日本が参加している。

 ロシアのチュルキン国連大使は「冷静になって唯一可能な理性的行動をとる必要がある。それは6カ国協議に復帰することだ」と述べた。また同大使は、ロシアが北朝鮮と独自の話し合いをしていると述べた。

 米国と決議案を作成した中国の李保東国連大使は、「今後の最優先課題は、緊張を取り除き、熱を冷まして外交交渉に集中することだ」と述べた。

 しかし韓国の金大使は、韓国としては今は交渉再開の時期ではないと考えていると述べた。同大使は「今は対話について語る時ではない」と語った。

 決議は、朝鮮半島の非核化も呼び掛けている。米国は韓国から数百の戦術核兵器を1991年までにすべて撤去している。北朝鮮が核開発計画に着手したのは89年のことで、制裁拡大にもかかわらず、これを続行してきた。今回採択された制裁決議は06年以降4度目。

 安保理決議はさらに、北朝鮮系銀行の国連加盟国への進出を禁じるとともに、禁止プログラムに関連した輸出信用や保険の提供を禁止するよう呼び掛けている。

 米国のスーザン・ライス国連大使は「北朝鮮が核・弾道ミサイル計画のために支払う資金を動かそうとした場合、たとえそれが札束で一杯のスーツケースで運搬されているとしても、加盟国はこれを阻止しなければならない」と述べた。

 安保理は、北朝鮮が昨年12月に弾道ミサイル実験を実施したのをうけて制裁を強化した。安保理はその際、核実験を行ったらもっと厳しい措置をとると北朝鮮に警告していたが、北朝鮮は先月12日、これを無視して核実験を行った。

[THE WALL STREET JOURNAL]


■北朝鮮、南北不可侵合意の破棄を宣言 制裁に反発

 【ソウル=小倉健太郎】北朝鮮の祖国平和統一委員会は8日、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議や米韓合同軍事演習を批判する声明を発表した。南北間の不可侵に関するすべての合意の全面破棄、朝鮮半島の非核化に関する共同宣言の白紙化、板門店(パンムンジョム)の閉鎖や南北直通電話の断絶などを宣言した。朝鮮中央通信が伝えた。

[日本経済新聞]


■ミサイルに対し「完全な防衛能力」 米報道官、核先制攻撃の警告を一蹴

 【ワシントン=犬塚陽介】カーニー米大統領報道官は7日の記者会見で、北朝鮮が核先制攻撃を警告したことについて、米国には「あらゆる北朝鮮の弾道ミサイル攻撃を防衛する完全な能力がある」と自信を示した。そのうえで、「脅迫や挑発では何も達成できない」とし、北朝鮮の主張を一蹴した。

 また、国連安全保障理事会の制裁決議は「北朝鮮の脅威を安保理が深刻に受け止めたことを示している」と述べ、中国も同調し、全会一致の決議となったことを歓迎した。

 ヌランド報道官もこの日の記者会見で、米国は日韓など同盟国の「防衛にしっかり取り組んでいる」と断言。北朝鮮は挑発的な言動を繰り返しており、今回の内容にも「驚きはなく、新しくもない」と冷静に対処していく考えを強調した。

[産経新聞]


■「核保有は永久」=制裁決議に反発声明−北朝鮮

 【ソウル時事】北朝鮮外務省は9日、スポークスマン声明を出し、国連安全保障理事会が2月に核実験を実施した北朝鮮に対する制裁決議を採択したことに反発し、「世界は米国が国連安保理を盗用し、反共和国『制裁決議』をでっち上げた代価として、われわれの核保有国、衛星発射国の地位がどう永久化されるかを見ることになる」と、核・ミサイル開発を既成事実化する立場を強調した。朝鮮中央通信が伝えた。

 8日、制裁決議や米韓合同演習などに関連し、北朝鮮の祖国平和統一委員会が南北の不可侵合意破棄を表明する声明を出したが、決議に対する外務省による直接的な非難声明は初めて。核実験の示唆などさらなる具体的な対抗措置への言及は控えており、米国や中国の出方をうかがい、強硬なトーンを抑制した可能性もある。

 声明は、今回の制裁決議を「対(北)朝鮮敵視政策の産物」として「峻烈(しゅんれつ)に糾弾し、全面排撃する」と非難。「米国とその追従勢力がみっともない『制裁決議』採択ごっこに一生懸命になればなるほど、先軍朝鮮の威力は100倍、1000倍に成長する」と主張した。

[時事通信/10日追加]


■金正恩氏の核戦争勃発 11日から“戦争状態”に ソウルの約1000万人が人質

 朝鮮半島は北朝鮮の一方的な「休戦協定の白紙化」宣言で、11日から彼らのいう“戦争状態”となる。北朝鮮に詳しい情報筋によると、「北朝鮮国内はすでに戦時の雰囲気」で重武装した軍人が増えており、「一部地域には軍用米の配給も行われた」(同)という。米韓合同軍事演習は11日から本格演習に入るが、この日をもって北朝鮮は「板門店代表部の活動も全面中止する」としており、2010年11月の延坪島砲撃事件のような軍事挑発が懸念される。北朝鮮が極度に緊張醸成を行う理由とは?

(久保田るり子)

韓国首都圏を人質にとる北朝鮮の威嚇作戦が本格化

 国連安保理の追加制裁決議採択を受け北朝鮮が、「侵略者の本拠地に対する核先制攻撃の権利行使」に言及した朝鮮半島は、近年にない緊張レベルに達している。韓国側が想定している今後の具体的な北朝鮮の挑発シナリオはおおむね6つある。

 まず、政府機関などをターゲットとしたテロおよびサイバーテロ。次に3年前に起きた哨戒艇「天安」撃沈などの海洋軍事攻撃。さらに南北の海上境界線である北方限界線(NLL)付近の第2の延坪島砲撃のような局地攻撃。そして第4回核実験、あるいは長距離弾道ミサイル発射。最悪シナリオはソウル首都圏への局地攻撃-などである。

 韓国は韓国軍合同参謀本部が「挑発すれば挑発地点や支援勢力はもちろん、指揮勢力まで強力に断固として懲らしめる。すべての準備は整っている」との警告声明(6日)を出し、警戒レベルを一段階上げている。警察当局も警察作戦部隊員の外出自粛令を出し、警察指揮官の非常体制を敷き、海岸警戒や主要施設に対する警戒を強化した。

 こうした状況を韓国の北朝鮮専門家の多くは「北朝鮮が第3回核実験の成功を背景に韓国を人質として米国と交渉しようという核戦略を本格化した」と分析している。

 しかし、北朝鮮が「休戦協定破棄」を言い出すのは初めてではない。1990年代はじめには軍事停戦委員会の国連軍代表に韓国軍将軍が就任したことに反発し休戦協定を無視。軍事委から北朝鮮代表を撤収させたこともある。2009年には米国が主導する大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に韓国が参加すれば「休戦協定の拘束を受けない」と反発したこともあった。休戦協定が白紙になれば、韓国が南北経済協力事業として続けてきた開城工業団地を撤収するなどの措置も必要になるが、現状は北朝鮮が一方的に「宣言」している政治的なレベルである。

 しかし今回の場合、この宣言(5日)を北朝鮮軍部で対南工作を総括する金英哲・偵察総局長が自らテレビ出演したことが異例だった。金英哲氏は哨戒艇「天安」撃沈事件の責任者とされ軍部強硬派を代表する人物で、本来は姿を隠すべき責任者だが、その責任者がテレビで堂々と国際社会に向け登場した。これは軍が前面に出ることで軍事脅威を強調し、米韓の反応を促そうとの駆け引き作戦のようだ。

「北朝鮮は戦争間近の雰囲気」「核実験はいつでもできる」

 一方、北朝鮮情勢に詳しい情報筋によると、北朝鮮国内では軍人が重装備を開始して北朝鮮住民に「戦争が近い」ことを宣伝しているという。「一部地域に軍用食糧が戦争準備のため配給されている」という。

 韓国の北朝鮮情勢専門サイト「デーリーNK」も「北朝鮮内部では事実上の戦時に準ずる軍対応態勢と住民および物資動員が進行中。両江道(北朝鮮北東部)の消息筋は『軍人をはじめ教導隊、労働赤衛隊も一週間分の食糧を携え坑道で生活している」(2月27日)などと報じている。

 国内で戦争間近の雰囲気を高めている理由について情報筋は、「国内引き締めの金正恩体制固めに利用している。対外的な核戦略とは別途の目的だ。食糧や物資配給ができない現状で金正恩氏への求心力は現在、緊張醸成以外にはない」と分析している。

 国内引き締めと同時に、休戦協定白紙化宣言で述べている「米国などの敵対行為に対処し、強力な2次、3次対応措置を連続的に取ることになるだろう」との軍事作戦が進行しているのも事実のようだ。

 韓国紙によると、「北朝鮮は最近、元山飛行場に配置されたミグ機を江原道通川郡の飛行場に前進配備したことが確認された」(3月6日付「中央日報」)。

 元山は北朝鮮東海岸にあり、南北の休戦ラインから約100キロの地点だが、ミグ機が通川郡に移動すれば休戦ラインから約50キロの地点であるため離陸直後に南下が可能になる。

 さらに北朝鮮はミサイル発射と核実験も示唆している。軍事専門家によると「2月の核実験は豊渓里の核実験場西坑道で行われたが、新たに掘削し準備ができていた南坑道は未使用で、いつ次の実験が行われてもおかしくない」。

 韓国の核専門家、金泰宇・前統一研究院院長は「北朝鮮が4回目、5回目の実験を行うであろう技術的、政治的動機はたくさんある。つまり次回実験はいつ行ってもおかしくない」と述べている。

[産経新聞/10日追加]

Posted by nob : 2013年03月08日 10:53

いつか来た途、、、鹿を追う者は山を見ず、、、そして崖から谷底に落ちる。。。

■PM2.5汚染に続き中国を悩ます地下水汚染
井戸を掘って工場廃水を地下に注入する汚染企業
北村 豊

 中国では1月中旬から日本の国土面積の15倍に相当する143万平方キロメートルもの地域が深刻なスモッグに覆われ、大気汚染が国家の最重要課題として浮上した。それはスモッグを構成する大気中のPM2.5(直径が2.5μm<マイクロメートル>以下の超微粒子)の濃度が、中国気象局が2010年1月に定めた気象基準の1日平均規制値である1立方メートル当たり75μmを大幅に超過し、国民の健康が危機的な状況に陥ったことに起因する。

まさに泣き面に蜂

 中国では2013年1月1日から全国74都市の大気汚染状況を毎日発表するようになったが、法定休暇となった春節期間(2月9〜15日)中のPM2.5 の濃度は最大で1日平均426μmとなり気象基準の5.7倍を記録した。こうした大気汚染の憂慮すべき事態に、中国国民は経済至上主義の名の下になおざりにされてきた環境行政に対する憤りを募らせる中、春節期間中の2月12日に地下水の汚染疑惑が新たに提起されたのである。これは中国語で言うところの“雪上加霜(泣き面に蜂)”という状況だが、環境保全をなおざりにして、ひたすら経済至上主義の道を突き進んで来た中国は、今やその代償の支払いを余儀なくされているのである。

 著名な社会活動家である“鄧飛”は中国の水汚染に真正面から取り組み、2009年には“中国癌症村(がんの村)調査”を実施し、深刻な地表水汚染を目の当たりにした。そこでネットのポータルサイト“新浪網(sina.com.cn)”の“微博(マイクロブログ)”に「中国水危機独立調査」を立ち上げ、全国に250万人いる彼の支持者との交流を通じて水質汚染に関する情報収集を行っている。その鄧飛が2月11日の夜、あるメル友から「郷里では多くの人がひそかに化学工業を営み、その汚水を注射と同様に地下へ注入し、地下水を汚染させていると聞いた」というメールを受領した。この情報に動かされた鄧飛は従前の調査結果に基づいて、翌2月12日に彼のマイクロブログ上に次のような告発を書き込み、「地下水汚染調査」を呼び掛けたのであった。

 山東省の“濰坊市(いほうし)”では、化学工業や製紙業の工場が人命にかかわる汚水を高圧ポンプで地下へ注入して、工場廃水の違法排出の取り締まりから逃れている。汚染物質の地下への排出は、既に多くの地方で長年にわたってこっそりと行われてきている。

 ところで、違法な企業が未処理の汚水を地下へ直接排出することは今に始まったことではない。2010年5月には雑誌「半月談」<注1>が「地下への汚水排出:忍び寄る致命的な脅威」という記事を掲載していた。当該記事によれば、排水用の穴や井戸を掘ってひそかに汚水を排出している以外に、取り締まりを逃れるため、こともあろうに高圧ポンプを使って大量の汚水を地下へ直接注入している企業もあり、南方の一部企業に至っては汚水を鍾乳洞へ排出している事実が調査を通じて判明したとある。

<注1>中国共産党中央宣伝部が“新華社”に委託して毎月10日と25日に発行している雑誌。

 さて、深刻な大気汚染により環境汚染に対してアレルギー状態になっていたネットユーザーたちは鄧飛の告発に敏感に反応し、ネットの掲示板に次々と転載したから、地下水汚染の危険性は瞬く間に全国へ伝わり、大きな反響を巻き起こした。こうした状況を受けて、中国のメディアも一斉に記者を濰坊市へ送り込み、現地取材を敢行したのだった。

メディアの取材を妨害

 鄧飛の告発によって突然脚光を浴びることになった濰坊市にとって、地下水汚染疑惑は正に青天の霹靂であった。急きょ濰坊市に入った記者たちが最初に向かった先は濰坊市の“環境保護局”(以下「環境局」)だったが、突然の事態に当の環境局は困惑と混乱の極みにあり、責任者不在を理由に記者たちは門前払いの扱いを受けた。2月15日になってようやく態勢を整えた環境局は、濰坊市が管轄する県や鎮、さらには開発区に対して全面的な地下への汚水排出調査を行う旨を通告すると同時に5つの監督指導チームを組織して、ローラー作戦を展開して企業の汚水排出状況の調査を行った。環境局は2月17日までに715企業に対する調査を終えたとのことだが、結果は一向に発表されていない。

 一方、濰坊市政府は地下へ汚水を排出している企業を通報した者には賞金10万元(約150万円)、環境局の調査に積極的に協力した者には奨励金1万元(約15万円)を贈るという懸賞を発表して、情報提供を呼びかけたが具体的な通報を受けることはなかった。これに対してネット上では様々な意見が飛び交ったが、ハンドルネーム「金融八卦男」はブログで、「今日、山東省の各地では経済活動の視察が行われ、主要な指導者が付き添っている。聞くところによれば、濰坊市の化学、アルコール、製紙などの工場では新たな汚水排出方法を考案し、汚水を地下へ注入して地下水をひどく汚染させているという。これらの工場は地元では最も優良な企業であり、既に株式の上場を準備していると言われている」と述べて、どんなに調査をしようとも違法企業の摘発などできるはずがないことを示唆した。地元で優良な企業であれば収める税金も大きく、市政府が本気で取り締まるわけがないというのである。

 実際にメディアの記者たちは濰坊市で懸命の取材活動を展開したが、違法企業に関する具体的な確証は得られなかった。そればかりか、濰坊市政府は中央政府に本件に関する“封口令(口止め命令)”を要請した模様で、濰坊市では本件の調査していた40人以上の記者が行動を制限されたし、ネット上では関連する書き込みが次々と削除され、ネットユーザーによる書き込みと管理者側による削除が一進一退の戦いを展開した。そうした規制を受けながらも、一部の記者は取材を続けて多数の記事を発信したが、その中で最も核心に迫った全国紙「中国証券報」の2月23日付記事「山東省濰坊市で“打井灌汚(井戸を掘って汚水を注ぎ込む)”が地下産業チェーンを形成」の概要は以下の通りである。

【1】濰坊市の管轄下にある“寿光市(じゅこうし)”はかつて「野菜の里」と言われていたが、今では製紙、化学、プラスチックなどの重化学工業を主導する工業拠点になっている。その寿光市郊外にある“台頭鎮工業園(工業団地)”では多数の工場が操業しているが、昨年建設された汚水処理場は処理能力が小さい上に、工業廃水だけでなく生活廃水も処理するため、工業廃水の処理量はなおさら限定され、どこの工場も相当量の廃水が処理できない状況になっている。寿光市全体で排出される廃水量は1日当たり25万トン(2012年上期)だが、汚水処理能力は大きく下回っており、未処理廃水の排出を黙認せざるを得ない状況にある。

【2】廃水処理能力のみならず、廃水処理費も企業にとっては大きな問題となっている。2011年に一般企業で1立方メートル当たり1元(約15円)であった廃水処理費は、2012年には1.9元(約29円)に値上がりし、1日の廃水排出量が1000トン以上の企業は毎月の“排汚費(汚染排出料)”が6万元(約90万円)以上となる。この出費は中小企業にとっては小さなものではなく、廃水をひそかに処理できれば大きな利益につながる。

【3】そこで登場するのが井戸掘り業者である。記者は寿光市の市内各地で井戸掘り業者の公告を目にしていたので、ある業者に客を装って面談し、次の事項を確認した。すなわち、濰坊市で井戸掘りが盛んになったのは3年ほど前からで、現在では国内および海外の井戸掘り業者が30チーム以上進出している(一般に 1チームは6〜7人で構成されている)。井戸掘り業者の名目上の業務は地元の村や鎮および工場の取水用井戸の掘削だが、工場側からすると、取水用井戸とは名目に過ぎず、実際の用途は含水層を打ち抜いて、その下の層に汚水を注入することが多い。一般の汚水排出用井戸の深さは50〜60メートルで、その汚水注入量は1日当たり20〜30トンだが、一部の井戸は深さ600メートルに及ぶものもあり、注水規模は数百トンにもなる。

【4】井戸の工期は深さにもよるが、工場内の含水層が多い地域を選定しさえすれば、1〜2日で完成する。井戸掘削費用は地質にもよるが、深さ1メートル当たりで、セメントパイプなら120〜150元(約1800〜2250円)、スチールパイプなら300元(約4500円)であるという。掘る井戸の深さを 100メートル前後とすれば、工事費用は4000〜5000元(約6万〜7万5000円)と小額であるから、企業も費用の捻出は容易である。記者が接触した業者によれば、彼の井戸掘りチームは毎年100本近い井戸を掘削しているが、大きな工場では一度に何本もの汚水排出用井戸を掘削することが多く、毎年の井戸掘り収入は数十万元(数百万円)に上るという。

作物の生育が悪くなり、収穫量は年々減少

 2月21日付の全国紙「中国青年報」は、同じ山東省で濰坊市から西に300キロメートル離れた“聊城市(りょうじょうし)”の地下水汚染の状況を報じた。同記事は次のように伝えている。

(1)同市の“荏平県(じんへいけん)”は、発展の遅れた県から“全国百強県(全国で経済力が強い県上位100位)”に過去十数年で躍進した。しかし、経済的躍進に伴って地下水の汚染は深刻さを増し、地元住民のがんや腎臓病の発症率が大幅に増大した。従って、濰坊市の地下水汚染問題を耳にしても、地元の住民は極めて冷静で、「そんな状況はここでは当たり前になっている。“県城(荏平県の行政機関の所在地)”周辺の地下水はとっくに汚染されているから今では誰も飲まない」と答えた。一方、この点を荏平県の環境保護部門に尋ねると、驚くことに「荏平県には地下水汚染の問題は存在しない」との回答が返ってきた。

(2)県城の西部にある“干韓村(かんかんむら)”では7〜8年前に水道を引き、現在では誰も井戸水を飲まない。洗濯や食器洗いには井戸水を使うが、農業にも井戸水は使えず、黄河の水を数十キロメートルも引き込んで灌漑に使っている。しかし、農業は地下水汚染の影響を受けて、作物の生育が悪くなり、収穫量は年々減少している。深さ十数メートルの井戸水をくみ上げると、水は黄色で、半日も置くと水面には薄い油膜が浮き、時には泡立っている。

(3)こうした地下水汚染の元凶は、荏平県の民間企業である“山東信発鋁電(アルミ発電)集団”であった。同集団は2004年に100億元(約1500億円)の投資額で、100万キロワットの電力、100万トンの酸化アルミニウム、100万トンのフライアッシュセメント(石炭灰を混ぜた高品質のセメント)の三大事業に着手し、今では数万人の職員を雇用し、総資産は1200億元(約1兆8000億円)以上に上っている。

(4)ボーキサイトから酸化アルミを抽出した後に発生する赤色の汚泥などの残渣(ざんさ)や廃水は工場から離れた場所に掘られた巨大な沈殿池に移される。この赤色の汚泥は強アルカリ性の汚染物質であり、沈殿池に浸透防止措置が取られていないために、汚染物質は地下に浸透して地下水を汚染し、井戸水のみならず地質にまで甚大な影響を及ぼしているのである。

地下水に頼る大多数の都市には致命的

 上述した記事に共通するのは、経済至上主義を標榜する地方政府が企業所得税を納入する地元企業を擁護し、彼らによる違法行為、すなわち、汚染水の地下への浸透および注入を、見て見ぬふりをしている事実である。そのツケが地元民の生活と健康を害し、将来的には地下水にとどまらず、その周辺を含めた広範な地域を汚染地域と化して無人の荒野に変える可能性には思い至らない。目先の欲に釣られことを「鹿を追う者は山を見ず」<注2>と言うが、こうした欲に目がくらんだ官僚や企業経営者が中国の環境を深刻な汚染状況に陥らせ、刻一刻と修復不可能な状態に追い込んでいるのである。

<注2>このことわざの語源については、2012年6月15日付の本リポート「注目を集め始めた中国の土壌汚染問題」参照。当該記事と本記事を読み比べると環境汚染に共通する背景がよく理解できる。

 鄧飛の告発は山東省濰坊市を1つの例として挙げたものであり、濰坊市と同様の地下への汚水注入は中国の各地でひそかに行われていることは疑いの余地がない。中国地質調査局の役人によれば、中国の都市の90%は地下水が汚染されており、そのうちの3分の2を占める都市の地下水は“厳重汚染(深刻な汚染)” の状態にあるという。これは水不足解消の手段を地下水に頼る大多数の都市にとっては致命的な数字であると言える。

 環境の三大要素は、大気、水、土壌(土地)であるが、今の中国はその三大要素たる大気、水(地下水と地表水)、土壌のすべてが深刻な状況にある。この最悪の状況を改善するにはどうすればよいのか。中国政府はその答えが経済至上主義からの転換であることは十分認識しているはずである。しかし、経済成長の持続が中国共産党の政権維持の前提条件であるために、次の一歩を踏み出せないまま環境汚染という「どつぼ」にはまってしまったのだ。環境汚染に対する国民の不満はマグマとなって火山をいつでも爆発させるところまで沸騰している。中国は深刻な環境汚染にどう対応するのか。中国の環境汚染の影響を直接受ける隣国として、日本は中国の環境行政の動きを注視して行かねばならない。

[日経ビジネス/世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」]

Posted by nob : 2013年03月07日 17:58

覚えておこうと思いつつ、、、いつも忘れてしまう。。。

■きつねそば・たぬきうどん、なぜ大阪にはない?

 大きな油揚げがのったそばを食べるには、大阪では「たぬき」、関東では「きつね」と注文しないと通じない。この違いは割に知られているが、なぜそうなったかは謎。同じ関西でも大阪と京都の「たぬき」はまた違うらしい。きつねとたぬきはどこで化けたのか。

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大阪のたぬき(手前)、きつね(右奥)、ハイカラ(左奥)=大阪市中央区の「うさみ亭マツバヤ」

 一般に関東では油揚げがのったそば・うどんを「きつね」、天かすのせを「たぬき」と呼ぶ。一方、大阪で「きつね」といえば油揚げのうどんだけを指し、「たぬき」は油揚げののったそばになる。きつねそば、たぬきうどんはあまり見かけない。

◇            ◇

 まず、きつねの足跡を追ってみた。実はきつねうどんの発祥は大阪にあるとされる。船場にある1893年(明治26年)創業のうさみ亭マツバヤだ。

 3代目店主の宇佐美芳宏さんによれば「最初は『こんこんうどん』と呼んでいたようですよ」。初代はすし屋で修業を積み、うどん屋で独立した。いなりずしをヒントに、かけうどんと皿にのせた油揚げを別々に出したのが始まりだったらしい。

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 そのうちお客さんが油揚げをうどんに直接のせて食べるようになり、商人の街・船場で大ヒット。いつの間にか「きつねうどん」と呼ばれ、全国に広がっていったとみられる。

 次はたぬき。辻調理師専門学校(大阪市)の日本料理専任教授、杉浦孝王さんに聞いてみた。

 「たぬきが生まれたのは江戸時代の終わり、関西より関東が先だったようだ」と杉浦さん。最初はイカのかき揚げをそばにのせていたようだが、「関東ではごま油で揚げるので衣が黒っぽくなる」。茶色がかった濃い色がたぬきを連想させ、名前の由来になったらしい。

 ところが関東発のたぬきそばは、なぜか関西で広まらなかった。大阪城天守閣研究主幹の北川央さんも「江戸後期には関西でもそばが多く食べられていたのに」と首をひねる。そのうち「きつねがうどんなら、たぬきはそばのことだろう」との発想で、油揚げがのったそばを「たぬき」と呼ぶようになった、とする説が根強い。

 関西で天かすが具の定番になったのは、大正時代とされる。当時の関西人は「捨ててもいいような天かすをいれるなんて、関東の人はハイカラやなあ」と皮肉をいったとか。その名残で天かす入りのそば・うどんを「ハイカラ」と呼ぶようになったらしい。

◇            ◇

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京都のたぬきは、短冊切りした油揚げのあんかけうどん(京都市左京区の「おかきた」)

 調査はこれで終わらない。「京都ではあんかけのきつねうどんをたぬきと呼びますよ」と杉浦さんが教えてくれた。早速、京都市左京区にある「おかきた」に向かった。同地に1940年(昭和15年)から店を構える老舗の3代目店主、北村正樹さんに話を聞くと、きつねうどんも少し違うという。

 京都のきつねは油揚げを2センチメートル幅で短冊切りにし、九条ねぎと一緒にうどんにのせる。細めんと絡まり、めんとだし、具材がバランス良く口に入る。「公家文化の影響で、上品な食べ方が求められた」と北村さん。舞妓(まいこ)さんも大きな油揚げにかぶりつかずに済む。

 このきつねうどんに、ドロッとしたあんをかけたのが京都のたぬき。「きつねがドロンと化けてたぬきになった」(北村氏)というわけだ。底冷えする京都では、熱を逃がさないためにあんかけがよく使われる。辻調の杉浦氏は「あんかけは湯気が出ないがとても熱い。そこで、だます、化かすの意味でたぬきと言われたのでは」とみる。

 たぬきときつねは消費者の好みや料理人の工夫に応じて姿を変えてきた。次はどんな新メニューに化けるのだろうか。

(大阪経済部 志賀優一)

[日本経済新聞]

Posted by nob : 2013年03月07日 11:38

それはそうでしょ。。。

■米起業家の約6割は40歳以上、「IT創業者」とイメージ異なる

[サンフランシスコ 28日 ロイター] 非営利団体(NPO)カウフマン財団などが実施した調査で、米国で新たに会社を立ち上げる人は、20─30歳代よりも40歳以上に多いことが分かった。

同財団と情報サイト「LegalZoom」が2012年に事業を開始した1431人を対象に行った調査では、起業家を年齢別に見ると、18─29歳が全体の約18%、30歳代と40歳代がそれぞれ約25%、50歳代が約21%、60歳以上は約11%で、中高年層が若年層を上回った。女性は約3分の1だった。

起業家は、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏やマイクロソフトのビル・ゲイツ氏のように、大学を中退しているとのイメージを持たれがちだが、調査では学士号を持っている人が37%、修士号と博士号の保有者は合わせて25%となった。

最も人気のある業種は、食品と飲料、事業向けサービス、コンサルティング、娯楽などで、売り上げは8割以上が5万ドル以下だったが、10万ドル以上との回答が約8%、100万ドル以上も1%いた。

カウフマン財団の調査担当者は「ほとんどの起業家は、シリコンバレーで生まれる起業家とはタイプが異なる」と話した。

[ロイター]

Posted by nob : 2013年03月04日 08:46

交流がはじめの一歩。。。

■オバマ氏に「電話を」 金正恩氏が元NBA選手に

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平壌市内で米朝の選手が出場したバスケットボールの試合を観戦する金正恩第1書記(左)とデニス・ロッドマン氏=2月28日(AP=共同)

 北朝鮮を訪問し金正恩第1書記と会談した米プロバスケットボールNBAの元スター選手、デニス・ロッドマン氏は3日、オバマ米大統領から電話が欲しいと金第1書記に告げられたことを明らかにした。米ABCテレビに出演し語った。

 ロッドマン氏によると、金第1書記は「私は戦争を望んでいない」とも話したという。

 ロッドマン氏は、金第1書記が大のバスケ好きと紹介。金第1書記には「オバマ氏もバスケが好きだ」と伝えたという。

 ロッドマン氏は2月26日から3月1日まで北朝鮮に滞在したが、金第1書記の一連の発言がどの時点で行われたのかは不明。

 ロッドマン氏は米テレビ局の番組制作のため訪朝。金第1書記とバスケの試合を観戦、夕食も共にした。(共同)

[産経新聞]

Posted by nob : 2013年03月04日 08:36

さらなる地震が発生しないことを願うばかり。。。

■増え続ける汚染水、溶融燃料手つかず 事故2年の第1原発公開

 東京電力は1日、福島第1原発事故発生から2年を前に廃炉に向けた作業現場の状況を報道陣に公開した。放射性物質を含む汚染水は増え続け、敷地内には貯蔵タンクが立ち並ぶ。溶けた燃料をどうやって取り出すかはまだ検討段階で、長期的取り組みを着実に進められるかが課題だ。

 11月には4号機の原子炉建屋上部にある使用済み核燃料プールから1533体の燃料の搬出を始める予定で、クレーンを備えた新たな設備の建設が建屋のそばで進む。

 4号機の燃料は別棟の共用プールに移送される。共用プールには容量の約93%に当たる6377体の燃料が入っている。東電は十分に冷却された共用プール内の燃料の一部を、冷却水から取り出して乾式キャスクという金属製容器に入れて別の場所にある仮保管設備に移し、4号機の燃料を収容するスペースを確保する。仮保管設備には既にキャスクが届き始めている。

 一方、保管中の汚染水は26万立方メートル。貯蔵容量はあと6万立方メートルしかない。東電は2015年までに70万立方メートル分のタンクが必要になるとして、今後増設を進める。

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【写真説明】福島第1原発の4号機(左)。溶けた燃料を取り出すための建屋カバーの基礎部分(右)が姿を現していた=1日午前、福島県大熊町(代表撮影)

[中国新聞]

Posted by nob : 2013年03月02日 07:29

言わずもがな、、、深刻なのは内部被曝。。。

■福島の原発事故でがんのリスクがわずかに上昇=WHO

 日本の原発事故から間もなく2年がたつなかで、国際的な専門家チームは28日、高濃度の放射線に汚染された地域の住民のがんのリスクは、ごくわずかだが高まるとの研究結果を発表した。

 この報告書は、世界保健機構(WHO)が福島の事故の健康への影響について専門家に調査を依頼して発表したもの。

 報告によると、放射性物質を含む噴煙で覆われた地域の乳児の生涯がん罹患(りかん)率は1%前後増加するという。

 報告書を執筆した専門家の1人でマンチェスター大学のリチャード・ウェイクフォード氏は「罹患率の上昇はかなり小さく、おそらくライフスタイルの選択や統計の誤差といった他の(がんの)リスクによる影響によって隠されてしまうだろう」と述べ、「福島に行かないことよりも喫煙しないことの方が重要だ」と述べた。

 リスクが最も高まるのは乳児だ。日本での生涯がん罹患率は男性が41%、女性が29%だが、最も汚染のひどい地域の乳児の場合、これが1%ポイント程度高まるという。

 特に懸念されるのが甲状腺がん。放射性ヨウ素が甲状腺に吸収されるからだ。特に乳幼児のリスクが大きく、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の後、汚染された牛乳を飲んだことによって約6000人の子どもが甲状腺がんにかかった。

 報告書は、福島の汚染の最もひどかった地域の女児が生涯に甲状腺がんにかかる率が70%高まると推測した。甲状腺がんは非常に少なく早期発見されれば治癒(ちゆ)するがんだ。女性が生涯に甲状腺がんにかかる率は0.75%で、被ばくによってその確率が0.5ポイント上昇することになる。

 ウェイクフォード氏は、罹患率の上昇が非常に小さく、観測できないほどであろうと語った。

 高濃度の放射性物質に汚染されなかった地域では、放射線によるがんのリスクは顕著に低い。ウェイクフォード氏は「それ以外の地域の人々のリスクは極めて小さい」と述べた。

 放射線に誘発されたがんが専門のコロンビア大学のデービッド・ブレナー氏は、直接的な放射線飛散の影響を受けない地域の人々のがんのリスクはごく小さいだが、少なくとも理論的にはゼロではない、と指摘。しかし、がん罹患率を目に見えて変えるほどではない、と述べた。

 また、WHOの報告の数値は意外ではないとした上で、少量の放射線によるリスクを測定することが難しいため、この報告は不正確とみなすべきだと語った。同氏はWHOの報告書には関わっていない。

 がんが少しでも増加するという予測が出されたことが驚きだという専門家もいる。

 オックスフォード大学の物理学の名誉教授、ウェイド・アリソン氏は「この被ばく量で向こう50年にがんが増加すると考える根拠はない」と述べた。同氏は今回のWHOの調査には参加していない。同氏は「(被ばくした人々の)ごくわずかながんの増加は、道路を横断するリスクより小さい」と述べた。

[THE WALL STREET JOURNAL]


■福島原発80キロ圏内、1年で放射線量4割減 文科省

 【石塚広志】文部科学省は1日、東京電力福島第一原発から80キロ圏内で航空機を使って測定した最新の放射線量のマップを発表した。線量は1年間で平均約40%減ったという。放射性セシウムが自然に壊れて減る核崩壊のほか、風や雨など自然環境の要因で80キロ圏外や海に移動したとみられる。

 調査は今回が6回目。昨年10月31日から11月16日まで、ヘリコプターに載せた高感度の検出器を使い、地表面から1メートルの空間線量を約14万地点で測定した。同じ手法で測った2011年10〜11月の第4回調査と比べると、原発から北西の高線量帯で減り方が大きく、全地点の平均減少率は約40%だった。

 40%のうち21%は、放射性セシウムの核崩壊による減少分と見積もられた。事故で主に放出されたセシウム137(半減期30年)とセシウム134のうち、半減期が2年と短い134の減少分が大きく寄与した。残る19%は自然環境の影響とみられる。

[朝日新聞]

Posted by nob : 2013年03月01日 22:26

何のため、、、誰のため。。。(溜息)

■「マイナンバー」16年から 税や年金手続き簡単に
政府が法案提出

 政府は国民一人ひとりに番号をふり、年金や健康保険などの社会保障給付と納税を1つの個人番号で管理する「共通番号制度」を2016年から導入する。給付の申請や税の確定申告などが簡単になるほか、税・社会保険料の適正な徴収や給付につながる。行財政を効率化するIT(情報技術)政府のインフラが本格的に動き出す。

「マイナンバー」法案のポイント

* 住民票コードから国民一人ひとりに番号をつける

* 番号を本人に知らせたうえ、番号情報を入れた顔写真付きのICカードを配る

* 納税や年金の給付申請など当面は行政手続きに利用

* 2015年中に番号を通知。16年1月から利用開始

* 17年1月から国税庁や日本年金機構などの間で個人のデータを交換

* 17年7月から地方自治体も情報交換に参加

* 番号を扱う行政機関を監視・監督する「特定個人情報保護委員会」を設置

* 法施行後、3年後をめどに番号の利用範囲の拡大を検討

 政府は1日、関連法案を閣議決定し、国会に提出した。昨年11月、衆院解散でいったん廃案になった法案を自民、公明、民主の3党で修正した内容で、今の通常国会で成立する公算が大きい。

■15年中に番号通知

 法案が成立すれば、15年中に住民票を基に個人への番号通知を始め、16年1月に納税や年金の照会などから番号を使った行政手続きに移る。17年1月からは国税庁や日本年金機構といった国の機関で番号で整理した個人情報を交換。17年7月からは地方税などを管理する地方自治体も番号を利用する。

 共通番号は「マイナンバー」と呼び、年金や健康保険のほか、雇用保険、生活保護など社会保障全般のほか、税の確定申告などで利用する。

 利点の一つは複雑な行政手続きの手間を省けることだ。

 例えば児童扶養手当の申請には、市町村が発行する住民票や都道府県による障害者手帳など複数の行政機関に足を運んで書類をそろえる必要がある。国の行政機関や市町村、税務当局が共通の個人番号でデータを管理すれば、番号に基づく申請があるだけで所得などを確認し、受給資格があるかどうか判断できる。

 番号を使って個人の手続きを「名寄せ」することで、適正な税・保険料の徴収や給付につなげる狙いもある。子ども2人がそれぞれ母親の扶養控除を申告した場合、番号に基づいて手続きを突き合わせ、二重適用を防ぐことなどができる。

■個人情報管理を徹底

 政府は17年以降、個人が自宅のパソコンで行政手続きを申請し、確認できる「マイ・ポータル」の導入を目指す。転居で住所が変わる場合、共通番号の住所を書き換えれば、年金や医療、奨学金などの制度での住所変更も同時に終わる。

 1つの番号で多くの個人情報を管理するため、情報漏れの対応も徹底する。共通番号による申請は、担当行政機関には別の番号に変換してから届くようにする。番号による情報照会はマイ・ポータルを使う本人しかできない。個人情報保護のため、行政機関を監視・監督する「特定個人情報保護委員会」を14年中に設置する。

 共通番号を利用する各省庁のシステム整備を効率よく進めるため、内閣官房に特別職の国家公務員として内閣情報通信政策監(政府CIO)を置くことも法律で定める。

 今回の法案は、主に社会保障と税に関わる行政手続きに限って共通番号を利用する枠組み。徴税関連以外では民間企業の番号利用はできないが、法施行から3年後をめどに、民間企業などに共通番号の利用範囲を広げることを検討する。

[日本経済新聞]


■マイナンバー 導入は問題が多すぎる

 国民らに個人番号を付けるマイナンバー法案が、閣議決定された。納税実績や年金情報などを一元管理する共通番号制だ。個人情報の流出や、なりすまし犯罪などが懸念され、問題点が多すぎる。

 赤ちゃんからお年寄りまで、全国民にマイナンバーは付く。中長期在留の外国人や法人にも番号が付けられる。この番号をキーにして、納税額や年金・介護の保険料納付状況などの個人データを引き出し、照合するのが、共通番号制の仕組みだ。

 一番の目的は、行政事務の効率化だ。確定申告や年金受給などの手続きが簡単になる利便性もうたわれる。税務面では、扶養控除の申告などで不適切な案件があぶり出せる利点がある。

 社会保障面では介護や保育などにかかる費用を世帯ごとに把握でき、その負担に上限を設ける新制度が構築できるとされる。低所得者に還付金を出す給付付き税額控除にも使えると、説明される。

 だが、行政実務の現場で苦労するのは、同一の世帯かどうかの判断だ。個人に番号を振っても、この問題はなくならない。「世帯ごとに把握できる」というのは誇大広告に等しい。

 システム構築にも莫大(ばくだい)な費用がかかる。六千億円とされた初期費用は二千億円程度に圧縮できると見込んでいる。ランニングコストも毎年百億円単位でのしかかる。これを国民が新たに負担し続けるわけだ。費用対効果の面で疑問符が付く。とくに個人や法人のお金の出入りを照合するシステムではないので、大幅な税収増にはつながらない。

 マイナンバーは住民基本台帳の住民票を基に個人情報を管理する。さまざまな理由で住民票の住所に住んでいない人、住民票さえない人々は、公的サービスから締め出されることになりかねない。弱者排除の面もあるわけだ。

 サイバー犯罪などが絶えないネット時代には、個人情報の集約と集積は、かえってプライバシー保護の点から危険でもある。社会保障番号を使う米国では、なりすまし犯罪が絶えないことから、州法で利用を制限したり、国防総省では国防上の観点から職員や家族に独自の番号を採用している。ドイツでは税分野に限定することで、なりすまし犯罪に利用されることを防いでいる。世界の潮流は明らかに日本とは異なる。

 二〇一六年から運用開始というが、本当に共通番号制が必要か。根本からの議論が足りない。

[中日新聞/2日追加]

Posted by nob : 2013年03月01日 22:21